標準的なHTMLを使う
あなたの書くハイパーテキストはHTML言語によって保存されます(あるいは、少なくとも、インターネット上を送られます)。現在(1991-1997)のところ、HTMLを自ら書く人もいる一方で、HTML文書の制作に、ハイパーテキスト・エディタのようなツールを使う人もいます。
どのような種類のHTMLタグを使うべきでしょうか? あなたは、あなた自身もしくは使用しているソフトウェアが作り出すHTMLの種類について、意識的であるべきです。
第一の理由は、世界中のソフトウェアが等しく理解できる標準的なHTMLを注意深く使うということは、さきほど検討した「機種に依存しない」文書を作るということになるからです。
将来にわたる保証
第二の理由は、あなたとしても作成しているデータが将来においてもきちんと利用できるものであって欲しいだろうということです:将来のソフトウェアの進化によって影響されないものが望ましいはずです;あなたの文書の寿命(likely life)は、一考に値するものです。たとえそれが内容的には古くなったとしても、もし5年、10年、20年のうちに一般的な利用者には読めないものになってしまったとすると、その損害はいかばかりでしょうか? 同じことが、あなたが「仮想ハイパーテキスト」−−言い替えれば、その場でハイパーテキストを自動生成するプログラム−−を書いている場合にも当てはまります。そのようなプログラムは、あなたの会社や仲間の日常活動の一部ともなり得るものであり、もしそれがうまく機能すれば、長い間にわたって使えるものになるのです。
「拡張されたHTML」のある種の機能を使ってみたいという誘惑はあるかもしれません。しかしそれは、データを読んだり生成したり処理したりするのに、特定の会社のソフトウェアを使うことを、排他的にかつ効果的に、要求するものなのです。 けれども、独自ネットワークからインターネットへの移行のために、また独自OSからそうでないものへの移行のために、企業が多大なコストを払ってきたことを思い出してくれる人もいるでしょう。会社の資産や製品は、時間とともにダイナミックに変化するものです。ですから、あなたが後継者に課すことになるかもしれないコストのことも考えてください。
- どんな人があなたの文書を読もうが関係ないというなら、どんなものでも好きなタグを使えばよいでしょう;
- もし文書の有効期間が本当に短く、読者もはっきりしているのなら、読者が使っているブラウザのことだけを考えて書いて構いません;
- もし現在から将来にわたって全てのソフトウェアがあなたの文書を読めるようにしたいと考えるなら、最新のW3Cの勧告となっているHTMLを使ってください(1997年7月時点ではHTML 3.2であり、まもなくHTML 4.0となります)。
- もし、古いソフトウェアでもきちんとあなたのドキュメントを読めるようにしたければ、最新版の一部分だけを使うようにする必要があります。例えば、HTML 2.0のタグだけを使うというように。
HTMLの標準はWorld Wide Web Consortiumによって制定され、ドキュメントはTechnical Notesから入手することができます。この分野の開発の最新動向は、W3C HTML activityをチェックしてください。
あなたの文書がある標準に適合しているかをテストするツールはいくつもあります。それらを利用してみるのも良いでしょう:もし自分でHTMLを書くなら定期的に、編集ソフトを使っているならときどきでいいと思います(あなたのドキュメントをテストするも参照してください)。
他のフォーマット
明らかに、同様の理由から、画像、アプレット、アニメーション、音声、ビデオその他についてもどんなフォーマットを使うかについては注意を払う必要があります。画像については、1997年の時点で、GIF97とPNG[JPEGの誤りか?(訳者注)]は安全確実であり、PNG(GIFの強化版)も受け入れられつつあります。しかし、どの標準が信頼できるかを調べるのはこのガイドの範囲を大きく超えるテーマです。新聞・雑誌はこれらの評価に重要な役割を果たしてきましたし、W3C、IETF、ISOなどの機構による保証も重要です。