ちょっとしたメモ

ダブリン・コア・セミナー

グランドヒル市ヶ谷でソシオメディア主催のセミナーに出席。「メタデータでビジネスはかわるのか?」というテーマは重いなぁと思う反面、ビジネス分野からメタデータにどんな反応があるのかという関心もあり、微妙なところではあった。話の流れとしては、いかにダブリン・コアがシンプルであり、それが重要かということが強調されていた印象がある。特にTom BakerがOAIを処理するPythonコードがTシャツの裏表にプリントできると言って標準化されたメタデータのメリットを示していたのは象徴的。

パネルディスカッションでは、みなさんそれぞれ具体的な体験に基づく興味深い話をされていた。ここでもシンプルという言葉がキーワードになっていたので、シンプルさのメリットと、コンテクスト情報に依存することの限界、そしてプロパティの値としてリテラル値を使うことによる難しさといったテーマを振ってみたら、Controlled Vocabulary についての話が結構盛り上がって面白かった。Tom Bakerの言っていた、「第1段階としてリテラル値、第2段階としてLCCのような広く知られた統制語彙、そして第3段階としてあらゆる語彙を識別できるようにする」というステップの考え方は、アプローチとして納得できるし、実際に導入するに当たってもこうした段階を意識することが重要だと感じた。

セミナー後の懇談では、Stu Weibelが述べていた、DC、あるいはシソーラスの国際化、多言語化の重要性とその実現への取り組みの話が印象的だった。アメリカvsベトナムの戦争を、アメリカ(およびその友好国)は「ベトナム戦争」と呼ぶが、ベトナムではこれを「アメリカ戦争」と呼ぶ。これが同じものを指していることをきちんと示すには、シソーラスとその多言語化が必須なのだと。非常にコストのかかる仕事ではあるが、こうした国際的な課題を解決するには、DCMIの果たす役割がとても大きいものになるだろう。

ビジネスも含めて、結局重要なのは、「使える」メタデータをどうやって作成・維持・利用するかということが再認識できたと思う。最終的に、セミナーの内容が「ビジネス」という題目に対してどこまで落とし込むことができたのかは心許ないが、短時間の割にはパネルディスカッションもなかなか活発で、収穫はあったんじゃないかな。

関連メモ:
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