music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2016-12
-
マルティヌー:
調理場のレビュー
(クラウス・ジモン+ホルスト・シンフォニエッタ)
ポットと鍋蓋の結婚を泡立て器が邪魔するという話のバレエ音楽で、Vn、Vc、Cl、Fg、Tp、Pfというコンパクト編成。ホグウッドが校訂復元した全曲版は貴重で楽しい。併録はハープシコード協奏曲、室内音楽第1番、ロンドで、いずれも室内アンサンブルによるもの。Naxos
8.572485
()
-
武満徹:
ピアニストのためのコロナ
(ウッドワード)
杉浦康平との合作による図形楽譜を用いた曲ということで、プリペアドはもちろんピアノとは思えない音響も。多重録音だろうか。武満らしさはあまりない実験的前衛。同時期のピアノ・ディスタンスとか遮られない休息は“らしい”のだけれど、間と音の余韻を区別しにくいピアノでは表現し難しいのかな。と思ったが、聴き返してみるとそうでもないか。ABC Classics
00028948141067
()
-
オケゲム:
神に感謝を
(ウォーカー+カンティレーション)
36声部のカノンでだんだん音が厚くなっていく圧倒的な感じは、単純ながらちょと例を見ない。偽作の可能性が高いとも言うが、印象に残る。ほかジョスカンからタリス、パレストリーナまでいろいろ集めたルネサンスのア・カペラ合唱曲集。演奏は悪くないが、少しSopの揺れが気になるところも。ABC Classics
00028948134953
()
-
ジョナサン・ダヴ:
モーツァルトからの手紙
(タン+ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ)
K287の主題を使った8つの変奏。なかなか面白い。「ブリテンの正統的な後継者」なんだそうだ。併録「無名戦士のために」はTen独唱付きのカンタータ(こっちがメインかな)。Signum
SIGCD452
()
-
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:
あなたは夜明けのように輝く
(ポップ+ヴォーカメ)
単旋律のオリジナルにときおり絶妙な和声を加え、ドローンの伴奏を組合せ、驚くばかりの新しい響きを生んでいる。これは見事。Berlin Classics
0300425BC
()
-
タヴナー:
光のイコン
(タリス・スコラーズ)
今日にちょうどいいんじゃないかと、2年ぶりに聴いた。同じ音源でジャケットも同じだけれども、こちらはブックレット付き。ほぉ、新神学者シメオンの“光としての神”というテクストなのか。これも興味深い。さらに「四旬節第五週木曜日のカノン」も追加された。Gimell
GIMSE404
()
-
ウェーベルン:
3つの歌
(トニー・アーノルド+グリーンバーグ)
作品3の「第7の環」による5つの歌曲からはじまって作品4、12の00~10年代と作品23、25という30年代の声楽曲をみごとなSopで聞かせてくれる。弦楽四重奏曲、カンタータ第1番、シェーンベルクの室内交響曲第1番のPf三重奏編曲も入って凝縮された1枚。Naxos
8.557516
()
-
ウォルトン:
交響曲第2番
(ガードナー+BBC響)
まさにウォルトンというリズムと色彩に酔う。併録はチェロ協奏曲、ブリテンの即興主題による即興曲との組合せ。ゆっくり静かに始まって、ウォルトンならではのスケルツォへ。こういうのなら、またやってみたい気もする。Chandos
CHSA5153
()
-
ピエトロ・ポルフィリ:
美しきメタウロ川から遠く離れて
(パメラ・ルッチャリーニ+ラボラトリオ・アルモニコ)
17世紀末イタリアのバロックの作曲家だそうだ。室内カンタータ集と銘打った7つの作品のうちの4つを収録。Sop独唱曲とCtTen独唱曲が交互に。穏やかな音楽で、気を静めるにはちょうどいい。Tactus
TC651601
()
-
ヒナステラ:
チェロ・ソナタ
(パトリック・ランゴ+ロマン・ダヴィド)
この野心的で技巧を駆使したソナタがパンペアーナ第2番と共通する要素を多数持ち、さらにそれは併録「2つの歌」「アルゼンチン民謡集」「ある農園での一日」といった歌曲とつながる。そしてVc、Sop、Pfによる表情豊かな「インスタンテス・オニーリコス」を最後に置くという興味深い構成。ビリャヌエバの歌もよい。Klarthe
