music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2014-12
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ヘンデル:
メサイア
(ヤーコプス+フライブルク・バロック管)
1750年版でソリストは5人。期待に違わぬ見事な響き。テンポはややゆったりした感じかな。時々アルトのバードンがぶるぶるしたり、やや合唱が力不足気味のところがあるのが惜しいが、年末にふさわしい上質な味わいでしょう。Harmonia Mundi
HMC901928.29
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シマノフスキ:
バイオリン協奏曲第1,2番
(クルカ+マクシミウク+ポーランド国立放送響)
調性不定ながらも無調ではなく、ロマン派的香りも残るのに陶酔的でもなく、民謡素材があるのに民俗風でもなく、懐かしさすら覚える豊穣な響き。併録の交響曲(指揮セムコフ)第3番は声楽付きの合唱交響曲、第4番はほとんどピアノ協奏曲(Pfパレチニ)。スタバト・マーテルも。Warner-Parlo
5099920687052
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グリーグ:
抒情小曲集
(アウストボ)
これも第1~10集の全曲盤。柔らかく優しいタッチで、素朴な味わいではないが甘ったるくもない、ほどよい表情の美しさ。あぁこれはピアノ曲だったんだなと改めて思わされるのが、珍しい感じかも。Brilliant
BC99748
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ラヴェル:
クープランの墓
(アンヌ・ケフェレック)
丁寧なタッチの、たおやかな感じのピアニズムは、気怠さと奥ゆかしさを行き来し、いろんな音色に変化するかと思えばさらりと行き過ぎてはぐらかす。併録の「鏡」は自分で滑走していくような自在な音、表現するというより湧いて出てくるというか。奥深いね。Erato-Parlo
0077775923353
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ペルト:
交響曲第3番
(パーヴォ・ヤルヴィ+エストニア国立響)
ティンティナブリ様式に至る過渡期の作品ということで、第1楽章中心にところどころ初期的な荒ぶる表現が混じるが、旋律の姿や響きは後期に向かっている感じ。ちょっとシベリウスっぽくもある。スンマ、聖三祝文、シルーアンの歌、フェスティーナ・レンテなど後期の美しい弦楽合奏曲も。Erato-Parlo
0724354550157
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ペルト:
交響曲第1,2番
(パーヴォ・ヤルヴィ+エストニア国立響)
よく知られた後期のものとは趣が異なる初期作品集。1番はショスタコ風というか諧謔味の混じる実験的な響き。2番は引っ掻くような弦のランダムな音、そして砕けて割れるような和音。ほかチェロ協奏曲 「賛と否」、B-A-C-Hの主題によるコラージュなど、いずれも1960年代の曲。Erato-Parlo
0724354563058
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ラヨシュ・フサール:
孤独の歌
(シュコーフ+ラング+ヴァルガ)
Sop+Vib+Percによる4つの歌曲で、ハンガリー語だからよくわからないけれど、あなたが泣く/太陽、月、花/謝肉祭のタムボバムバイ/哀歌というのかな。他にPf+Tenの詩篇69番、Vcと17弦楽器の協奏曲、無伴奏合唱の聖なる日は、それに金管五重奏と、どれも少し陰りのある個性的な魅力が。Hungaroton
HCD31791
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チャイコフスキー:
弦楽セレナード
(ヤーノシュ・ローラ+フランツ・リスト室内管)
十数名の編成による見通しの良い音作りで、軽快だけれども速すぎないテンポ、第3楽章も情緒あふれるのにさらりとしている。フレーズやセクションの末尾での表情も絶妙。録音のせいか音の重心が高いのが惜しいな。Hungaroton
HCD12357
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バルトーク:
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
(バーンスタイン+バイエルン放送響)
久しぶりにこの曲を聴いた。1983年ブダペストでのライブで、音色や表情の豊かさ、スピード感ともに上々。併録はバーンスタインのディヴェルティメント、これも息の合った好演。奔放な魅力はないかもしれないが、いずれも曲の持ち味はしっかり楽しめる。Hungaroton
HCD12631
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チャイコフスキー:
「6つの歌」Op.63第6番セレナード
(ゲルズマーワ+ガネーリナ)
弦セレのために資料を調べていたらデイヴィッド・ブラウンが歌曲のセレナードを紹介していて、なるほどと思って聴いてみた。なかなか素敵な歌だ。作品65には2曲、作品38にはドン・ファンのセレナードとか、結構ある。ゲルズマーワは素直に美声を生かして好感。ほかラフマニノフなどロシアの歌曲。Triton
