ちょっとしたメモ

HTMLの再構築?

GRDDL仕様の最初の公開草案が出ていよいよXHTMLの出番だと思っていた矢先に、バーナーズ=リーからReinventing HTMLなどという話が出てきてびっくり。W3CのHTMLに対する取り組みへの不満は各地で書かれているし、WHATなんていう分派がHTML 5を起草したりしているから、本家としても何とかしなければならんということだろう。しかし、新しいHTML部会を設立する(to charter a completely new HTML group)と個人ウェブログでいきなり宣言するのは異例で、かなり唐突な感じがする。

もちろんこれは、XHTMLに向かう動きを逆流させようということではない。新しいHTML部会は、現在のHTML WGを置き換えるのではなく、並行して設置されるのだという。XMLの方向へ一度に切り替えようとしたのでものごとが動かなかった(The attempt to get the world to switch to XML, including quotes around attribute values and slashes in empty tags and namespaces all at once didn't work)という反省から、バーナーズ=リーはHTMLを段階的、積み上げ式で改良する(incremental improvements to HTML)という点を強調している。

The large HTML-generating public did not move, largely because the browsers didn't complain. Some large communities did shift and are enjoying the fruits of well-formed systems, but not all. It is important to maintain HTML incrementally, as well as continuing a transition to well-formed world, and developing more power in that world.

ブラウザがダメっていわないからHTML作者はあまり動かなかったけれど、XHTMLもそれなりに使われて成果は上がっていて、ただそれが大勢とはなっていないということ。だから、HTMLの段階的発展とXHTMLへの移行を並行して進めて、もっといいものをつくろう、という主張だ。

新しい活動には、HTMLの改良を提唱している開発者や、ブラウザ・メーカー、それにユーザやユーザ会社などみんなが加わらねばならん。HTMLのフォームとXFormsとの橋渡しも何とかしなくちゃならんし、Validatorももっと手を入れなきゃならん。文章からは、何だか思い詰めたような雰囲気もただよってくる。HTMLのような枯れた道具は、あれこれいじらないで安定させる方がいいようにも思うが、御大がこう打ち上げたからには、平穏無事では済まないのかな。

関連メモ:
genre: xhtml. at