今月の音楽雑誌を眺めていたら、ノリントンがずいぶん目立っていて面白かった。『モーストリー・クラシック』2005年7月号では、(日本におけるドイツ年にちなんだ)ドイツ・オーケストラ特集とからめたような感じで、ノリントンのインタビューが見開きで掲載されている。コンパクトながらなかなか良い記事だ。

レコ芸は6月号から「究極のオーケストラ超名曲徹底解剖」という、いかにもな特集をスタートさせた。この号では11曲が取り上げられているが、そのうちノリントンが録音しているのは5曲。驚くなかれ、その全ての曲について、読みもの本文でノリントンの演奏が取り上げられ、しかも3曲は「筆者のベスト3」に選ばれている。例によって、各曲につき一人の“筆者”が好きなことを書いている記事なので、言及されたからどうだというものでもないのだが、数年前ならちょっと考えられないようなメジャー扱いには驚く。

ちなみに「ベスト3」になったのはベートーベンの交響曲5番と6番、それにホルストの「惑星」。言及のみはモーツァルトの40番とチャイコフスキーの悲愴だ。悲愴については、“筆者”のお好みとは対極にある特異な例という感じの扱いではあるものの、まあこのお方では、お分かりにならなくても仕方なかろう。

ダスビのベースパート写真。「“よく鳴る”といわれる中低弦。今回演奏の『劇伴オーケストラのための組曲(ジャズ組曲)』には特殊楽器も多い」というキャプションがある。

全然関係ないが、『サラサーテ』の2005夏号には、「アマチュアオーケストラで楽しもう」なるシリーズ(?)の《目的別オーケストラ 1 作曲家に魅せられて》という企画でダスビが紹介されている。ありがちのありがたい企画で特にいうこともないわけだが、ベースパートは「勝手にまとまる」中低弦として写真まで載せていただいた(U氏とかK氏とか、見開き6枚のうち3枚に登場してるメンバーもいる)。せっかくなので、今月の音楽雑誌雑感のおまけとして報告する次第である。

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