music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2015-01
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プッチーニ:
トゥーランドット
(ラハバリ+マラガ・フィルハーモニー管)
NMLには古いモノラルの(名)演奏はいくつかあるが、新しい録音の全曲盤はこれのみで、聴いてみたらなかなかのもの。合唱(ビルバオとこちらもスペイン)は充実しているし、独唱も大向こう受けという感じではなくてもしっかり歌っている(リュー役は出口正子)。何よりこの野心的管弦楽を味わえるのが新録音の強み。Naxos
8.660089-90
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バーンスタイン:
オン・ザ・タウン
(エリック・スターン+セント・ルークス管)
全曲じゃなく、ほかにもウェスト・サイドとかNYものミュージカルのナンバーを集めたもの。NYはやっぱりこのブルー・ノートであり、ジャズなんだと再認識。アップショウのトゥナイトが意外にぶるぶる系だったりワンダフル・タウンで少し音飛びがあったりするが、泣ける懐かしさをありがとう。Nonesuch
603497121861
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リスト:
超絶技巧練習曲集
(オルデンブルク)
1842年製のエラールを使っているようで、すごくイメージ違う。音が一つ一つころころした塊になっているというか、重心が高くて少し鼻にかかったようなあの音色と相まって、聴いたことないタイプのリスト。前半には師にあたるツェルニーの50番練習曲が置かれ、こちらはモダンピアノなので時代が逆転してるような錯覚すら。Brilliant
BC92457
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バルトーク:
ミクロコスモス
(シューチュ)
NMLの表記では第3巻が第2巻の中に吸収されているがバルトーク大全集収録の全6巻。さらに44の二重奏曲も。他のことに没頭している時に何も考えずに聴くのにいい、というのも変だが、淡々と生み出される幾何学的というか造形的な空間美。奏者はスーチとも。Hungaroton
HCD31154-56
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バッハ:
インベンションとシンフォニア
(レオノーラ・ミラ)
特に何かを際立たせたりすることもなく、チェンバロのキラキラとした響きとは反対の、平等に連ねられた素朴なピアノの音。面白みはないかもしれないが、素直な気持ちになるね。Limit Records
RTACCD012
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モンポウ:
ショパンの主題による変奏曲
(ホルディ・カメル)
前奏曲の第7番を主題にした12の変奏とエピローグで、心地よいので漠然と聴いているとすぐ通りすぎてしまうが、よく味わえばなかなか楽しめる。ほかバラダ、アマルゴス、ブロトンスによる、やはりショパン素材の曲。奏者自身のソラク1708という曲はけっこう面白い。Columna Musica
1CM0320
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ワインベルク:
交響曲第3,4番
(スベドルンド+ヘルシンボリ響)
3番は弦楽合奏、4番はそれにクラリネットとトライアングルが加わる。室内交響曲とも。ショスタコっぽい、ひんやりした感覚と、そこはかとない大地の気配。ちょっと諧謔味のあるスケルツォも通じる。とりあえず凶暴なまでの激しさはこれらの曲にはないが、20も交響曲書いているそうなので、どんなのが聴けるか興味ある。Chandos
CHSA5146
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スーク:
弦楽四重奏曲第1,2番
(ミンゲ四重奏団)
基調はロマン派的な音楽で、第1番はボヘミアという感じの朗らかさもあるけれど、2番になると少しドビュッシーっぽい雰囲気も加わり、なかなか奥行きがあって味わい深い。初演時に大きな騒動が起きたというのはよく分からんが。演奏も豊かな表現(例のミンケだったりするややこしい団体名)。CPO
777652-2
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ヴィクトル・ススリン:
1756
(ヌリト・スターク)
数字はモーツァルトの生年だそうだ。これとモビリスがVn独奏、ソナタ・カプリッチョーザがVa+Cem、国境を越えてがVa+Vc+Cb、「旅立ち」によるカプリッチョが2本Vnで、いずれも楽器の多様な表現力を引き出し面白い。スタークが上手いこともあり聴き応え十分。併録グバイドゥーリナ「ご勝手に」はVn+Cb+Pf+Pecでペルト風の響き。
BIS-2146
