music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2019-07
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ヴァレーズ:
砂漠
(シャイー+ASKOアンサンブル)
テープ録音の電子音を導入し、1954年の初演では聴衆から怒号が発せられるスキャンダルになったという、この種の分野の先駆的作品。打楽器のみによる「イオニザシオン」、さらに「アンテグラル」「密度21.5」などのパイオニア作を含む、作品全集。一部うるさい音楽もあるものの、それも時代の証言として、聞き所十分の2枚組。Decca
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ライアン・キャラハー:
『色』と彼は衝立の黒い格子に言った
(イヴォナ・グリンカ)
バス・フルートを「吹き」ながら囁いたり唸ったり舌打ちしたり尺八もびっくりの混合音。ダニエレ・ヴルピアーニ「無用機械の動きの研究」もBFlにトレモロや倍音や舌打ちなど加わるがまだ流れがある。T.アマール「ムタモルフォーシス」、J.エルキン「愛の創世記」、M.トラヴロス「レクイエム」、J.C.バスケス「コイヌラ・ビオーレ」はFl+電子音、A.カラスタティス「銀の品」、P.ウォルトン「テリントン・マーシュで」はFl+テープ。R.プレスリーの「祈祷」はPicc、G.スタインクがAFl、C.ナヴロツィディスとA.パヴラキ=ピルーニアがFlと、よくこれだけ集めたもの。全て初録音。
Phasma006
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マルク・モネ:
パタラ!
(メファノ+アンサンブル2E2M)
フランス語で「パタン」という感じのオノマトペだそうだ。Va、Vc、Cb各2本+Cl+Fgという重心の低い変わった編成で、無意味な不条理な世界を描く感じ。併録「詠唱」はVc独奏、「リゴドン」はHr4本、「暗闇」はSQの作品で、いずれもいっけん荒唐無稽な音の塊を並べたりぶつけたり。弦はトレモロが多い。それぞれたぶん表現したいことはあって、それなりに面白さはあるのだけれど、だからどうしたとなりかねないところも(聴くときの気分にもよる)。Universal
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クラウス=シュテフェン・マーンコップ:
赤裸の心
(アンサンブルEXVOCO)
ウッドブロック系打楽器を伴ったSMTBの四声独唱が、ボードレールの詩を素材に、多様な発声で(口笛すら交えながら)綴る。歌でも語りでもなく、最適な表現を模索するジグザグの行程は、現代劇の舞台を見ているかのよう。併録「声に出された無効」は合唱(24声)、「あるイタリアの犯罪」は6声、「水のエッセイ」はBr独唱と形態は異なるが、いずれも声の表現をさまざまに試み、掘り下げて意欲的。
NEOS11928
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ペーター・ルジツカ:
逃亡
(ルジツカ+バイエルン放送響)
良く言えば物語性というかメッセージ性のある、しかしいかにもという感じの直接話法でシーンが描かれる作りが2014年作とはちょっと驚く。併録「5つの断章」もおどろおどろしく常套句連発だが80年代ならこんなものか。「…島・境界のない…」は室内合唱入りVn協奏曲で、これはまずまず面白いけれどやや独奏が一人旅(90年代)。「ループ」はTrp協奏曲で、細かな音符のモチーフが展開するのは他の曲と同様。2018年。
NEOS11933
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ハンナ・ラッシュ:
組曲「思い出すこと、想像すること」
(ジャック四重奏団)
バロック組曲の形を借りた、薄く空虚な音の遊戯。ミュートというよりサイレンサーでも付けたかのような痩せた音を使ったりもする。併録「フレイド」はやはり細い音のハーモニー断片をつなぐ。「織物の金線細工」はHpを加え、脆く不安定な感じの線を紡いでいく。New Focus Recordings
FCR228
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ミヒャエル・クヴェル:
マイスター・エックハルトとスフラワルディ
(ヘルマン・バイヤー+ユルゲン・ルック+岡部亜希子他)
マカーム演奏用に作られたという微分音ギター4台+Pfで奏でる、摩訶不思議な音楽。四分音、八分音だけでなく六分音まで使っているという。併録「おぼろな雲」は特殊奏法を積み重ねたVn+Guit+Pfで、ほぼ単音のみが色彩を変化させる長い中間部を挟み、両端にアナーキーな絡み合いが。ストリングII「重力量子」は弦のみではなく木管も参入、「暗黒物質」は木管だけで奇妙な音を連発。「ファンタジア」(ギリシャ文字)はSop+語るPfだけれどほとんどシュプレヒゲザング、「塵の集団」はまさに断片が集まって。面白い。
