一部で話題になっているダニエル・ハーディング+DKBのブラームス3/4番のCDを聴く。古楽的アプローチを取り入れた室内オーケストラによる演奏ということだそうで、弦の編成は3番が9-8-6-5-3、4番が9-9-6-5-3と、ノリントン+LCPの10-10-7-6-6よりさらに小振りだ。

バランス面では、内声をかなり強調しているのが目立つ。3番の1楽章で、2nd VnとVaのシンコペーションがこんなに多用されているのかと、ちょっと面白い発見もあった。一方、編成の割にはそれほど管が際だつわけでもなく、コントラバスは薄くて物足りない。基本的に繊細ではあるものの、意外に雑に感じられる部分もあって、やや消化不良気味。3番の4楽章あたりの若々しさを評価すれば、全体としてはまあ悪くない部類かもしれないが。

演奏もさることながら、日本盤のブックレットに金聖響が寄せている解説というかエッセイが、大変パーソナルでいい味を出していた。

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