Planet masaka played list
Naxos Music Libraryで聴いてPlanet masakaにメモした最近の曲と2008年からの月別リストです。
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セオ・ジュリ:
一
(パトリック・イム)
Vn独奏が12ヶ月それぞれを静謐にまた激しく表現する連作。伊藤巧真「見知らぬ地からの旋律」はアルペジオを散りばめた正統派の静かな無伴奏。イラリ・カイラ「孤独」は逆に激しいアルペジオ。パール・ラグナル・パールソン「エルミタージュ」はA音を中心に透明な音が広がっていく。マシュー・シュライバイス「脆い記憶」は交互に上下する波間に浮かぶPizzやグリッサンド。ジョン・リベラトーレ「不思議、高い空」は幅広い黙々とした歩みから瞑想を経て駆け出す3章。New Focus Recordings FCR411 ()
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タン・トゥアンハオ:
愛する主人のために
(ヘレーネ・ギェリス+フィグラ・アンサンブル)
Cl+Cb+打にMSがフリーデリケ・ゾフィー・ヴィルヘルミーネの詩を歌うミニドラマのような構成。即興のようでもある奇妙な感じだがちょっとCb独奏がいまいちというかこれだからCbソロは残念という。「私は主人を愛する」はファルセットみたいなTenとCb+打でデニス・アガーブラッドの詩。Cb目立つだけにいっそう。「だからあなたとともに」はBas+Clでウィルフレッド・オーウェンの詩。捉えどころない不安な詩情。Dacapo 8.226692 ()
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ストラティス・ミナカキス:
ロウェル練習曲集
(チャン・ジヘ)
切り詰められた音にD-Fの残響(?)が重なり最後の曲では波打つ音も降りそそぐ3曲。ダン・ヴァンハッセル「システム中の少しの雑音」は忙しいアルペジオに飛び交う断片。リー・ウンヨン(李恩瑛)「李南玉」はゆったり大きな跳躍。チャン・ユーフイ(張玉慧)の「頭の体操」はすばしこい打的要素に低音撃がゆっくり響く。ケティ・ネズ「ベルエチュード」は休みなく移り変わる和音。マーティ・エプスタイン「バリオラージュ」は同音を異なる弦で弾く技法を模倣。ジョン・マクドナルド「フリーチュード」はいたずらっぽく目まぐるしい動き。ウィリアム・D・クーパー「固定楽想」は跳躍テーマとロマン派テーマ。New Focus Recordings FCR420 ()
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チャールズ・アイヴズ:
ヴァイオリン・ソナタ第1~4番
(ステファン・ジャッキーヴ+ジェレミー・デンク)
加えて「ピアノ・ソナタ第1,2番」も収録。ジャジーな調べから十二音、無調まで広がる大きな空間を暖かく喜びあふれる音楽として繊細に慈しみ奏でる。生誕150年にふさわしい2枚組ではなかろうか。Nonesuch 075597899061 ()
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パラム・ヴィル:
神々に奪われて
(マルクス・シュテンツ+ロンドン・シンフォニエッタ+アルメイダ・オペラ)
タゴールの叙事詩に基づいてウィリアム・ラディスが台本を書いた1幕オペラで、1管+弦各1という小編成ながら2打とHpをうまく使いなかなか多彩な音色。「切れた弦」は古代仏教の物語を元にデイヴィッド・ラドキン脚本。Cel、Guitも加えてより効果的に書かれている。どちらも劇的効果たっぷりの感だが語り部分がやや邪魔かも。Metier MEX77211D ()
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ルチアーノ・ベリオ:
セクエンツァXIII
(ロリス・ドゥイエス)
シャンソンと題されたAccrd独奏で波打ちながら行きつ戻りつためらいがちな歌。クロード・ルドゥ「虹色の夢の中で」は広い音域を自在に動き下降する線が光る。ユッカ・ティエンスー「飛翔」も繊細で自由な動き。ステファン・オルランド「無のために」は低い音域での脱力から始まり力を得ながら吐息が混じる。ロリス・ドゥイエス「ミサ・ブレヴィス」は唸り声も交えた4章で割と塊を作る。ジョン・ゾーン「ロードランナー」は色んな断片的引用を散りばめつつ叩いたり突然走り出したり。SOOND SND24005D ()
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アダム・ミルザ:
分けられた
(アモルシマ・トリオ)
弦三重奏で高音ハーモニクスの掠れたアルペジオや重音グリッサンドが忙しく飛び交い鳥のお喋りのようだが最後は微かに。「QXTR」はSQで同様の掠れた音に鋸音も加わってゆっくり軋む。「時間パターン」はVn独奏が時々軋みつつ。「三角形」はFl+Vn+Pfでそれぞれの特徴的な特殊奏法、「割れ目」はASax+打にテープ、「成長」はCl+Vn+Vc+Pfでライブエレクトロニクスや声も交え、「読み上げ(ごちゃ混ぜ)」はBCl+Tp+Trbに男声がラリー・アイグナーのテキストを早口で。おもちゃ箱をひっくり返す。New Focus Recordings FCR418 ()
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ジョン・ケージ:
冬の音楽
(ザビーネ・リープナー)
1~20人のピアニストが20の独立したページに示される“イベント”を任意の順序あるいは同時に演奏してい(1人での全曲録音は世界初だそうだ)。単音や不協和な音の塊がぽつりぽつりと置かれしばらく静寂になったりする。曲はラウシェンバーグに捧げられたという。Wergo WER7411-2 ()
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ソフィア・グバイドゥーリナ:
絞首台の歌
(ヘレナ・ラスケル+ニーク・デ・グロート+フランシスコ・アングアス)
クリスティアン・モルゲンシュテルンの超現実的な詩をテキストに女声+Cb+打のトリオが奏でる15章。暗く深い調べながら喜劇性も踏まえた音作りでCbの特殊奏法も効果的。完成度高い。Kairos 0022023KAI ()
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トビアス・PM・シュナイト:
ピアノ三重奏曲第3番
(トリオ・フェニックス-3)
副題「アマーデ」はモーツァルト的透明さで始まりいたずらに満ちた喧騒になったり夢見るようになったりしながらまた消えていく。「弦楽四重奏曲第3番」は副題が「シューマン」でその《朝の歌》《幽霊変奏曲》などを引用したやはり静謐な音楽の中に時折いびつな音が紛れ込む。「Pf三重奏曲第4番テスタメント」はハンマークラヴィーア・ソナタの冒頭引用から始まって硬軟入り交じる展開に。「Pf三重奏曲第2番パ・ド・トロワ」は最初から遊び心一杯。 NEOS12316 ()
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アーサー・レヴァリング:
海川湖
(ジル・ローズ+ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト)
2管編成の小オケ+Pf+Celでドビュッシー、アイヴズ、シェーンベルクの作品をそれぞれ参照するやや映画音楽っぽい3章。「ジョカットロ」はPicc+Guit+Cel、「蛇腹楽器」はSQで、分散和音を散りばめる。「スティーブン・スタッキーの花冠」はPf独奏で“複合旋律”にもとづく変奏曲。New Focus Recordings FCR417 ()
過去のプレイリスト
2025年
- 1月 (31)