見出しなどの要素にタグを加える

HTMLにおいては、文書の見出しや段落などの 要素 に「タグ」という目印を付けておき、それを頼りにブラウザという表示ソフトが、必要な部分の文字サイズを大きくしたりして、読者に読みやすく表示してくれるようになっています。

HTMLとタグ

HTMLで文書の要素を示す「タグ」には様々な種類がありますが、ここで必要なのは 見出しを示す<h1> 〜 <h6> です。一般的には「章」見出しに<h1>、「節」見出しに<h2>、「項」見出しに<h3>などのようにあてはめればよいでしょう。たとえば

(例) <h1>第1章:船出</h1>

といった具合になります。もうひとつ必要なのは、 段落を示す<p> です。これを使って、意味のまとまりごとにブロックをつくり、内容を把握しやすいようにします。

「置換」メニューによる見出しタグの設定

原稿のテキストで、見出しが規則的な記号によって区別されていれば、ワープロやテキストエディタの「置換」メニューを使って、この見出しタグを設定することができます。例えば、章の見出しを常に■で囲んで

(例)■ 第1章:船出 ■

のように書いてあるとします。この場合は、置換メニューで

      +------+-----------+
      | 検索 | ■_      | ← _は全角スペースを表す
      +------+-----------+
      | 置換 | <h1>      |
      +------+-----------+

と設定・実行することで、章見出しの目印が一気にHTMLの<h1>に変換されるわけです(見出しの終わりを示す「 ■」も忘れずに「</h1>」に変換して下さい)。同様にして、小見出し(節見出し)もこのような目印があれば、すぐにHTMLのタグに変換できます。見出しなどの書き方に自分なりのルールを決めておくと、このような時に威力を発揮しますね。

「段落」を示す

文字中心の作品をHTMLで提供するときは、「段落」がきちんとタグで示されているかどうかが、読み易さに大きく影響します。

HTML文書の中では、「改行」は意味を持ちません。HTMLでは、文章の中に改行があっても、ブラウザで表示するとひと続きの文章として扱われてしまうのです。これは、電子メールを使っている方はお分かりのように、インターネットで交わされる文書において、「改行」は意味上の区切りを示すものではなく、単に1行を画面の範囲に納めるために使われることが多いからです。

このままでは、せっかくの作品もべったりと全文がつながった、のっぺらぼうになって読みにくいことこの上ありません。そこで、HTMLでは「改行」ではなく「段落」を明示することで、読者に見かけ上も意味上もきちんとした区切りを示すようにしています。段落は<p></p>で囲むことで区別され、多くのブラウザでは段落の間に1行分の空白がおかれます。

段落の一括変換

一括変換で段落をHTML化する方法は、一概には言えません。原稿の作者によって、段落の区切りを1字下げにしていたり、1行空けにしていたりと、いろんな書き方が許容されているからです。また、使っているソフトによって、置換メニューが「改行」をどう扱うかが異なることも、一般論を難しくしています。

とはいえ、基本的な考え方は前の「見出し」の場合と同じなので、ちょっと工夫すれば、ほとんどの原稿は一括変換で段落タグを付加することができるでしょう。たとえば、置換メニューにおいて改行を\nで表現するソフトを使って、1字下げで段落を表現している原稿を変換するには、

      +------+-------------+
      | 検索 | \n_       |  ← \nのあとに全角スペース
      +------+-------------+
      | 置換 | </p>\n\n<p> |
      +------+-------------+

という置換パターンを使うことで、ほぼすべての段落タグを設定できるはずです。慣れないとわかりにくいかも知れませんが、たいていのソフトの置換命令は数回試行錯誤すれば何とか使えるようになると思うので、工夫してみて下さい。

これらの変換を一括して行うプログラムも用意しました。この章で紹介したような規則的な見出しの印付けをしていると、すぐにHTMLができあがります。ただし、タイトルやファイル名の付け方など、事前に考えておきたい内容もありますので、この先を読み進んでからお試しいただけると良いと思います。