music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2019-08
エイノユハニ・ラウタヴァーラ :
独奏チェロのためのソナタ
(カティ・ライティネン )
端正な新古典派風の4楽章で、民謡素材なのか調性はないものの不思議な旋律感。併録の藤倉大「エターナル・エスケープ」はハーモニクスや指板叩きなどと軟体動物のような弾力のあるパッセージが入り乱れる。アンナ・クライン「その手を休めよ」は苦しげな重音からアルペジオへと移る暗い世界。ヨハン・ウーレン「暗い三部作」は特に3曲目「マキャベリアン」がいろいろ駆使していて面白い。arcantus Musikproduktion
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(2019-08-31 )
ルトスワフスキ :
葬送音楽
(カバラ+シンフォニエッタ・クラコヴィア )
バルトークの死を悼んで書かれた弦楽オケ作品。十二音技法を用いた暗く神妙な祈りがだんだん複雑になり、チェイン技法、そして激しい12音和声のセクションを経て十二音技法カノンが戻ってくる。併録はオケ+Vc独奏の「グラーヴェ」、同Cl独奏の「舞踏前奏曲」、さらにOb+Hpの二重協奏曲。お久しぶりです。Arion Music
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(2019-08-28 )
ミカエル・ジャレル :
つかの間の音楽
(ポマリコ+クラングフォルム・ウィーン )
衝突する音がゆったり弧を描いて時折その周囲を細かなスパークのような断片が彩る。併録「フォルムとフラグメント IIB」はその核が擦られたような衝撃音で、声が加わる。「…パルメニデスの詩の断片について…」は核に声を置く。「群集 - ふるい」は苦しげに蠢き続けるBClの周囲でより落差の大きな音塊が配置される。サマーフェスティバルの感想で「演奏家が音の連なりの内部に踏み込ませないような何物か」があるというのは、そう言われればそうかも知れない。響きはよく計算されていると思うが。aeon
AECD0531
(2019-08-27 )
シェーンベルク :
弦楽三重奏曲
(ラサール四重奏団 )
(除メイヤー)12音技法で緻密に構成されているが、音列を見せられてもそれが聞こえるというわけでもない。むしろジグザグの音が案外自由で次々に札を入れ替えていく感じだし、大きく下降するグリッサンドで遊んでみたり、無意味によそよそしくなく、じっくり味わえる。併録は「浄められた夜」で、聴くのがためらわれたが、いちおうクールさも備えた演奏でほっとしたというか、何もかも懐かしすぎる。DG
00028942325029
(2019-08-24 )
シャリーノ :
石のない3つの歌
(シュトゥットガルト新声楽ゾリステン )
モゴモゴつぶやくような第1曲、投げては落ちる曲線が重ねられる第2曲、7声がくねった断片を壁の隙間からひねり出すような第3曲。併録「言葉のアリバイ」はカンプス、ペトラルカ、アッティカ碑文をテキストに、語ったりジャブを出したりくねくねしたり虚仮威しをしてみたり。フェデーレの「アニムスアニマ」は無から始まって宇宙を彷徨い、込み入った掛け合いや長い増幅や絶え間ない声の重なりや。間にジュズアルドのマドリガーレ集第5巻からの抜粋。火と水のマドリガーレ集だそうだ。みごとな力作。Stradivarius
STR33629
(2019-08-24 )
ジョゼフ=エルマン・ボナル :
弦楽三重奏曲
(アンサンブル・デ・ゼキリブル )
バスク地方(?)の民俗要素をフォーレ的というかなかなか優美に扱うのだけれど、終楽章「南の狂詩曲」中間部でVaが奇妙な自然倍音のような音程を含む旋律を奏でる。単に音を外している(開放弦?)だけなのかも知れないが、他の箇所で狂っているわけでもなく、不明。併録はジャン・クラとルーセルの弦楽三重奏曲。前者は少し土の香りのする旋律を用いながら(退屈な部分も含め)のびのびと書かれた佳作、後者はやや陰りのある景色を映すカメラが刻々と角度を変え斜めになったりしながら進んでいく。たまにはこういうのも面白い。Arion Music
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(2019-08-23 )
ロベール・グロロー :
美しい今日という今日は
(ドフォス+アサセッロ四重奏団 )
