本書の特徴

1. 本書の構成と記述

この本は、HTMLのレファレンスガイドではなく、HTMLという道具を使って情報を発信したり交換したりするための考え方とその手順を説明していきます。そのために、本書はつぎのような特徴を持っています。

3つのパートにより、HTMLを使った情報発信・共有の考え方を説明します

本書はつぎの3つの部分から構成されます:

Part 1:情報のかたちを示すHTML
HTMLを使って、文書の意味構造をどうやって示すかをとりあげます。通常の文書と共通する、「情報をわかりやすく示す」という表現行為を、HTMLとCSSという道具でどのように実現するかを、順を追って説明します。
Part 2:ハイパーメディアとしてのHTML
従来の文書では実現できなかった、オンライン文書としてのHTMLの機能を取り上げます。ハイパーリンク、双方向性、マルチメディアなどを使ったWWWの可能性を説明します。また今後のWWWの中心技術となるXMLとHTMLの関係についても取り上げます。
Part 3:ウェブプロジェクトの企画と設計
最初の2部で身につけたHTMLという道具を使って、実際にどうやってコンテンツをつくっていくかを、企画、設計、ユーザーの視点という切り口で説明します。HTMLとCSSによってユーザビリティを高める具体的方法も考えます。

必要十分な要素タイプ・属性のみを選んで説明しています

本書は、HTMLの要素タイプ(タグ)、属性(要素の役割り情報)のうち、情報の発信・共有という目的に必要かつ十分と考えられるものを選んで解説します。仕様書で定義されている要素タイプを全て網羅しているわけではありません。また、説明している要素タイプでも、一部の属性を取り上げないことがあります。特にレイアウト、表現に関しては全面的にスタイルシートを使うことを前提にしているので、FONT、CENTERといったタグは全く言及していません。

ブラウザのバージョンなどによる違いは解説しません

HTMLは環境に依存しない情報共有を目的としているので、各要素がどんなブラウザでどのように表現されるかについては、原則として説明しません。また、スタイルシートはブラウザのバージョンによって実装状況が異なることがありますが、ブラウザごとにどのプロパティが使える/使えないなどの解説は行いません。ただし情報が正しく伝わらない可能性のある相違点については注意を喚起します。

原規格への参照を示しています

これまであまり紹介されることのなかった細部を説明する箇所が多いので、何を根拠にそんなことを言っているのかが明確になるよう、必要なところでは原規格の参照箇所や参考文献、出典などを欄外に示しました。

XHTMLでの記述方法を注記しています

本書は基本的にHTML 4.01にもとづいた記述方法の説明をしています。HTMLの最新規格であるXHTMLの書き方と異なる部分は、

[XHTML POINT] XHTMLではタグを'/>'を使って閉じます。

という形で注記しています。HTMLに慣れている方は、できるだけXHTMLの書き方を身につけることをお勧めします。XHTMLについては第11章で詳しく解説します。

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