ちょっとしたメモ

HTML4の10周年

HTML4の初版がW3C勧告となって今日でちょうど10年。せっかくだから祝辞でも書こうかなと思ったけれど、もはや水か空気のようなものだし、ことさらに述べるほどのことも思い浮かばない。HTML4/XHTML1では不十分だからより良い新しいHTML/XHTML仕様を作ろうという話については、特に反対はしないものの、ミネラルウォーターでなくても水道水で十分なんですって感じ。当面の目的には、浄水器(@profile/GRDDL)という現実解もあるんだし。

HTML4は、ある種W3C的な理想像にかなり真正面から取り組んでいて、10年前にそこから感じた熱い信念は、今見ても古びていないように思う。もちろん人間がその時の環境の中で編纂した仕様だから、完全というわけには行かないが、最近になってようやく注目され始めたa要素の@rel属性とかhead要素の@profile属性のように、なかなか奥深い部分もある。

HTML5というのは、このW3C的理想とアプリケーション実装・コンテンツ制作側が「現在欲しいもの」を同じテーブルに並べて議論し、次の世代のマークアップ標準を考えていく試みといえるだろう。先月公開されたHTML Design Principlesの草案は、いみじくもこう述べている。

The HTML 5 effort under WHATWG, and much of the work on various W3C standards over the past few years, have been based on different goals and different ideas of what makes for good design. To make useful progress, we need to have some basic agreement on goals for this group.

外野から見ていても、このずれは小さくないように思える。実装側は、彼らの視点で「あまり使われていない」と判断した要素や属性はHTML5から削ると主張して、@profile@accesskeyといった属性を削除対象にする一方、i要素は「前後のフレーズと異なるモードのテキスト」という新しい意味付けを発明してしまう。そりゃ話は食い違うだろう。W3C的な理想が全てではないし、現状のHTML5案にも見るべき提案はたくさんあるのだが、「現在欲しいもの」の視点だけで、せっかくHTML4が打ち出したところから退化してしまうのはいただけない。

もうひとつの新型XHTMLであるXHTML2は、これまでXHTML1とは異なる名前空間を採用してきた、つまりHTMLとは別物だったので外野から傍観してきたが、ここに来て名前空間を変更し、XHTML1と同じhttp://www.w3.org/1999/xhtmlを用いる方向に転換しつつある(これを議論するIssue 7808にはWe plan to do thisというノートが加えられ、編集者草案ではすでに名前空間が変更されている)。こうなると、XHTML2も次の選択肢の一つだ。こちらは、HTML4よりもさらに純粋に、W3C的なるものの具現化に突き進んでいる。現実的ではないかもしれないが、でも筋は通っているのかな

いずれにしても、これらの新仕様が勧告までたどり着くのはまだ先のこと。10年選手のHTML4/XHTML1とは、まだしばらく付き合いが続く。

関連メモ:
map - genre: xhtml. at