ちょっとしたメモ

ウェブログとジャーナリズム

4月17日にボストンで開かれた BloggerCon II を受けて、Nico MacdonaldがThe Registerに The future of Weblogging という記事を書いている。ジャーナリズムとしてのウェブログという観点で、現状と今後のウェブログやその作者に望むことを記したもので、若干高望みという感じもあるが、よくまとまっていて示唆的な点も多い。

この記事でMacdonaldは、まずウェブログの発展を a genuinely positive development in mass communication, and particularly in publishing and journalism. とした上で、DTPや個人ホームページサービスなどのこれまでの「パブリッシング」システムとの共通点と違いを示す。その中で彼は、ウェブログのジャーナリズムとしての可能性を示す一方、そこには「告白文化(confessional culture)」とでもいうべき個人のこまごまとした話題がたくさんあること、また基本的に日付順で優先度や話の連続性/連関といったものが反映されないことに、メディアとしての現状での限界を見ているようだ。

彼は、ウェブログの将来の可能性として、人々がもっと「ジャーナリスト」になることを奨励したいといっている。ここで言うジャーナリズム/ジャーナリストとは、次のようなこと:

Journalism involves actually interviewing people, doing thorough background research on a subject, presenting a rounded and dispassionate overview, and reasoning through substantive arguments.

現在は、many Webloggers consider it sufficient to link to an article with no context, or simply repeat the context someone else has given it. つまり単にリンクしたりコピー&ペースとしただけで良しとしてるウェブログが多いけど、もっといろいろ考えて、意見公開と議論の場になるといいな、というところだ。

さらに機能的には、Yahoo!がウェブにもたらしたような構造的分類のための仕組み、著者や掲載場所などに応じて記事のプライオリティを付けられるような仕組み、'blogosphere'を視覚化する仕組みなどが求められるとして、ウェブの将来像を語っている(この辺りは、ウェブログのメタデータとも関係してくるテーマだ)。

そんなに大上段に構えることなく、ウェブログをもっと気楽に楽しむという意見ももちろんあるだろう。あるいは、すでに立派なジャーナリズムとして主張を展開しているウェブログは多数あるというべきかも知れない。まぁ、それらはそれとして、Macdonaldの記事はまさにジャーナリスティックに書かれているので、読んでみて損はないと思う(このメモは駆け足で書いてMacdonaldの考えを十分伝えきれていない部分もあるので、その意味からもできれば原文をあたってください)。

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