というサブタイトルで『レコード芸術』3月号が演奏スタイルの「最前線」を特集している。オリジナル楽器(ピリオド楽器)による演奏も、ずいぶんメジャーになったものだ。この雑誌も数年前のサイテー新譜評に比べれば、少しは目覚めたか。記事の内容はともかく、歌崎和彦によるピリオド楽器のレコード年表は資料として有益。
最近、元ロンドン在住のカナダの人からノリントンについてメールをいただいた。そこでは、彼のコンサートのすばらしさに続けて
Unfortunately, much of the effect came from the dramatic use of dynamic range. Recordings restrict dynamic range so that nuance becomes disproportionately important. The grand sweep and gesture of a Norrington lose out. Perhaps that is why the soporific Gardiner seems to be more popular on disk. (I may have Brugen once but don't recall him.)
と書かれていた。何だか誤解を招きかねないところもあるが、ノリントンがダイナミックレンジの広い表現を音楽本来の重要な要素の一つととらえていることも確か。レコ芸の記事にも見られるように、日本でガーディナーやブリュッヘンばかりが持ち上げられるのは、仕方ないことなのだろうか?