それなりに長くベースを弾いているのに、これまでジュピターには縁がなかったのだが、ようやく花火の第6回演奏会で取り組むことができた。この曲を名手たちとともに演奏できたのは幸い。なかなかチャンスのないプロコフィエフの「古典」も、もっと珍しいセレナータ・ノットゥルナも、楽しめた。
ノットゥルナでは、ステリハになってから急にベースを中央に持ってくることになって、VnとVaに挟まれて演奏するという初めての体験。こういうポジションで弾くと、不思議な気分だが、確かにアンサンブルはしやすい。実はなかなか合理的なのかも知れない。
プロコフィエフは、シンプルなふりを装いながらとてつもない難曲(除ベースパート)で、これをきちんと仕上げた名手たちは見事だった。第2楽章のしっとりした感じが、結構うまく弾けたように思う。
念願のジュピターは、熱い演奏だった。終楽章は頭も腕もくらくらするほど。たまたまモーツァルト自筆譜のファクシミリ版をもっていたので、細部を見比べたり金子先生に質問したりしながら、いろいろ興味深い発見があったのも収穫。