ちょっとしたメモ

QRコードとメタデータの実用性

引き続きQRコードでメタデータを表すことを考えていたら、どうも携帯電話で読みとれるQRコードのサイズはかなり小さいらしいことが分かってきた。RDF/XMLはおろか、N3であってもメタデータをひと揃い埋め込むと容量オーバーになってしまう。メタデータそのものではなくて、メタデータをウェブ上に置いてそのURLをQRコードにする方が実用的なのかも知れない。

携帯電話で読みとるQRコードは、バージョン10(57x57セル)までとなっていることが多いようで、これだと誤り訂正率をM(15%)とした場合、英数字で311字、漢字だと131字の容量ということになる。先日のシンプルなN3でもバージョン10には収まらなくなってしまうので、ここにどうやって実用的なデータを入れるか、工夫が必要だ。

たとえば携帯電話での使い方として、レストランなどの位置情報をQRコードで与えて、GPSナビで道案内させるという応用を考えることができるだろう。この場合のメタデータは、とりあえず緯度経度だけでシンプルなので、N3で記述すればバージョン10には十分収まる。

(例)

@prefix geo: <http://www.w3.org/2003/01/geo/wgs84_pos#>
[geo:lat "35.69177";
geo:long "139.69317"] .

次の左の画像は、この位置情報をRDF/XMLで表現した場合のQRコード、中の画像は上記のN3のQRコードだ(RDF/XMLはバージョン10には収まらなかった)。

RDF/XML, RDF/N3, 地図URL。

しかしこのメタデータは、N3のRDFを理解して緯度経度データを取り出し、さらにそれを地図やナビゲーションに結びつけるアプリケーションを必要とする。応用範囲は広いが、いろいろ手間のかかる方法ではある。この緯度経度の場所をオンラインマップで表示するためのURLをQRコードにしてしまえば、話はもっと簡単だ(上右)。データは少なくて済む上に、とりあえず新しいアプリケーションを作る必要もない。

QRコードを実際のデータのポインタとして使うという方法は、あまり新鮮味はないものの実用性は高そうだ。URLならば、メタデータが複雑になってもQRコードの容量の制約を受けることはない。PCでの利用の場合は、サイズの心配は少なくなるが、ウェブやデータベースへのアクセスはより簡単だから、データの更新などを考えると、オンラインという選択も十分あり得る。現実的には、どちらか一方だけではなくて、埋め込みとオンラインの組み合わせというのが、やはり合理的なんだろうか。

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