music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2016-08
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シュッツ:
聖歌集Op.4
(メッソーリ+カペラ・アウグスターナ)
各声部たぶん1名の歌唱に小オルガンのみの伴奏だろうか、明瞭で精度高く、よどみなく音楽が流れる。小宗教コンチェルト集(第1部)は通奏低音が入って少し劇的になるがやはり素晴らしく透明。そしてマドリガル集第1巻は声部が増えてややふくよかな感じになるが、やはり各1名か。シュッツ・エディションの2番目(5枚組)。Brilliant
BC92440
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藤枝守:
フォーリング・スケール
(高橋アキ)
複数の下降音階が異なる速度で落下することで生まれるパターンを利用したモザイク、というところか。他の曲も何がしかのガイドないしは輪郭線となるパターンがあるようだ。「遊星の民話」は、輪郭線が下降音階から「音楽の捧げもの」の逆行カノンという具体的なものになったのだと。ビギン・アット・ザ・ビギニング~が一番自由な感じなのはテンポのせいかな。ALM
ALCD-34
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松平頼暁:
24のエッセーズ
(中村和枝)
表題の頭文字をA、Z、B、Y..と交互に並べて、それぞれ短二度から長七度までの最初の音程が規定する「ピッチインターバル」で作曲されている。幾何学的というか、あちこち飛び回る小気味良い跳躍と立ち止まる間がパズルのように組み合わされ、ピアノでしか表現できない音世界が構築される様は見事。ミケランジェロの子犬も併録。ALM
ALCD-86
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ロバート・マーティン:
風を抱きしめろ!
(エルキドゥSQ)
ナバホ族の蛇の風とか向こう見ずに踊る熊の風車とか、ふざけたような描写的なようなタイトルを持つ9つの弦楽四重奏の間に独奏/二重奏の間奏曲を挟んだもの。ウィットに富んだ多様な技法で、たぶんふだん我々が見落としているのであろう風のさまざまな表情を描く。演奏がいいから面白く聴ける。Ravello Records
RR7942
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デュティユー:
音色、空間、運動
(モルロー+シアトル響)
ゴッホの「星月夜」から着想を得たという。4管編成ながらVnとVnなしだそうだが、中間楽章を始めVcが低音から高音まで駆使され、Cbも活躍する。Vn協奏曲風の「同じ和音の上に」、ツィンバロンが使われる「瞬間の神秘」も。Seattle Sym Media
SSM1012
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ストラデッラ:
「弦楽のためのシンフォニア」全集
(チェーラ+アンサンブル・アルテ・ムジカ)
素直で明るいイタリア・バロック期の佳作。心地よい音楽が良い演奏で流れるのは幸せな気持ち。Brilliant
BC95142
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ドビュッシー:
歌劇「ペレアスとメリザンド」
(アンセルメ+スイス・ロマンド管)
この週末はユニバーサルがC/Dあたりの作曲家を投入しているので、そこでひとつ。歌のビブラートがやや多いとはいえ、さすがの名演。でもなぜドビュッシーがこういうオペラ歌唱を使いたかったのかは今一つよくわからない。Decca
00028947335122
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モルター:
シンフォニアニ長調
( カメラータ・バキエンシス)
ドイツ後期バロック/前古典派の作曲家だそうだ。イタリア留学期に作曲したというだけあって、軽やかで明るい曲。併録のカンタータや協奏曲も、いずれも屈託のない平明な曲想。精緻で爽やかな演奏にも和む。Brilliant
BC95273
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ヒナステラ:
弦楽のための協奏曲
(タマヨ+ベルリン・ドイツ響)
なかなか面白いぞ、やってみよう、と思ったら、第1楽章の最後ずっとCbソロじゃないか…。バルトーク風の趣も。管弦楽の交響的練習曲もなかなかのシュールさ。終わり方が少々ヒステリックな感じだが、こちらの方が実現可能性は高いか?Capriccio
C5271
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ホセ・マセダ:
5台のピアノのための音楽
(高橋悠治+高橋アキ+藤井一興+松永加也子+寺嶋陸也)
フィリピンにおける現代音楽、民族音楽学の父のような存在なんだそうだ。やや民族風とも言える素材が一つの流れの中でいろいろ変形されていく感じ。音を少しずらすなどの効果は面白いが、5台ものPfをどう生かしているのかは録音ではよく分からない。併録2台のピアノと4本の管楽器のための音楽。ALM
ALCD-54
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近藤譲:
線の音楽
(高橋悠治+篠﨑史子+小泉浩ほか)
個別の曲はPfの「クリック・クラック」Hpの「オリエント・オリエンテーション」、あと各種楽器の室内楽「スタンディング」「パス」「フォーリング」。曲を一本の旋律線から創りだす思想だそうだ。確かに最初の3曲は和音がない1本の線、あとの2曲も複数線が重なることによる和音的なものはあるが、基本は線だ。ALM
ALCD-1
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ジェンキンス:
4つのヴィオールのためのパヴァーヌ
(チェリス)
他にシンプソン、タリス、ヒューム、バード、パーセルといった面々のヴィオル曲集で、ゆったり典雅な響き。Chelysは平尾雅子他4名の日本在住ガンバ奏者によるコンソートで、デビュー録音だそうだ。ALM
ALCD-1002
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ピーター・スコット・ルイス:
4つの連作歌曲
(NYヴィルトゥオーゾ・シンガーズQ、アブラハム、ナルッキほか)
SATBの中間2曲はシンガーズ・アンリミテッドですかと言いたくなるような9とか11の和声(たぶん)で、合唱曲によくあるパターンともいえるが、ちょっとアルカイックな引力がある。最初と最後の独唱曲だと、別に民謡風でもないのに不思議な郷愁をそそられる妙味がよく分かる。Naxos
8.559815
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ジュズアルド:
聖土曜日のためのレスポンソリウム
(ナイジェル・ショート+テネブレ)
併録はミゼーレ、それにビクトリアの聖土曜日のための哀歌。これは美しいア・カペラ。アンサンブルは蝋燭だけの暗闇(で歌う)という意味の名前だそうだ。DG(Archiv)
00028947908418
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