OVCT-00007
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ハイドン:
交響曲第93~104番
(アーノンクール+ロイヤル・コンセルトヘボウ管)
+68番。歯切れよく、ウィットに富んでいて、かつしなやかな優美さも垣間見える。これはこのコンビによる仕事の中でも最も充実したものの一つといえるかな。モダンとピリオドの良いとこ取りの響きがたっぷり味わえる。Teldec
825646306169
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ツェムリンスキー:
ピアノ作品全集
(トルクァーティ)
田園舞曲、4つのバラード、デーメルの詩による幻想曲など。さすがはショパンの後継者…と書きそうになって、実はウィーン生アメリカ亡命だからそういうことではないか。可憐な香り。音色も好みの演奏。Brilliant
BC95067
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ロドヴィコ・ヴィアダーナ:
ラ・フィオレンティーナ
(ミラノ・リュート四重奏団)
イタリア・ルネサンス期のさまざまな作品が集められているが、特にこの曲は懐かしい感じ(レスピーギのリュート第2組曲の第1曲を思い起こさせる)。ほかフランチェスコ・ダ・ミラノ、ルカ・マレンツィオ、ジョルジョ・マイネリオなど、基本は舞曲なんだけれど、ほのぼのと暖かい音楽。Brilliant
BC95038
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ジェンキンス:
「5声のファンタジア」ほか
(フレットワーク)
ほかウィリアム・ロウズ、マシュー・ロック、パーセルのコンソートやファンタジアがCD5枚分たっぷり。ヴィオールの優雅で精緻な響きを数日かけてたっぷり味わった。音の艶といい表情といい、素晴らしいね。Erato-Parlo
0094639516452
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コルンゴルト:
ピアノ三重奏曲
(パシフィック・トリオ)
ちょっと甘いロマンの香りだけど偶数楽章はなかなか面白い、とか思っていたら、12歳の時の作品1ですか、恐れ入るね。併録ツェムリンスキーはクラリネット三重奏曲として知られる作品の原曲と、ブロッホの3つの夜想曲。どれもまぁ、ロマンチック。Capriccio
C5221
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ヴィンチェンツォ・マンフレディーニ:
弦楽四重奏曲全集
(デルフィコ四重奏団)
18世紀後半、ハイドンとほぼ同世代のイタリアの作曲家で、クリスマス協奏曲で知られるフランチェスコの息子。6曲とも朗らかな長調で、聴いていて気持ち良いのは演奏が溌剌としていることもある。2010年結成のピリオド楽器SQらしい。Brilliant
BC94786
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ランバート:
バレエ音楽「ロミオとジュリエット」
(デル・マー+イギリス室内管)
1925年にバレエ・リュッスの委嘱で書かれたんだそうだ。プロコフィエフの10年前かな。色彩豊かで分かりやすい、楽しめる曲。演奏も軽やか。併録はやはりバレエ音楽の「ポモーナ」、管弦楽のための音楽ほか。Lyrita
SRCD215
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ハイドン:
鍵盤ソナタ全集
(ショルンスハイム)
うかつにも通り過ぎていたこの名盤もNMLにあったわけだ。チェンバロから始まって、クラヴィコード、フォルテピアノと楽器を変えて多彩な表現で紡いでいく。どこを切っても素晴らしい音がこぼれ落ちてくる。13枚組+クレメンス・ゴルトベルクとの対談1枚だからね、じっくり楽しまないと(まだ1/4ほど。明日またたっぷり味わう)。Capriccio
C49404
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ハイドン:
ピアノ・ソナタ全集
(ブーフビンダー)
先日のオールト他による鍵盤ソナタ全集に続いて、愛聴ハイドンがNMLに。あちらは5人で6種のフォルテピアノなのに対してこちらは一人でモダンピアノとかなり違うが、端正で飽きのこない秀演。しかしNMLに収録するときに何かしくじったか、ピッチが急に変わったりするところがあったのは残念。Warner
825646962051
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モンテヴェルディ:
歌劇「オルフェオ」
(メドラム+ロンドン・バロック)
歌はナイジェル・ロジャーズとかカークビーとか。ロジャーズ校訂版を用い、コルネット&サックバット・アンサンブルも加わって、親密で精度の高い演奏。今頃になって「聖母マリア」の冒頭はこのトッカータが使われていることに気付いた。ところで時々声を震わせるあの歌い方は何というのだろう。Warner-Parlo
0724348207050
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モンテヴェルディ:
聖母マリアの夕べの祈り
(パロット+タヴァナー・コンソート&プレイヤーズ)