マラルメの詩による歌曲で、Sopの自由な旋律にSQが上手く答えるかと思えば凡庸な刻みだったり。併録「飛び立てなかった飛翔が宿る透明の氷河が」はPf+SQ。“美的主観性”というロマン派の定義そのもののような音に聞こえるのは、軟派な響きに加えPfのペダル多用も関係するのかな。タイトルはやはりマラルメから。「ペルシャ青のマトリクス」は2楽章のSQ。けっこうしなやかだと思うが、他の曲と同様、刻みや二度の細かい動きが頻繁に用いられて足を引っ張っているような気がする。TYXart
TXA19123
(2019-08-23 )
和田薫 :
座興七重
(日本音楽集団 )
同団標準の七重奏というから、笛、尺八、三味線、琵琶、二十絃、十七絃、打楽器かな。前半は各楽器がそれぞれ自在でいいのだが、中間部から陳腐な盆踊りみたい。併録「鹿鳴新響」(Vc+打+2尺八)は融合の面白さはある。「楽市七座」は和洋打楽器+篠笛で太鼓がややステレオタイプ。「音像三連」(後半)「熾・幻・舞」は指揮入り邦楽合奏で一気につまらなくなる。西洋古典のこんな要素を邦楽に導入しても…というのは別に書く。Pro Musica Nipponia
PMN-007
(2019-08-22 )
エマヌエル・ヌネス :
かきこみI
(アーヴィン・アルディッティ )
Einspielungに言及、録音、準備の3つの意味があるということで、無理矢理の訳語。20分弱で219ものテンポ変化が指示されているという、ルバートまで作曲したようなVn独奏曲。複雑で隙なく描き込まれているのが表題の意味するところか。併録シャリーノ「6つのカプリッチョ」は気まぐれがやはり隙なく捉えられる。エリオット・カーター「4つの賛美」は正統にして自由な逸脱、ブーレーズ「アンセムI」は鋭い切断音とピチカートが過去を断ち切る。aeon
AECD1755
(2019-08-21 )
ベネデット・フェラーリ :
この茨のとげが
(ラケル・アンドゥエサ+バエナ )
順次下降するバスのオスティナートに乗ってゆったり歌われるカンタータは、不意の和音変化や休止で波立つが、また元に戻っていく。ほかマッツォッキ、フェリーチェ・サンチェス、モンテヴェルディら17世紀頃のイタリアの、世俗曲の形で神への愛を歌った曲集。素晴らしく滑らかで透明感がありつつ粒立ちと奥行きがまた見事な歌唱にうっとりする。AeC
7502258850770
(2019-08-17 )
歐天勇 :
染色
(リング+ロー+ジョンソン )
布を染める、というよりVnが布を引き伸ばすように音を絞り出す上にClとVcがドリッピングしているような音作り。吳俊凱「11月の風」も引き伸ばされる弦の音に彩色するようなSQ。陳仰平「ストレッチ・オブ・ライト」はハーモニクスとポルタメントが交錯するCb五重奏で空中遊泳しながら歩き続けるよう。陳展霆、李家泰はそれぞれVn、Pf独奏で、凝縮された音を禁欲的に使う。香港作曲家ギルドによるシリーズの5枚目。まとめてどうだとはなかなか言い難い。Navona
NV6242
(2019-08-17 )
クルターグ :
R.Sch.へのオマージュ
(カメラータ・ルクセンブルク )
Cl+Va+Pfという編成で、クライスラー楽長だとかラロ先生などロベルト・シューマンにまつわる名前をタイトルにした6つの小品の組合せ。内面の不安が密やかに、あるいは突き破って現れてくるのが、シューマンへのオマージュか。併録ヴィトマン「夜の小品」はCl+Vc+Pfでシューマンの作品23と同じタイトル。静寂と長音符から精緻なテクスチュアが紡ぎ出される。さらにシューマンの幻想小曲集、6つの歌、練習曲集の編曲版がこれらを挟み、企画としてはその通りなんだけれども、音楽の組合せは水と油で、プログラムでスキップする始末。Brilliant
BC95936
(2019-08-17 )
デイヴィッド・ゴンパー :
ベイリーの数珠
(オーホン+ゴンパー )
ファレイ数列をサンバーストで視覚化し一連のピッチマッピングで音にした素材を用いたという、Cb+Pfのデュオ曲。即興ジャズと言われても不思議ではないような洒落た雰囲気にアクロバット技工が組み合わされてなかなか面白い。併録「サイクルズ」は同じくサンバースト素材によるVc+Pfデュオ。「ニュアンス」はさまざまな弓使いを試すVn独奏、「イコナ」はVn+Pfで3分割を基本にした入れ子行列による素材からつくったという。説明を読むとずいぶん数学寄りだが、音はむしろ自由きままな感じ。Albany
TROY1769
(2019-08-16 )
クルターグ :
ヨーゼフ・アッティラ断章
(スーザン・ナルッキ )
ハンガリーの著名な詩人のテキスト断片20ほどを無伴奏でさまざまな表情で歌う。作曲者によると、鳴り続けている2つのラジオのチャンネルを切り替え行き来するように表現するのだそうだ。併録は「3つの古い碑」「SKの思い出」「最愛の人のためのレクイエム」、さらに「ある小説からの情景」「7つの歌」「ある冬の夕暮れの想い出に」も。ブックレットPDFがあり、一茶の句は「蝸牛そろそろ登れ富士の山」だった。クルターグの同じ声楽作品が連続して驚くが、こちらのほうがややなめらかで、audite盤の方が切れ味はよいかな。聴き比べられるのはとても贅沢。Avie Records
