カペレの第22回演奏会は、ヴェルディの「聖歌四篇」とベルリオーズの「幻想交響曲」というプログラム。

ヴェルディは、第1曲と第3曲がア・カペラで、たぶん合唱の技量としてはすごく高度なものを求められる曲だ。練習ではかなり危なっかしかったが、本番は見事。第3曲の女声は美しかったな。

合唱と共演すると、フレージングという面で再認識させられる点が多い。歌詞があってブレスもあるという旋律は、やはり自然なフレーズの取り方というものがある。歌を聴きながらだと、楽譜を眺めただけでは分かりにくいことが鮮明になるのだ。たとえば、“四分音符と八分音符のタイ”になっているのと、“付点四分音符”の違いは、八分音符にも歌詞があるとなれば、何を考えるべきかが見えてくる。

ベルリオーズはお馴染みの曲だから、ともすれば安易になりがち。練習中も、乱暴というか自分の頭の中のイメージだけで弾いて、楽譜をきちんと見ていない感じの奏者が多かった。個人的には、これまで雑な弾き方をしてしまった曲なので、今回は細部まで丁寧にを目標としていた。楽譜に書かれたsfやcresc., decres.を全てきちんと弾くのは、それほど容易ではない。

打ち上げで山下一史さんが言っていた「指揮者と演奏者のアイコンタクトが生まれることが一番重要」というのは、至言だな。この日は、山下さんとは10回以上は目が合ったと(少なくとも奏者側からは)思う。

しかし、たぶん演奏はまずまずだったのだが、なんだか終了後の充実感がないのはどういうことかな…

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