「ポスト・ロマンティシズムの言い分!」 管楽器のユニークな専門誌『パイパーズ』2005年2月号に、ノリントンのインタビューが6ページにわたって掲載された。ノリントンによる新旧の録音を良く知る聞き手によって、譜例まで用意した熱心な記事が仕上げられている。

そもそも、ロマン派というのはいったい何なのだろうか? 我々は19世紀という時代において、ロマン派というのはいったい何だったのかということを真剣に考えてみなければいけない。(…略…)ロマン派の音楽を演奏する際に、何か強烈な感情を表現しなければいけない、ヴィブラートを使わなければいけない、というような概念を持っている人が多いけれど、真実はけっしてそうではない。19世紀の音楽というのは、そういった表面上の極端なものを要求していたのではなく、ただ、強い感情を持ち、内面的な自分の気持ちを高揚させるということが大切だったのだ。

ほかにも、アーティキュレーションの話、テンポの話、ポルタートの話など、ノリントンが繰り返し語っていることが盛り込まれており、彼の演奏論のポイントを概観するのにもちょうどいい記事だ。(写真は記事の扉で、雑誌の表紙ではないので念のため)

そういえば、ノリントンとシュトゥットガルト放送響の昨年11月の来日公演が、音友2月号の恒例企画で2004年のベストコンサートに選ばれていた。35人が投票したバラバラの結果で順位を付けるというのはあまり意味ないとはいえ、まぁ結構なことではある。

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