インマゼールが演奏するドビュッシーを聴いたときから、きっとこのエラールのピアノによるショパンもどこかにあるんだろうと思っていたら、今日パトリック・コーエンによるマズルカの第2集を発見し、即購入(第2集ということは当然第1集もあるわけで、98年にリリースされていたようだが不覚にも見落としていた。現在は入手困難かも)。

エラールの音色はもっとセピア調というかくすんだものだというイメージがあったが、これは意外に明るくのびやか。ショパン向きの音色かもしれない。ライナーノートによれば1855年頃のエラールだそうだ。華麗ではないが嬉しくなってくるショパン。こうなると何としても第1集も聴いてみたくなる。

(*自分に向けての注意書き)エラールがショパンが活躍した当時の楽器であることは間違いない。しかしショパンは友人にあてた手紙の中で「エラールの音は派手すぎて僕の演奏には向かない」と書き、もう1社のピアノをとりあげて「プレイエルは完全無欠の楽器だ」と絶賛しているそうだから、当時のエラールだからいい、というのは単純に過ぎるか。現代ピアノでは分からない味わいがあって面白いことは確か なんだが。オリジナル楽器のピアノ演奏については、かつて坂崎紀がメールマガジンに書いていた記事があったな。

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