先日行われたETconで、緯度経度データを使って街(この場合サンディエゴ)のいろんなポイントの情報を集約してみる Collaborative Mapping Workshop in San Diego というイベントがあったようだ。当サイトでは、GPSつきカメラで撮影した写真を緯度経度データを利用して地図上に表現するというアプローチを試みてきたが、これは逆に緯度経度(+時刻)でまず'Packet'を定め、そこに説明、写真やその他のメディアを加えていくというもの。
locative:Packetというのは、たぶん2003年7月にラトヴィアのKarostaで行われた Location-based Workshop でのRDFモデルを利用したものだと思う。ETconでのイベントは、そのモデルを少し変形したメタデータを採用していた。これを使って、たとえば昨日の静岡県立大学付近のデータを記述してみると次のようになる。
(例)
<rdf:RDF xmlns:locative="http://locative.net/etcon2004/loc#" xmlns:media="http://purl.org/dc/dcmitype/" ... > <locative:Packet
> <geo:lat>34.996</geo:lat> <geo:long>138.445</geo:long> <dc:title>静岡県立大学/dc:title> <dc:description>煉瓦造りの瀟洒な校舎</dc:description> <dc:date>2004-02-16T16:42:55</dc:date> <foaf:topic
><wn:University/></foaf:topic> <foaf:maker> <foaf:Person> <foaf:mbox_sha1sum>c608c06ce...</foaf:mbox_sha1sum> </foaf:Person> </foaf:maker> <locative:media
> <media:Image rdf:about="http://kanzaki.com/works/2004/imgdsc/040216_1642.jpg" dc:format="image/jpeg"/> </locative:media> </locative:Packet> </rdf:RDF>
Karostaのlocative media metadataの定義によれば、この'locative:Packet'とは、a state of affairs in space and time
ということになるらしい。だから、ある「場所」を説明するというわけではなくて、“ある時ある場所で見聞きしたこと”を自由に記述してみるといった感じで使えばいいのだろう。
このモデルは、特に写真を撮影しなくても、「ある時ある場所」の情景をテキストとして描写してみたり、あるいはそこで録音した音を加えてみたりと、多様なメディアによる記述が可能なところが面白い。foaf:Image
ではなくDCMI Type語彙を用いてメディアを定義しているのは、画像以外のメディアも利用できるようにするためだ。foaf:topic
は、文字列ではなく明確にクラス(URI)を用いてテーマの分類を行うために導入されている。
ETconでは、HTMLのフォームを使って集めたデータをこのlocative:Packetのモデルで記述し、たとえばrdfmapperで表現するといった試みが行われたようだ。写真に付加されたGPSデータを元に記述するのとは逆のアプローチで、なかなか興味深い。
- locative:PacketとSpatialThing (2004-02-23)