かつてよく聴いていた名演がNMLに。さすがに素晴らしいクオリティで、カークビーはじめとする声は魅力的かつ確実。コルネットの音色、弦の響き、どれも見事。併録の「倫理的・宗教的な森」もしっかり聴かせる。Warner-Parlo
5099921295959
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モーツァルト:
戴冠式ミサK.317
(ペーター・ノイマン+コレギウム・カルトゥシアヌム)
関係が深いと言われる教会ソナタK.329をグローリアとクレドの間に挟んだ。併録ミサ・ソレムニスK.337もK.336を間に置くという念を入れた構成。演奏は柔らかく気品があり、かつ引き締まっている。声もほぼ安心して聴ける。Erato-Parlo
0724356124455
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メシアン:
トゥーランガリラ交響曲
(ラトル+バーミンガム市響)
久しぶりに聴いた。明晰な秀演。選曲候補に挙げようという話もあるし(無謀かな)。併録の世の終わりのための四重奏曲はベロフほかで、こちらも素晴らしい出来。Warner-Parlo
0724358652550
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ヤーノシュ・ヴェーグ:
弦楽四重奏曲集
(オーセンティック四重奏団)
リストと親交の深かったハンガリーの作曲家。初めて聴いたが、世界発録音だそうだから、そりゃそうだろう。なかなか美しく躍動感もあって、時代の流れとは違ったかもしれないけれど、良い曲ではないか。演奏が魅力的というのもあるかな。Hungaroton
HCD32726
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ジェズアルド:
5声のためのマドリガーレ集第6巻
(カーティス+イル・コンプレッソ・バロッコ)
この美しく透明な歌声は、インヴェルニッツィ、モナコというロッシの時と同じ女声が素晴らしいのかな(微かに不安定になるところがあるけれど)。得意とされるヘンデルのオペラは演奏は良いのにSopが好きになれなかったので、この違いが大きい。Pan Classics
PC10229
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ヴォーン=ウィリアムズ:
ピアノ協奏曲ハ長調
(ハワード・シェリー+ハンドリー+ロイヤル・フィル)
2台ピアノ用に改編する前の原曲。ピアノが打楽器的と言われるが、結構歌うところも見せ場もある。協奏曲にしては珍しい静かな終わり方だが。併録はジョン・フォールズのダイナミック・トリプティク。ビッグバンドにヒントを得た曲だそうだが、グリッサンドで下がっていく和音とか、なかなか面白い。Lyrita
SRCD211
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ロッシ:
マドリガル集
(カーティス+イル・コンプレッソ・バロッコ)
独唱陣による5~6声の素晴らしく精度の高い歌の間に、チェンバロ独奏や弦楽合奏といった器楽曲を挟んだ構成。これは見事。絶品ですね(ロッティも加えた2枚組は5099991257154)。Erato-Parlo
0724354522055
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メータ・オフェルマン:
ピアノ・ソナタ第2番
(ジェネル・キャリガン)
ほか3つのダンスとか3つの印象などのピアノ作品集。1907年オランダ生まれ戦後オーストラリアに移住した作曲家だそうで、絵を音に転換する才能という説明があった通り、いずれも分かりやすく絵画的な印象派風とも言える作品。Wirripang
Wirr060
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ホルスト:
インドラ
(アサートン+ロンドン・フィル)
ほか「夜の歌」とかバレエ音楽「ルール」とか「新年の朝」といった10分前後の管弦楽曲を集めた。どれも演奏会用序曲にはちょうどいい感じの、屈託のない小品。演奏もそつなくこなしている。こんなのもあるんだねってことで。Lyrita
SRCD209
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ケージ:
16のダンス
(ルディ+シモナッチほか)
Vn、ピアノ、打楽器にFlとTpかな。ソロと3人のカンパニーによるパフォーマンスの順番をコインで、音の素材もチャートを使って偶然性で決めるという中期(1951)の挑発的作品。ほかチャイコ4番をコラージュしたクレド・イン・アスとか初期のもう少し素朴なピアノ+打楽器あるいは打楽器アンサンブルの曲。Brilliant
BC94745
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バッハ:
ゴルトベルク変奏曲
(シュタイアー)
ピアノではなく、ヒエロニュムス・ハスをコピーしたチェンバロ使用。装飾は少なめでテンポも中庸な正統派。その分、楽器の特性を活かした多彩な音色が際立ち、華奢な第15変奏とゴージャスな第16変奏の対比とか、リュート/ハープ・ストップやら16フィートの響きやら。残響が長い分やや重く感じるときも。Harmonia Mundi
HMC902058
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