KLA016
()
-
ジャン=ピエール・ルゲ:
エトワール
(アッサヤグ他)
チェンバロを中心に木管と弦5人による小協奏曲、ちょっと壊れかけの断片が組み合わされたという感じだが、ちょっと珍しい音色もあってそれなりに面白い。併録弦楽三重奏曲は三声部が揃って動きながら絡みあう。くねくねした感じ。ピアノのアズールは節約された音が鐘のように響いたり飛び跳ねたり。
NEOS11415
()
-
マクスウェル・デイヴィス:
キリストの体と猫とネズミ
(クリード+シュトゥットガルト声楽アンサンブル)
図書館で見つけた16世紀写本の聖俗混在した章句を用い、ジョイス風言葉遊びを適用して豊かな合唱曲に仕上げた。併録マクミラン、ハーヴェイ、タヴナー、ブリテン、いずれも魅力的。SWR Classic
CD93.342
()
-
ファーニホウ:
弦楽三重奏曲
(アンサンブル・ルシェルシュ)
よくぞこれだけ特殊奏法を組合せて詰め込みましたという趣だけれど、飽和した感じはなくてさすがの設計。シャリーノとは対照的な楽譜なんだろうという気がする。併録「3声のイン・ノミネ」はFl、Ob、Clの絡み合い、「インシピッツ」は打楽器も入るがあくまで薄い。「ファリーズ」はPf、Hrも。Stradivarius
STR33694SD
()
-
シャリーノ:
海の音調への練習曲
(アンジウス+アンサンブル・アルゴリトモ)
鋭い尺八もどきのFl、弦をはじくようのは電子音?カウンターテナーありSQありで、静寂な空間に異音が散りばめられ、不思議な生命体がうごめくような世界。併録は鋸のような音を絞り出すVnの「人工の季節」、Pfと弦の対話?「海のケンタウロス」、どれも個性的。Stradivarius
STR33917
()
-
モンテヴェルディ:
マドリガル集第3,4巻
(コーツフェルト+レ・ヌオーヴェ・ムジケ)
柔らかな発声で心地よいア・カペラ。オランダの若手6人組かな。細かくいうと少し不安定な音もあるけれど、なかなか良い感じ。Brilliant
BC95151
()
-
マティアス・ピンチャー:
創世記
(アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
もごもごとした形のない蠢きからいくつかの独立した動きが生じ、閃光のように絡み合う。しかしまた元に帰っていくようなのは何なのかな。併録ウリエル(旧約外典の天使)はVc+Pf、ソロモンの雅歌はBar独唱付きは秘典のような。お化け屋敷っぽい面白さ。
ALPHA218
()
-
デイヴィッド・ワイルド:
弦楽四重奏曲第1番
(レッド・ノート・アンサンブル)
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争の不条理と悲惨を訴え、哀しむ音楽。静かな音にも動くリズムにも怒りと嘆きが秘められ、終楽章の哀歌が鋭く突き刺さる。重い2枚組。Delphian
DCD34179
()
-
ペルト:
7つのマニフィカト
(タリス・スコラーズ)
まさに鐘が鳴るようなティンティナブリの響きを、ルネサンスと同じ各声部2人で歌う。特に冒頭でSopの高音が重なる和声は、基本がシンプルな三和音だけに、何かの光が見えるかのような。トリオディオン、石膏の壷をもつ女など、ペルトのア・カペラ曲集。Gimell
CDGIM049
()
-
ジョスカン・デ・プレ:
さいころのミサ
(タリス・スコラーズ)
真っ当な通常文のア・カペラ曲なのだけれど、サンクトゥスまでのテナーの楽譜にサイコロが2つ描かれており、目の比率で定旋律が元歌から何倍引き伸ばされるかを示すのだと(一致しないものもあり謎解きが)。てっきりカルミナ・ブラーナ風の賭博歌かと思ったが違うらしい。併録はビスケーの娘のミサ。Gimell
CDGIM048
()
-
パスカル・デュサパン:
アウフガング
(ルノー・カピュソン+ミョンフン+フランス放送フィル)
第1楽章が高音主題の緩から急へ、第2楽章が逆に炸裂する下降主題がおさまっていく。第3楽章は渦巻くようなテンション。併録リームの「画家の詩」は一定の時間の流れの中での色彩変化、B.マントヴァーニの「水の戯れ」は静と動のコントラスト。いずれもカピュソン自身の委嘱作品。Erato
825646026852
()