チャイコフスキー交響曲 変ホ長調の概要

曲の概要

曲名
交響曲 変ホ長調(第7番)
作曲時期
1892(未完)
初演
1957 @ モスクワ:M.テリアン指揮モスクワ・リージョンp.o.(ボガティレフ補筆版)
楽章構成
  1. Allegro brillante
  2. Andante
  3. Scherzo: Vivace assai
  4. Allegro maestoso
楽器編成
Pi:(1); Fl:3; Ob:2; Cl:2; Fg:2; Hr:4; Tp:2; Tb:3; Tub:1; Perc:3; Hp; Str
ノート

チャイコフスキーは1892年に「人生」と呼ぶ交響曲に着手したが、1楽章の途中まで作曲したところで放棄し、別の作品(悲愴)の作曲をはじめた。このときのスケッチは、ピアノ協奏曲第3番op.75(1楽章のみ完成)に作り替えられる。1950年代になって、ロシアの作曲家セミヨン・ボガティリェフ(ボガティレフ)がいくつかの素材を組み合わせて補筆し、4楽章の交響曲に仕立て上げたのがいわゆる「第7番」と呼ばれるもの。第1楽章は初期のスケッチとピアノ協奏曲第3番から、第3楽章はチャイコフスキーの《ピアノのための18の小品op.72》の第10曲「Scherzo-fantasie」をもとに組み立てられた。第2楽章と第4楽章は、ピアノ協奏曲第3番の第2、第3楽章に充てるはずだったスケッチと、それをタネーエフがオーケストレーションした曲(アンダンテと終曲op.79)を使ってつくられたという。

〔補足〕なお、2005年2月に《幻の交響曲「人生」が、モスクワのチャイコフスキー財団などによって補作され約百十年ぶりに完成する》と報道された件は、ロシアの若手作曲家ピョートル・クリモフ(Pyotr Klimov, 1970-)が「復元」を担当することになった模様で、2006年5月の完成を目指しているとされる。→「ジーズニ」あるいはチャイコフスキー幻の交響曲“復元”の顛末を参照。

いくつかの演奏=録音情報

演奏者、録音情報と楽章別演奏時間
指揮者演奏CD番号録音年月1234備考
Eugene OrmandyPhiladelphia o.CBS OS-2151962----0:00LP:詳細データ記載なし
Leo GinsburgUSSR State s.o.Victor SH-75711963?24:2115:5340:14LP:演奏時間は面ごと
Neeme JärviLondon p.o.Chandos CHAN91301991-06-07/0812:5011:187:229:0440:34

※録音年月順 (3 records)

※個人的な関心で手元の資料を中心に調べたデータであり、網羅的な情報ではありません。入力ミスなどによる誤りが含まれる可能性があります。年月(日)はISO-8601スタイルで、1806-10は1806年10月を、1806/10は1806~1810年を示します。演奏時間は、の解釈ほか詳しくは内容に関する説明を参照してください(特に古い録音ではリピートが省略されていること多々がありますが、今のところ区別していません)。