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グバイドゥーリナ:
弦楽四重奏曲
(モリナーリ四重奏団)
1番は奏者が演奏中に舞台を移動したり即興したりグリッサンドの応酬だったり。ハーモニクスを駆使する2番、ピチカートが入り乱れる3番、録音と重ねる十二音の4番、いずれも尖っていて面白い。「BACH主題による反映」はなかなかしっとり、弦楽三重奏曲も充実している。リジョイスはVnとVcのソナタ。ピアノ五重奏曲は初期作品らしい。ATMA
ACD22689
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ジョン・ケージ:
One13
(ミヒャエル・バッハ)
未完のままケージは亡くなったがM.バッハが補筆?して完成したという。湾曲弓を使ったチェロで、ライブ+録音3台で同時に「弾く」。ハーモニックスとかいろいろな音色を使うけれども、同じ音が淡々と何分も続くという摩訶不思議な曲。M.バッハのあとに続くBachtischaというのは芸名だそうだ。Other Minds
OM2010
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レイナルド・アーン:
当惑したナイチンゲール
(ビリー・エイディ)
éperduは我を忘れるとか恍惚とか複合的な意味をもたせてるのかな。ラヴェルと同年代、プルーストの親友だったというアーンのピアノ連作集。幻影的というか儚いというか。何かを思い出させるとずっと考えていたら、少しグリーグに通じるところがあるかも。Timpani
2C2229
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アレンスキー:
チャイコフスキーの主題による変奏曲
(ジューコフ+新モスクワ室内管)
弦楽四重奏曲第2番の第2楽章を弦楽合奏版にしたもので、「16の子供のための歌」の第5曲による。少しリズミックな部分もあるが全体に静謐な美しい音楽。併録のチャイコ弦楽セレナードは、この曲の雰囲気の延長のような超ゆっくりバージョンだが、響きが美しく丁寧な表現で、こういうのもありかなと思わせる。Telos
TLS176
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マーラー:
大地の歌
(マルク・アルブレヒト+オランダ・フィル)
かなりさくさくした感じで、変な癖がなくて(アクセントの扱いなどやや鋭角的なところもあるが)曲そのものを堪能できる。音色は十分美しく、クートとフリッツの独唱も上出来。こういう演奏がいいな。好みによるかもしれないが。以前室内楽版もでていたはずと思ったら、あちらはハンスイェルク・アルブレヒトだそうだ。PentaTone
PTC5186502
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ビーバー:
ロザリオのソナタ
(ホロウェイ)
あのLCPのコンマスですな。ゆったりと、夾雑物のない静謐な響き。やや細めの音色ながら暖かく、まっすぐに届いてくるという感じ。モロニー、トラジコメディアが共演。Erato-Parlo
0724356206250
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R.シュトラウス:
歌劇「インテルメッツォ」
(サヴァリッシュ+バイエルン放送響)
80年の録音以来、全曲盤は長い間これが唯一だったそうだが、管弦楽は瑞々しく、何よりルチア・ポップが素晴らしく魅力的。間奏曲(Zwischenspiel)はトラック情報によれば10ある。Intermezzoは辞書をみたら幕間喜劇の意。確かに丁々発止の夫婦喧嘩喜劇だね。Warner-Parlo
0077774933759
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R.シュトラウス:
町人貴族/ナクソス島のアリアドネ
(ケント・ナガノ+リヨン国立歌劇場管)
1912年の初演稿で、戯曲としての町人貴族を2幕25曲演奏(歌はなく語り)した後に劇中オペラのアリアドネ。小編成オケが見通しよく豊かな響きを奏で、スミ・ジョーのツェルビネッタはすごい超絶技巧をこなしている。素晴らしい。これで声を震わせすぎなければ。Erato-Parlo
5099955986755
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バッハ:
無伴奏チェロ組曲
(ガイヤール)
丁寧で落ち着いた、まったく力みのない歩み。装飾も含めて自然の流れに身を任せる感じ。1737年のバロック・チェロ(フランチェスコ・ゴフリラー)の音色は、張りのある侘びというか、太い芯に幾重にも漆を塗ったような味わい。ピッコロ・チェロの第6番は少し明るさが増すが、やや鼻母音っぽい音の立ち上がりと透明な響きは好きだな。Aparte
AP017
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