昨日(4/3)はディマンシュの演奏会。前プロのドボルザークの後、伊福部昭の日本狂詩曲、シンフォニア・タプカーラを演奏し、さらにアンコールでSF交響ファンタジー第1番まで弾いてしまうという、伊福部スペシャルだ。
伊福部の音楽は、自分の中のかなり深い部分で共振する。メンバーの多くが「やっぱり日本人だなぁと改めて思った」と言っていたけれど、伊福部作品を聴く(演奏する)人が誰しも感じることだろう。祭りの喧噪の中に歌姫が降り立って、衆人が急に耳をそばだてるような調べ。そこに遠くの方から合いの手が響く時、懐かしい光景の断片がいくつも重なって頭の中をよぎる。踊りのクライマックスで最後にピッコロがトリックスターのごとく突入して乱舞する様からは、幼い頃見た火祭りを思い出す。
バルトークほどに精緻で技巧的なわけではなく、日本狂詩曲やタプカーラはつくりとしてはむしろ素朴な部類だ。ベースを弾く立場からすると、アクセント付きの重音の連続だったり、sul pont.が延々と続いたりして、腕力勝負の難物でもある(今日は筋肉痛だ)。それでも、ビオラのC氏が「練習に行くのが楽しくて、オーケストラを始めたばかりの頃を思い出した」と言っていたように、伊福部の曲は弾く喜びがあるのだ。
演奏自体は、ステリハの方がミスも少なくまとまりがあったように思う。でも本番はまさにお祭りで、ディマンシュらしいわくわくするステージだった。