参加しよう

メタ情報とセマンティック・ウェブのページを作り始めた頃に書いた、「批判ばかりではなくて参加してみよう」という趣旨の断片の採録です。

メタデータを計算機が「理解」できるようになってセマンティック・ウェブが実現するという理想を、夢物語に過ぎないという人もいます。そんなに簡単な話でないことは確かでしょう。懐疑論はセマンティック・ウェブが目指していないものを取り上げて批判していることが多いのですが、それでもこの考えを否定する人は、バーナーズ・リーのつぎの言葉に耳を傾けてみるといいかも知れません。

The Semantic Web is what we will get if we perform the same globalization process to Knowledge Representation that the Web initially did to Hypertext. We remove the centralized concepts of absolute truth, total knowledge, and total provability, and see what we can do with limited knowledge. (Tim Berners-Lee, 1998, What the Semantic Web can represent)

WWWが登場する以前、ハイパーテキストは一部の「理想家」だけが熱心に取り組んでいる特殊な道具でした。知識表現や機械に理解可能な知識というコンセプトの現在も、とてもよく似た状況と言えそうです。「絶対の真実、全ての物事を網羅する知識、あらゆる可能性といった中央集約型のコンセプト」から離れて、限られた知識で何ができるかというところからスタートすることで、知識表現におけるWWW、すなわちセマンティック・ウェブへの未知が開けてくるというのです。

ならば我々も、限られたことしかできなくても、自分たちのできる範囲でメタデータを生かす取り組みを始めてもいいのではないでしょうか。