今日はダブルヘッダーの練習で1時から9時まで弾き続け、最後は指がつってしまうほど疲労困憊。いきなり作品131のチェロ譜を初見でといっても、そりゃ無理だわな。

ところで、後半戦の田園の練習で、佐伯さんがまた自筆譜のファクシミリを持ってきてくれていたので、ベートーベンは「嵐」のところをどんな風に書いていたのかとめくってみたところ、あらら、びっくり。21小節目からの、Vc=五連符+Cb=16分音符になって不協和音の嵐になるところが、五連符の1段しか書かれていない(ベースパートは分かれていない)。これはもともとはVcもCbも五連符のはずだったのが、リハーサルか何かでベースには演奏不可能と判断して書き換えたんだろうか?

家に帰って児島新の『ベートーヴェン研究』(1985, 春秋社, ISBN:4-393-93103-3)を引っ張り出してみたら、ちゃんと記述があった。これは初演の時に訂正されたもので、パート譜にはっきりその跡が認められるということだ。どうやら、不協和音の効果を狙ってこういう書き方をしたわけではないらしい。

どっちでも大変な箇所であることには違いないが、五連符のままだったとしたら、ほとんどお手上げだな。訂正してもらって、ほんの僅かだけ、救われたということなんだろうか。

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