music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2016-03
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ダニエル・ジョーンズ:
24のバガテル
(スィール・ウィリアムズ)
20世紀ウェールズの作曲家だそうだ。第1~3集から成り、最初は素朴、最後はそれなりに雄弁。1955作曲との記載だが、1943~55にかけて書かれたようでかなり落差が。併録はバルトークで(後半に影響?)、こちらはさすが段違いに多様な音楽。演奏はなかなかの美音でしっかりしている。Llyrの読みが不思議だ。Ty Cerdd
TCR010
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ヴォーン=ウィリアムズ:
歌劇「恋するサー・ジョン」
(ヒコックス+ノーザン・シンフォニア)
シェイクスピア「ウィンザーの陽気な女房たち」が原作で、第4幕間奏曲に出てくるグリーンスリーブスを編曲したのが、かの幻想曲なんだそうだ。RVWがオペラを5つも書いていたとは知らなんだが、なかなか魅力的な佳作。Chandos
CHAN9928-29
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ライヒ:
ピアノ・フェイズ
(コーヴァー+フォード)
二人の奏者が弾くシーケンサー音形が微妙なテンポの違いで位相のずれとなって、16分音符1個分ずれたところで和声的な重なりとなり、また異なる位相に進んでいく。これがピアノ・メディアにつながっていくわけか。併録は六重奏曲、エイト・ラインズ。徹底した反復の上で繰り広げられる推移の陶酔感。CPO
777337-2
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カウイー:
弦楽四重奏曲第5番「バードソング・バガテルズ」
(クロイツェル四重奏団)
24の(たぶん)自由な曲で構成される。特に難解ということもなくほどよくモダンな技法と味わいが組み込まれているが、今日はちょっとこの辺り細かく追いかける気分にならず。併録第3番「イン・フライト・ミュージック」はもう少しまとまった4楽章構成。NMC Recordings
NMCD222
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モンテヴェルディ:
マドリガル集第6巻
(ラ・ヴェネクシアーナ)
失われた歌劇「アリアンナ」のうち残ったアリアに基く「アリアンナの嘆き」が含まれ、これをオルフが編曲した「アリアドネの嘆き」がカルミナ・ブラーナ冒頭主題になったという。カヴィーナが率いるこの声楽アンサンブルによるマドリガル集は、ビブラートがいまいちなものもが少なくないが、これは実に見事。Glossa
GCD920926
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リゲティ:
チェロ協奏曲
(ケラス+ブーレーズ+アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
エマールによるピアノ協奏曲、ガヴリーロフによるバイオリン協奏曲、いずれも歯切れよくてさすが。土曜日に1429点も投入されたユニバーサルからDG
00028943980821
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メシアン:
世の終わりのための四重奏曲
(ベッツ+ピーターソン+ビルスマ+レーウ)
ここではビルスマもモダン楽器で、Ⅴの歌い方やⅡでのユニゾン、Ⅶでの強奏それぞれの違いを興味深く聴く。併録サティのグノシエンヌもレーウの硬質で透き通ったピアノが美しい。Decca
00028947848073
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ブリテン:
ピアノ協奏曲
( リヒテル+ブリテン+イギリス室内管)
この曲知らなかった。最初は若干プロコかラヴェルかという感じもあるが、味わい深くはじまり奇怪なワルツに至る第2楽章とか、3楽章のパッサカリアから4楽章の行進曲への展開とか面白い。併録のVn協奏曲はより個性的で雄弁かな。いずれも20代の第二次世界大戦目前もしくは始まった頃の作品。Decca
00028941730824
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ドビュッシー:
弦楽四重奏曲
(クイケン・アンサンブル)
渋いというかくすんだ音色で、柔らかで繊細ではあるが若干もどかしい感じも。よくあるラヴェルとの組合せではなく、Vc、Fl+Va+Hp、Vnソナタという室内楽曲集。FVHは音色もよくマッチしていい味が出ている。Vnの隔靴掻痒感がSQにも出てるのかな、これはこれで悪くはないのだけれど。Arcana
A392
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シューベルト:
冬の旅
(シュヴェッペ+福田理子)
苦しさはその通り受け止めながら歩み続ける、そんな気持ちで聞いているけれど、いちど丁寧に歌詞を訳してみないとな。コンラート・グラーフ1830年製のフォルテピアノだそうだ。身近に語りかけられるような演奏。Etcetera
KTC1534
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シェーンベルク:
