リンクを本文の流れに組み込む
オンラインテキストが順を追って読まれる文章を書くのと大きく違うのは、読者がどこからやってくるか分からないというところです。例えあなたがそこには1個所からしかリンクを設けなかったとしても、別の誰かはまさにその部分を参照したいと思うかもしれず、彼自身の作品からあなたの作品のその場所にリンクするかもしれません。ですから、あなたは読者があなたの考えた順路にしたがって作品を読むはずだと考えることはできないのです。
もちろん、チュートリアルを書く場合は、本来の読者のために、一つのドキュメントから次のものへの流れをあなたの考えの通りに保つことは重要です。出し抜けに飛び込んでくる利用者のことまでいちいち考慮してはいられないでしょう。しかし、そういう人のためにも何か手がかりを用意し、途方に暮れることがないようにしておくのは賢明です。次のような方法が考えられます:
- 文章や用語がそれ自身で意味を成すように注意すること。ドキュメントの冒頭が「次に我々が考えることは...」とか「この問題に対する唯一の解決策は...」のようになっていると、明らかに混乱を来たします。
- しばしば最初の言葉は文脈に依存しているので、そこからバックグラウンドの情報にリンクしておくことができます。たとえば、WWWプロジェクトのドキュメントでは、WWWという略語が最初に出てくるときはだいたいプロジェクトの中心となるページにリンクしています。
- ドキュメントの冒頭もしくは末尾にナビゲーション用のヒントを置いておけば、分かりやすい指示になります。このドキュメントの末尾はその例になっています。
さらに、あなた自身がいつかそのドキュメントを再利用するかもしれないと考えながら書くことは有益でしょう。いつか、そうなるかもしれません。
前後関係を示すアイコン
アイコンはナビゲーションを大いに助けてくれます。作品を通して一貫したアイコンが用意され、常に(「トップ」ページにいるときを除いて)トップページにリンクされているということは、とても効果的です。これは一石二鳥の効果があります:これは作品に一貫性を与え、読者はいつその内部に入り、いつそこから出ていったかということが理解できます。また、それは読者に、トップページにすばやく戻る手段も提供するのです。
同じことを節にもあてはめれば、各ページの冒頭(あるいは末尾)に小さな一列のアイコンを用意し、最初のアイコンは作品のトップに、2番目は章の先頭に、そして3番目は章の中の節に戻るなどとすることができます。
(このスタイルガイドは、作者が画像を扱えないハイパーテキストエディタを使用してきたため、長い間アイコンがありませんでした。いずれ改善するつもりです−tbl)