Planet masaka played list 2017-07


  1. * Va+Vc、Vn1+Vn2をそれぞれ「メガ楽器」として扱っているのだそうで、細かい蠢き、鋭い切り込み、プリズムのようなハーモニクスが次々繰り出される。併録はワレル、ロメロ、ソーサのVn独奏曲とパレデスのSQ。メキシコの現代作品集。Mode Records MOD-CD-165
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  2. * 大管弦楽のための108は笙独奏のOne9もしくはチェロ独奏のOne8とともに演奏できる。墨の切れたところにも書があるごとく、音の断片をつなぎながらその切れたところも音楽を形作る。こうして演奏されると、108の管弦楽も笙を模しているのかとすら思われるような。Mode Records MOD-CD-108
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  3. * ピアノ奏者が鍵盤を、打楽器奏者がピアノ内部を弾き、事前に曲の一部を録音して変調したテープが同時に流される。楽譜の各ページは自由な順序で並べてよいというハプニング作品(1958/59)。歪んで捻れて変幻する。併録フォノフォニーは声と録音済み打楽器の舞台作品(1963/64)で、舞台裏のもう一人の声やいろんな音と「対話」するというか、呻いたり唸ったりする。Mode Records MOD-CD-127
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  4. * 4張の箏が延々と同じ音を爪弾き、と思わせながらほんの僅かずつ上昇し、12分かけて4半音高い音まで至る。最後は徐々に音の数も減っていく。併録パイパーはバグパイプでずっと同じ音を鳴らし続ける(歩き回るらしい)。947は4つのサイン波が鳴らされる中、Fl独奏がその音をなぞって行き来する。シルバー・ストリートカーはトライアングルのみで響きを変化させる。エヴァー・プレゼントは微妙なずれで鳴り続ける電子音にFl、AS、Pfが朴訥にからむ。2000~2003年の作品、というか音響。Mode Records MOD-CD-178
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  5. * シェーンベルク、というよりはウェーベルンっぽい(師のシュテファン・ヴォルペの影響とも)初期1949年のしっかり書き込まれた作品。セリーヌの原詩をかなり拡張して用いているそうだ。併録は60年代~70年代初期の作品で、音はずっと疎になり、集中していないと見失いそうになる。Mode Records MOD-CD-107
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  6. * VaとVcで、同一の音高を中心に、わずかなゆらぎとさまざまな奏法、音色で反復する。終楽章は音高も含め少し動きが出るが、禁欲的で凝縮された表現はそのまま。併録クノイビスもよく似た中心音の曲。シーラカンス、3つのスタディは即興的な細かな動き、マントは両者を併せ持つ秘境的な音で終楽章では奏者の歌も。いずれもVa独奏曲。このところシェルシをいくつか聞いて、なかなか掴みどころがなく書きあぐねていたのだけれど、ひとまずこれで。共同作曲云々はよく分かんないね。Mode Records MOD-CD-231
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  7. * オーケストラの録音を電子的に変調したテープ(ゴジラ的)が左右にパンしながら動く中、楽器の特殊奏法による多彩な音が交錯する。ギリシャ語の完全とエネルギーを合成したタイトルで、オプ・アートの舞台のバレエ音楽だそうだ。完全というよりも不安が凝縮された未来に向かうような音楽。Mode Records MOD-CD-196
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  8. * ベルント・アロイス・ツィンマーマンより30歳ほど若いドイツの作曲家。延々と変ロ音を繰り返す第1楽章(フェルドマンのために)、ピチカート主体にしたピアノと禅問答が活発に動き回る流れになっていく第2楽章、バッハ弓でVcの4弦を同時に鳴らして掠れた厚みの響きを生む第3楽章。併録「砂漠の鳥の声による歌」はPfとバス・フルート、「こだまする緑」はPf+Vnで、ベケットに従った「余白」シリーズだそうだ。Mode Records MOD-CD-150
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  9. * 2台のピアノに打楽器も二人加わり、口笛とか叫びとか様々な音が豊かに交錯する。「夏の夜の音楽」と題されているけれどEveningなのでむしろ「夕べ」か。日本の蒸し暑い夏ではなく、もっとカラッとした(5曲目のタイトルの)星降る夜のような。併録ブラック・エンジェルズは、電気効果を加えたSQと打楽器のための曲をイスキエルドが管弦楽も加えるように編曲し、ますます強烈多彩な表現に。Mode Records MOD-CD-170
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