ちょっとしたメモ

宿題:body要素内からのprofileもしくはGRDDL

名前のウェブとXHTML文書のプロファイル」をお話したとき、「ウェブログサービスなどでhead要素に手を加えることができない場合、body内部でプロファイル指定(あるいはGRDDL呼び出し)をする方法はないのか」という質問をいただきました。その場では即答できず、宿題ということにさせていただいたので、GRDDL仕様の検討事項(issues)での状況と、他の規格を組み合わせる可能性について報告しておきます。一言でいうと、「GRDDLではその必要性は提起されているが、結論は先送り。“リソース群”についての記述を利用すれば可能かも」というところです。

GRDDLのissue-tx-elementと題された検討事項では、ちょうど上記の質問と同様に、「XHTMLの一部だけを編集できる環境でクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをa要素に記述するとき、rel属性値はどうすればよいのか」という疑問から出発した問題が扱われています。議論としては、rel属性値に絶対URI(たとえばプロファイルURI#license)を記述したらどうだ、しかしGRDDLプロセッサがそれを処理するのは大変なのでは…といった具合です。あるいは、トラックバックとして加えられる(かなりの確率で不正確なHTML)を相手に、headじゃなくてbodyで何とかする方法はないのか、とか。

この事項については、今年の1月12日には、議長Dan Connollyが次のように書いて先送りを提起しています。

One way to address this issue is to change the "host" language, the way RDFa is doing with HTML. But that doesn't fit well with GRDDL. Indeed, I haven't seen any designs that do fit with GRDDL.

So I propose to postpone this issue; i.e. decide that GRDDL is good enough even though it doesn't address this issue (by itself; a combination of RDFa, a new HTML spec, and GRDDL does address many cases of this issue).

今のXHTMLのままでは難しいけれど、それを拡張するRDFaとか、新HTML(HTML5?)とGRDDLを組み合わせれば可能になることがある、というわけです。まぁ、それはそうだろうけれど、ウェブログ・サービスなどの「今の」システムでGRDDLをうまく使うにはという問題提起の答えにはなってないですね。

個人的なアイデアですが、個別文書ではなく一定の条件を満たす“リソース群”(たとえば同じホスト上のHTML文書など)に対するRDFを記述するためのPOWDERという規格が検討され始めているので、これを利用する手があるのではないかと思っています。たとえば、POWDERによる文書群指定で「このウェブログに属する文書群のgrddl:profileTransformationはこのXSLTだ」といった記述をつくり、GRDDLプロセッサがチェックする共通の場所(P3Pにおける/w3c/p3p.xmlのようなもの)に保存しておくといった方法です。この方法がうまく標準化できれば、「この文書群のプロファイルはここだ」という記述をひとつ用意することで、個別文書のprofileなしでも、サイト全体の「名前の共有」が可能になるでしょう(敷居は高くなりますが、HTTPヘッダを使う手もあります)。

そんなわけで、今すぐの解決策はないものの、将来うまい方法が標準化される可能性はあるので、ウェブログ内でも「共有できる名前」をぜひ使っていってください。

関連メモ:
map - genre: rdf. at