music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2015-02
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シベリウス:
クレルヴォ交響曲
(ヴァンスカ+ラハティ響)
暖かさと厳しさとほろ苦さが入り混じって、それを突き抜けようとしながら周回しているとでもいう曲なのかなと(今のところ)思っているのだけれど、そういう味わいがひたひたと打ち寄せてくる感じ。もっと早くからじっくり聴きこんでおいてもよかったのかな。
BIS-CD-1215
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ジョージ・パール:
抒情的間奏曲
(マイケル・ブラウン)
初期の古典組曲から晩年の祝典的インベンションまでのピアノ曲を集めたもの。新しさをあまり感じさせずに無調や12音技法などを取り込み、確かに抒情的という、面白いね。小さいころ作曲のまね事のつもりで意味なくピアノで音を並べていたのに通じる、というのは言いすぎだが、何か不思議な感じ。Bridge
BCD9426
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モーツァルト:
ピアノ協奏曲第6,8番
(スホーンデルヴィルト+クリストフォリ)
フォルテピアノはシュペート&シュマールのレプリカで、クラヴィコードのような華奢な音色。やはりオーケストラは各パート1名なんだろう、繊細で魅力たっぷり。8番はカデンツァの別版付き。K.209と210のTen演奏会用アリアが併録されているが、直接関係あるのかどうか不明。Accent
ACC24296
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ツェムリンスキー:
弦楽四重奏曲全集
(ブロドスキー四重奏団)
第3番のバネが外れて崩れかかった薬味の効いたロマン、4番のより無駄をそぎ落とし諧謔味と深みを増した「組曲」、さすがに面白い。1,2番のロマンから後期に向かって世界の広がりが味わえる全集の楽しみ。初録音という最後のホ短調でうんと若い時にもどるんだな。演奏もまずまずしっかりしている。Chandos
CHAN10845-46
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ラヴェル:
弦楽四重奏
(クリオ・グールド+スコットランド・アンサンブル)
これはバルシャイ編曲による弦楽合奏版というのが面白い。小さいスピーカだとSQと違いがあまり分からない感じではあるが、逆に言えば瑞々しさは生きている。楽譜が手に入るなら弾いてみたいな(少し調べた程度ではさっぱり見つからず)。Linn Records
BKD215
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プロコフィエフ:
束の間の幻影
(オライオン・ワイス)
いいねぇ、明るくクリアな響きで“虹色にちらつく光に満たされた世界”が繰り広げられる。ドボルザークのユモレスクの間にこの曲とバルトークの14のバガテルを配するというもので、ふむ、DさんとBさんは案外通じるなという感じだが、Pさんはどうだろ。最後がユモレスクの7番でお洒落。Bridge
BCD9355
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ジョージ・パール:
弦楽四重奏曲第2,5,8番
(ダエダルス四重奏団)
ベルクの研究者でもあったそうで、12音技法やら微分音やらを駆使するけれども流れるような叙情性や躍動感も備えていて、不思議な魅力。「秩序の窓」と題された第8番は単一楽章で20分弱ながらマルコム・マクドナルドが「20世紀後半の弦楽四重奏曲の傑作の一つ」と位置付けたという。Bridge
BCD9398
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シベリウス:
交響曲第6,7番
(スパーノ+アトランタ響)
こちらはグラミー賞ノミネートだと。真っ直ぐで伸びのある音、これはいい。6番終楽章のテンポ感とかかなり切り込んでくるなという感じ。一方で聴かせたいところはじっくり構えてくれるので、音作りの設計が見えて(やや流れが悪くなっているのかもしれないが)なかなか新鮮。併録タピオラははじめてじっくり聴いたような気がする。ASO Media
ASO1004
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シャルパンティエ:
オルフェウスの冥府下り
(オデット+スタッブス+ボストン古楽音楽祭管&合唱団)
昨日発表されたグラミー賞のベスト・オペラだそうだ。喜ばしい音楽で始まり、毒蛇に噛まれた妻を返してくれとハデスのところへ行っての哀切で劇的な場面へ、そして最後は穏やかにと、変化する音楽を繊細に表現。併録の牧歌劇「花の王冠」は朗らかな調べが心地よい。CPO
777876-2
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メシアン:
アーメンの幻影
(ノンケン+ローゼンバーグ)
戦時下のパリで書かれ、神学的なテーマをピアノ音楽に導入し独自の書法を探求することになった作品。だそうだ。作曲者は創造、受け入れ、欲望、永遠という4つの側面を言うそうだが曲は7つの部分から成る。メシアンの香り満載。Bridge
BCD9324
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モーツァルト:
弦楽四重奏曲第15番
(キアロスクーロ四重奏団)
2005年にRCM卒業生によって設立され、ガット弦を用いてHIPアプローチをとるという。明暗法の名の通りというか、精緻なアンサンブルで切れ味はすこぶるシャープ。響きはもちろんクリアだが、柔和とかまったりというのとは違って、もっとアクティブな表現。併録メンデルスゾーンのSQ第2番も秀演。Aparte
AP092
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ブラームス:
バイオリン・ソナタ第1~3番
(デュメイ+ロルティ)
美しい音色と落ち着きのある表情、ビブラートも少なめでよいのだけれど、なんだか音楽が停滞する感じがあって、ちょっと聴き疲れた。丁寧な表現とはいえるだろうが。しかしこの曲は思っていたほど若い頃の作品ではないんだな。1番が46歳、3番は55歳
ONYX4133
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ピエール・サンドラン:
4声のシャンソン
(ツィドラ+カメラータ・フンガリカ)
ほかピエール・ファレーズの編纂したLiber primus leviorum Carminum(軽歌曲第1巻?)や息子によるChorearum molliorum collectanea(柔らかな舞曲集?)などからのルネサンスの調べ。声も器楽もレベル高く、安心して楽しめる。Hungaroton
HCD12662
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スーザ:
喜歌劇「エル・カピタン」
(ホブソン+シンフォニア・ダ・カメラ)
1895年でこんなのでいいのかという感じだけど、まぁオペレッタはこんなものか。ときどき耳に残る旋律もあるものの、歌(特に女声)があれで早送り。メモするまでもないが、エル・キャピタンのドーン・ウォール制覇を材料にしたコラムを書くのに、話が広がるかなということで。Zephyr
Z110-97-2
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シューベルト:
ピアノ・ソナタ第8番
(マルコム・ビルソン)
BH版は第1楽章の途中までだが、2~4楽章にD.570/1,D.604,D.5702を宛て(ブラウン/ファーガソン以来だがNSAは違うらしい)、さらに1,4楽章はビルソンが補筆している。ソナタ第2番の終楽章もD.346を補筆。全集(うち第6巻がなぜか今日の新譜)で5種のフォルテ・ピアノを弾き分けている Hungaroton
HCD41006
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パトリック・スタンドフォード:
交響曲第1番
(ロイド=ジョーンズ+ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管)
副題は四季だが描写というわけではない。春はあまり面白くないが、秋のスケルツォはなかなか楽しい。夏と冬は対なのかゆったり旋律的。併録チェロ協奏曲は前衛的な2つの楽章の後にドイツ・レクイエムの第5曲の引用で驚く。作曲者はNMLの間違いじゃなく本当にStandford。Naxos
8.571356
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