ベートーベン交響曲第7番の概要と演奏(a.k.a.ベートーヴェン/ベートホーフェン)

曲の概要

曲名
交響曲第7番 イ長調 op.92
作曲時期・場所
1811/12
初演
1813-04-20 @ ウィーン:ルドルフ大公邸(非公開)
1813-12-08 @ ウィーン大学講堂(公開初演)
楽章構成
  1. Poco sostenuto-Vivace
    イ長調 4/4-6/8拍子
  2. Allegretto
    イ短調 2/4拍子
  3. Presto
    ヘ長調 3/42/4拍子
  4. Allegro con brio
    イ長調
楽器編成
Fl:2; Ob:2; Cl:2; Fg:2; Hr:2; Tp:2; Timp; Str
備考
ノート

短い動機を展開して全曲を統一するという手法を前2作で極めたベートーベンは、ここではもう一度旋律性を見直し、曲の構築性は「リズム動機」によって組み立てるという方向に転換した。1楽章は長い序奏をおいたあと、付点の「騎馬民族のリズム」をFlが提示し、楽章全体にこのリズムが行き渡る。展開部、そして再現部で延々と続くこのリズムを、6/8の躍動感を保ったまま(4/4のようにならずに)きちんと演奏するのは容易ではない。2楽章は葬送行進曲風で緩徐楽章のような性格も持つが、テンポはアレグレット。長-短-短(4分音符+8分音符2つ)と、長-長(4分音符2つ)のリズムが全体を支配するが、特に長-短-短は終楽章でも重要な役割を果たす。3楽章はヘ長調Prestoのスケルツォ主部とニ長調Assai meno prestoが交互に現れるA-B-A-B-Aの形式。[A]はむち打つようなリズムで躍動感が強調されるのに対し、[B]ではレガートで旋律的。[B]はニ長調なのに属音のイが延々と響いて支配的なのも特徴。終楽章は短縮された長-短-短リズムと全休止を2回繰り返して開始され、アイルランド民謡からとられたと推定される主題を、裏拍にスフォルツァンドを置く挑発的なリズムで奏していく。最初の和音からバスはずっと属音であるEを奏で続け、12小節目にいたってようやく主和音が出るというのも凝った作りだ。コーダのバスの威力は圧倒的。

いくつかの演奏=録音情報

演奏者、録音情報と楽章別演奏時間
指揮者演奏CD番号録音年月1234備考
Arturo ToscaniniNBC s.o.BMG 60253-2-RG1951-11-0911:047:576:566:4432:41
Herbert BlomstedtStaatskapelle DresdenBrilliant 99927-41975-0213:319:579:459:0342:16
Leonard BernsteinVPO*DG 2740-2161978-10-31/11-0214:128:448:577:0038:53LP
Herbert von KarajanBPO*DG 439-003-21983-1211:197:457:306:2733:01
Roger NorringtonLondon Classical PlayersEMI 7-49816-21988-0813:527:148:139:0238:21
Roy GoodmanThe Hanover BandNimbus NI51471988-08-10/1113:488:279:129:0140:28
Frans BrüggenO. of 18th CenturyPhilips 426-846-21988-1114:448:078:267:5839:15
Christopher HogwoodAAM*L'Oiseau-Lyre 452-555-21989-0514:197:338:039:0739:02
Nikolaus HarnoncourtChamber O. of EuropeTeldec 2292-46452-21990-07-0514:038:089:258:1439:50
Charles MackerrasRoyal Liverpool p.o.EMI 5-72809-21992-06-25/2612:467:598:078:3437:26
John Eliot GardinerORR*Archive 439-904-21992-1213:097:458:309:0738:31
David ZinmanZurich Tonhalle o.Arte Nova 74321-56341-21997-12-16/1713:257:288:038:3037:26
Simon RattleVPO*EMI 5-57445-22002-04/0514:098:258:288:5039:52
Roger NorringtonSWR StuttgartSounds Supreme 2S-1382002-0913:366:398:178:4037:124楽章は実測
Roger NorringtonSWR StuttgartHänssler 93-0872002-09-0513:296:308:098:4036:48実測
Seikyo KimO. Ensemble KanazawaWarner WPCS-116842003-02-08/1013:578:029:018:4139:41

※録音年月順 (16 records)

※個人的な関心で手元の資料を中心に調べたデータであり、網羅的な情報ではありません。入力ミスなどによる誤りが含まれる可能性があります。年月(日)はISO-8601スタイルで、1806-10は1806年10月を、1806/10は1806~1810年を示します。演奏時間は、の解釈ほか詳しくは内容に関する説明を参照してください(特に古い録音ではリピートが省略されていること多々がありますが、今のところ区別していません)。