ネチケット・ガイドライン
インターネット環境でのコミュニケーションを円滑にするために、実践的な知恵を集めたものがネチケット(Netiquette)だ。RFC 1855には「利用者が応用して」使うことができるように最小限のネチケットが示されている。その中の電子メールに関する部分から抜粋・抄訳して紹介しよう。
メッセージの書き方について
- 内容が分かる件名をつけること。
- 1行は65文字(半角)未満で改行するのがよい。
- ぶっきらぼうでない程度に簡潔な表現を用いること。返信時には、原意がわかる程度に引用する。全文を引用して返答するのは最悪。
- 感情的な返信を送る前に、一晩待ってみよう。
- 原則:送信内容は慎重に、受信内容には寛大に。
- 差出人を含むヘッダ情報を削除してしまうソフトもあるので、メッセージの終わりに連絡先として「署名」を入れておくこと。ただし原則として4行以内の短いものを。
- 著作権を尊重すること。転送や引用の場合はオリジナルを改変しないこと。
送受信について
- 大切なメッセージには、すぐに受信した旨を知らせる短い返信を送る。後で長い返事を書くつもりでもそのほうがよい。
- 個人のアドレスのように見えても、実はグループ宛ということもある。誰に届くのかを理解して宛先を記入するように。
- 1対1のやりとりになってきたら、いつまでも他の人にCcし続けないこと。
- 暗号化していない限りインターネット上のメールは安全ではないと考えておくこと。プライバシーが保証されないのと同様、さまざまな偽造やごまかしが含まれる可能性もある。
相手に迷惑をかけていないか
- 頼まれてもいない大量の情報を送らないこと。
- 送信メッセージのサイズを理解しておくこと。添付ファイルはメールを巨大なものとし、問題を起こす可能性がある。あまりに大きなものは、ほかの方法や分割して添付することを検討する。
- メール配送のコストは、送受信双方がほぼ等しく負担している。これは郵便やテレビなど他の媒体とは異なる点で、広告メールが歓迎されない理由もここにある。
- 相手は、文化、言語、ユーモアの基準があなた自身とは異なるかも知れないことに注意。特に皮肉には気を使うこと。
- ニュアンスの表現にはスマイリーが使える(控え目に)。もちろん、スマイリーがあるからといって、相手が内容に満足するとか、ほかのひどい表現を打ち消すなどということはない。
- メールにおいて通じると期待してよいことは、相手との関係や対話の文脈によって異なる。ある環境における規範が、インターネットでも通用するとは限らない。俗語や略語に注意。
- 絶対にチェーン・レター(幸福の手紙のように同じ内容を転送することを要請するメール)を送ってはならない。
- 転送設定をするときは、ループに注意すること。転送したメールがまた戻ってきてさらにもう一度転送するという無限ループに陥ると、ひどいことになる。
(RFC 1855 Sec.2.1.1 For mailより。順序を入れ替えたり、複数項目をまとめて簡略化したものもある)
『プロフェッショナル電子メール』プロローグより