コール・ニドレ
(ネシュリング+サンパウロ響)
管弦楽の導入部後にカバラに基くナレーション、そして合唱がコル・ニドレを歌う。あの独特の旋律は意識して聴かないと通りすぎてしまうほどに素材化されている。ブルッフの某曲を揶揄しているらしい。バーンスタインのハリル、ブロッホのバール・シャム、ツァイスルのヘブライ・レクイエムを併録したユダヤの「追憶」。
BIS-CD-1650
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ペルゴレージ:
スターバト・マーテル
(アントニオ・フローリオ+カペラ・デ・トゥルキーニ)
艶のある澄んだ音色の弦に潤いと張りが美しい声の組合せ、南イタリア風と言われれば確かに。やや馴染みのない節回しもあるが、それもまたよし。併録サルヴェ・レジーナも同じく心地よい。Eloquentia
EL0505
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オルフ:
歌劇「暴君エディプス王」
(ヴィンフリート・ツィリヒ+北ドイツ放送響)
僭主オイディプスとも。やはりソフォクレスの悲劇によるもので、同音反復の独唱やオスティナートの多用という特徴も編成もアンティゴネとよく似ている(さらに舞台オケ)。例のシンコペーションも第5幕に。イオカステのみ旋律めいた歌があるが、それも厳しいもの。手強い。Profil
PH12067
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オルフ:
歌劇「アンティゴネ」
(サヴァリッシュ+バイエルン放送響)
ギリシャ悲劇三部作の最初。同音反復やオスティナートの多用、そしてリズムの面でも、カルミナ・ブラーナの特徴の一つを追求したといっていいのかな。編成は6600/0600、10~15打、4Hp、6Pfに弦はCbのみと強烈。冒頭の不気味な和音が何度も用いられ、悲劇だし、妥協ないし、聴く方もエネルギーを要求される。Profil
PH09066
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オルフ:
歌劇「賢い女」
(サヴァリッシュ+フィルハーモニア管)
これもグリム童話によるメルヒェン芝居ということで、大変楽しくカラフル。第5場にはカルミナの第19曲Si puerのような男声ア・カペラの平行三和音節があるし、第7場ではO Fortuna, velut lunaという科白も出てくる。最初と最後の短い語りをオルフが担当というは本当かな。Warner-Parlo
5099997367857
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オルフ:
歌劇「月」
(サヴァリッシュ+フィルハーモニア管)
グリム童話の題材による「月」を盗んで持っていくというお話。オペレッタというかミュージカルのような愉快な音楽は、管打が炸裂する賑やかなところからマンドリンが歌う静かな調べまで、いろんな表現が盛り込まれて魅力たっぷり。Warner-Parlo
5099997367857
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オルフ:
歌劇「ベルナウアーの女」
(アイヒホルン+ミュンヘン放送管)
あのシュメラーによるバイエルン方言辞典に刺激を受けて、語られる音楽「バイエルン世界劇」が生まれる。一度型を決めたら反復して用いる、あるいはずっと続く主和音というカルミナ・ブラーナ発展型の音楽に、言葉だけ、あるいは打楽器のみを伴う場面が大きな比重を占め、独自の世界を築く。Orfeo
C255912H
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オルフ:
歌劇「プロメテウス」
(クーベリック+バイエルン放送響)
アイスキュロスの悲劇をギリシャ語のままモノローグや合唱にし、オケは多様な打楽器+Pfが主体で時々管楽器とベースが加わるだけ。中心となる第6場は特徴的なパターンが繰り返されたり(イオが!)饒舌なところもあるが、基本は旋律というより科白に節回しを与え、象徴的な情景を打楽器らが描く「点描的な音楽の魔法」。世界劇だ。Orfeo
C526992I
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オルフ:
ムジカ・ポエティカ
(カール・パインコファー打楽器Ensほか)
教育作品シュールヴェルクとして書いたものを門下生ケートマンとまとめたというのだけれど、この形で出版されているのかなど要確認。子供のための音楽をはじめとする、シンプルな構成だけれどもユニークな小品が集められていて面白い。手拍子+歌とかね。クラヴィーア練習曲の一部がカルミナで利用されていたのは驚き。Celestial
13104-2
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オルフ:
歌劇「オルフェウス」
(シルマー+ミュンヘン放送管)
ギュンター・シューレ時代にモンテヴェルディのオルフェオを編曲したもので、5幕を3幕に縮めてドイツ語台本を作ったりと、手を加えている。最初は原作が分厚くなったという印象だったが、進むにつれて時々独自の響きがあるような気がしたのは編曲の効果なのか演奏によるのか。アリアドネの嘆きも併録。CPO
777656-2
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