昨シーズン、ノリントンとシュトゥットガルト放送響は定期演奏会でベートーベンの交響曲を連続して取り上げ、9月に行われた音楽祭では一気に全曲演奏を行って喝采を浴びていた。ものすごく行きたかったのだが、諸事情により断念せざるを得ず、せめてCDで(いずれhänsslerから全集として出るらしい)と発売を心待ちにしていたところ、Sounds Supremeから5番と7番のCD-Rが一足先に登場した。

2001年の日本ツアーで聴かせてくれた2番と同じく、明瞭なフレージングとアーティキュレーション、ビブラートなしの弦による透明感のある響き、ナチュラルトランペットが生きた輝かしい音色など、当然ながら実に素晴らしい。第5の1楽章と2楽章、第7の2楽章は手元にある各種CDの中でも最速。特に7番の2楽章は、ベートーベンがAllegrettoと指定した意味がよく分かる、舞曲的とも言える演奏が新鮮だ。いずれも3、4楽章はLCPとの録音よりも時間がやや長くなっているが、もちろん遅いという印象ではなく、とほぼ同じ時間。フィナーレの盛り上がりも言うことなし。

最近、リハーサルなどで感じの悪いことが多く、浮かない気分だっただけに、いっそうこれは嬉しかった。

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