NEOS11904
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ハリソン・バートウィスル:
レスポンス
(アスバリー+エマール+バイエルン放送響)
細かいパッセージでピアノと管弦楽がやり取りする単一楽章の協奏曲で、常に音が鳴り続けているがうるさくない。併録「ガーウェインの旅行」はオペラの管弦楽編曲版。こちらは山あり谷あり。手法として目新しい派手さはないが、地に足が着いた音楽という感じ。
NEOS11729
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フィリップ・マヌリ:
時間、使用法
(グラウシューマッハー・ピアノ・デュオ)
昨年のサマーフェスティバルで聴いてしっくり来なかったこの曲を、昨日今日と反復。2台のPfの音がさまざまに電子加工されて時間の動き、遅延、静止、断裂、連続といった様相を表現するのだという。適当に聴きながら時々注意を集中するくらいでちょうどいい具合に面白かったが、音響自体が音楽の本質に組み込まれている感じで、相当良い条件でないと十分に伝わらないかも。
NEOS11802
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ペア・ノアゴー:
旋回の世界
(アンサンブル・ミッドヴェスト)
木管五重奏の各楽器が点描のように奏でる音がパズルのごとく渦巻き、崩れるのかと思ったら唐突な元気で終わる。組曲「バベットの晩餐会」は静かで寂しげなピアノ四重奏曲。グラスハーモニカのようなハーモニクスが印象的。Cl三重奏曲「スペル」はちょっといびつなメリーゴーランド。Pf三重奏の「3つの断章」は夢見るようでありつつ歪んでいく。Dacapo
8.226136
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藤倉大:
ざわざわ
(山田和樹+東京混声合唱団)
日本語のオノマトペのニュアンスを、ハリー・ロスによる英詩で表現し、ア・カペラ合唱が歌う。「ざわざわ」の語感よりかなり強いイメージのモチーフを縦横に巡らせつつ、ホモフォニックな和音が躍動する踊りのように変化していく。「さわさわ」は同曲にマリンバを加えたPart II。「きいて」はその3語をSop独唱がさまざまに反復。さらにCl独奏の「ゴー」、Cb独奏の「ビス」「エス」、Hrの「ゆらゆら」「はらはら」そしてチューバ協奏曲。Minabel
MIN108
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リゲティ:
レクイエム
(ノット+スタイン+ライゼン+ベルリン・フィル)
厳しく不安に満ちた音楽が軋み、彷徨い、瞑想して到達する不純物の混じったユニゾン。併録はクラスターと自然倍音が対話するようなハンブルク協奏曲、FlとObの二重協奏曲、そして12人の弦楽器奏者による「分枝」。深々と息をする。Teldec
685738826360
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ルネ・ヴォールハウザー:
愛は詐欺-愛は共生ではない
(アンサンブル・ポリソーノ)
サルトルとボーヴォワールの著作の断片から構成した室内オペラということで、Sop×Fl独奏から始まり、Sop+Bar×Fl+Cl+Vc+Pfという構成に移る。楽器と声の対話だったり、男声と女声のやりとり(すれ違い?)だったりするが、シュールな音楽でどんな舞台なのか想像がつかない。奇妙に面白い音楽ではある。
NEOS11824
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ヒュー・コリンズ・ライス:
セクエンティエ・ヒルデガルデンセス
(アン・アレン+メディーヴァ)
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの曲をはさみながら、その時代の音楽と楽器に触発された現代曲を古楽器で奏でる。その音色とソノリティが、ほぼ無調ながら生き生きとまた艶かしい調べ(あるいは音要素)と組み合わされて、魅力的な音楽となる。Odradek Records
0855317003226
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モートン・フェルドマン:
バニータ・マーカスのために
(高橋アキ)
ふわふわと揺らぎながら少しずつ変化していく、透き通った世界。止まったままいつの間にか夜になっている時間。そんなの。Mode Records
MOD-CD-314
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