昨年のドボルザーク没後100年関連イベントの一環としてThomas Music(プラハ)から出版されていた新世界のファクシミリが、日本語解説付きで出版される(された)らしい。日本の発売元はプリマ楽器、定価は51,000円+税で、2005年2月の予定となっている。

関連資料を調べていたら、Faksimile Antonin Dvorakなる、このファクシミリのためのウェブサイトが見つかった。日本語ページも一応存在するのだが、なんと日本語テキストは一枚の画像となっており、しかも極めて読みにくいので、概要だけまとめておくことにしよう:

  • 第1巻:自筆ファクシミリの部は、古文書デジタル化専門のスキャナーを用いて再現された126枚のカラー写真からなる(日本版のポスターではなぜか120ページと表記)
  • 紙もオリジナルを念頭に選び、繊維の細部もプレス加工でできるだけ忠実に
  • 作曲家の書き込みや修正がはっきりと分かる(色鉛筆を使った書き込みなど)
  • 第2巻:注釈の部は、1972年の最初のファクシミリ版に添えられたヤルミル・ブルクハウゼル(Jarmil Burghauser=作曲家でありドボルザーク自筆分析の大家でもあった)による解説を元に、ドボルザークの書簡研究なども出版しているミラン・クナ(Milan Kuna)が改訂を加えたものを用意(日本語版で106ページ)
  • さらに後書きとして、マルケータ・ハローバー(Markéta Hollová)が新世界の解釈、演奏史と、今日および将来にわたる新世界の重要性に関するエッセイを寄せている

ポスター(というか出版案内資料の拡大カラーコピーのようなもの)が楽譜売り場に貼ってあったので気付いた次第。ISBNもちゃんとあって、4-901756-12-5だそうだが、オンライン書店などの検索では出てこなかった。当のプリマ楽器のサイトにも情報は見あたらないようで、あまり一般顧客は念頭に置いていないのかも知れない。

去年、新世界の楽譜についていろいろ調べたこともあり、興味はあるのだが、どこかの図書館が購入してくれるのを待つことにするかな。

()