Masahide Kanzaki
2006-03-25T16:03:23Z
Semantic Web Layer Cake
セマンティック・ウェブを実現するための技術・課題を、階層的に示した図の2005年5月版。セマンティック・ウェブは、必ずしもこの階層通りの順番で構築されるわけではないが、全体像を把握するためには欠かせないチャート。
Tim Berners-Lee
2005-05
531
450
0,409 313,448
URI
グローバルな識別子URIがセマンティック・ウェブでの全ての基本となる
321,408 528,448
Unicode
グローバルな情報を扱うためには、文字をユニバーサルに処理できる必要がある。セマンティック・ウェブは、ユニコードを基盤とする。
46,361 288,400
XML
第2階層には、ネットワークを通じてコンピュータがデータを交換するための共通の構文としてXMLが置かれる。
299,361 528,400
Namespace
分散して作られるさまざまな語彙を区別し、互いの用語が衝突しないようにするための名前空間も、同じく第2階層としてウェブ全体を支える。
97,312 435,352
RDF Core
第3階層には、リソースの関係を主語、述語、目的語のトリプルとして捉えるデータモデル、RDFが置かれる。セマンティック・ウェブでの情報や知識の記述の基本となる。
169,274 435,307
RDF Schema
第4階層には、RDFで用いる語彙を定義するためのRDFスキーマが置かれている。
170,237 436,266
DLP bit of OWL/Rule
第5階層は、オントロジー記述言語のOWLと推論規則言語のうち、特に記述言語に基づくプログラミングが可能な範囲を扱うという位置づけになっている。
168,172 295,227
OWL
ウェブ・オントロジー言語のOWL全般は、DLP層の上、第6層に位置づけられている。
307,175 434,226
Rules
第6層には、OWLと並んで推論規則を記述するための標準言語が置かれている。
99,170 153,304
SparQL
第4層のRDF Coreから第6層のOWL/Rulesを貫く形で、RDFのクエリ(問い合わせ)言語とプロトコルであるSPARQLが配置されている。知識の記述と、その利用が連動するというかたちを示している。
198,96 375,158
Logic Framework
第7層には、論理フレームワークが置かれる。この内容は2005年時点ではまだはっきりしないが、異なる論理システムの個別定義やシステム間協調のための仕組みを提供するものと言われている。
263,46 432,79
Proof
第8層には、エージェントが推論を行った道筋や、その証明を示すための仕組みが置かれる。コンピュータに任せて推論を行う場合に、その結果を信頼するかどうかの判断には、推論の根拠が欠かせない。なお、この層は右端で下に折り返され、第7層のLogic frameworkと一部並置されている。
448,46 530,356
Signature / Encryption
第3層のRDF Coreから第8層のProofまでを貫く形で、電子署名と暗号化のパートが右側に配置されている。ネットワーク上で流通するデータに基づいて様々な推論などを行うとき、それを信頼するためには、データの出所が間違いないこと、またそのデータが途中で改竄されていないことを担保することが不可欠だ。
381,1 529,33
Trust
最上位の第9層に置かれた「信頼」は、コンピュータの力を利用してウェブの知識を活用するというセマンティック・ウェブの最終的な課題だ。これは、さまざまな技術の積み重ねによって初めて実現できる。