AV2408
(2019-08-16 )
クルターグ :
ある小説からの情景
(ヴィトレンコ+グリマル+グロート+ガゲーロ )
リンマ・ダロスの詩に基づく15の歌曲で、Sop+Vn+Cb+ツィンバロンという絶妙の編成が“澄んだ悲しみ”を奏でる。抑圧、別れ、夢などから成る小ドラマのようでもある。併録「8つの二重奏曲」「7つの歌」「ある冬の夕暮れの想い出に」はそれぞれVn、Sop、Vn+Sopにツィンバロンが味わい深い彩りを添える。「ゲオルグ C.リヒテンベルクの『スクラップブック』からの断章」はSop+Cbによる短いが個性的な20の歌曲。これは面白いなぁ。歌詞は分からないものの(小林一茶も用いているという)、しみじみと、しかし厳しく、かつ優しい。
Audite97.762
(2019-08-15 )
クルターグ :
遊戯
(メリッサ・ガロージ )
第5集、6集(1997年)からそれぞれ6、9曲、さらに第1、3、7集から各1曲を抜粋。気ままなスケッチ帳という感じは前半の曲集と同じだが、音がもっと自分で動き出しているような気もする。これらをモーツァルトのきらきら星変奏曲とサンドイッチにするという趣向のアルバムで、悪くないのかも知れないけれど、プログラムでクルターグだけを選んで聴いている。col legno
CL31CD15001
(2019-08-15 )
クルターグ :
「遊戯」第1~4集
(マルタ&ジョルジュ・クルターグ )
1973年から書き継がれて2017年に第9集が出ている、日記のような、とりとめなくも個性的なJátékok(ヤーテーコック、「遊び」とも)曲集の前半(抜粋)、一部は連弾。特に初期は子どもたちが自由に制約なく音楽演奏の基本を学ぶための素材として作られたという。素朴で、屈託のない音の連なり。
SWR10083
(2019-08-14 )
クルターグ :
12の新しいミクロルード
(シルビア・ビダル )
子供の思いつきの遊びに想を得たという、12曲合わせても6分半という自由な落書き帳のような曲集。併録はラッヘンマン「子供の遊び」、ラモン・ウメト「呪文」、グバイドゥーリナ「音楽おもちゃ箱」。これらは奔放に遊ばれた音というより、そうやって遊ぶ子供を大人が描くというか何か形ができている感じで、クルターグとは方向性が違うか。Ars Harmonica
AH109
(2019-08-14 )
湯浅譲二 :
プロジェクション・エセムプラスティク
(NHK電子音楽スタジオ )
正弦波を合成するのではなく、すべての周波数帯域が含まれるホワイト・ノイズから、フィルターを利用して彫刻のように音を取り出したり、テープ速度の変化で音程や音色を変えるという逆転の発想による作品。併録は8人の箏が幾何学っぽい管弦楽と対峙する「花鳥風月」、Fl+Pf+2Percの「インター・ポジ・プレイ・ション I」、Clの「ソリテュード」、2Flの「相即相入」。かなり古い録音だがそれもまた時代の記録。Naxos Japan
NYNG-008
(2019-08-14 )
レジス・カンポ :
愚者火
(エレーヌ・ペレイラ )
忙しく走り回る反復音の多いパッセージが沈んだかと思うとまた浮上してまた走り始める。ちょっとからかわれているようでもある。題名Irrlichterの訳がこれでいいのか不明。併録ユーグ・デュフール「秋風」はドビュッシー前奏曲の「霧」と「枯葉」の間に差し込まれるのだと。フィリップ・フェストウの「真髄」は(一部プリペアされた?)ピアノの断片と奏者のつぶやきが交錯する。レイ・アイゼン「12の動機」は十二宮と十二音技法によって火土気水を表すのだと。さらにドミニク・ルメートル「五元素の谺」ロベール・コワネル「南の谺」フランソワ・ロッセ「風と水」。7中5が初録音と意欲的。col legno
CL31CD15003
(2019-08-13 )
ランド・スタイガー :
ビーコン
(クレア・チェイスほか )
Flの楽器音をリアルタイム処理してスピーカーから流すライブ・エレクトロニクスで、ディレイやエコーはもちろん、単音から和音をも生成して重ね合わせる。併録はそれぞれCl、Vc、Fl+Pf、Fgというソロ楽器による電子音楽。Fgの「結合」はかなりアグレッシブに攻めている。Tundra
TUN013
(2019-08-12 )
リゲティ :
弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」
(ベルチャ弦楽四重奏団 )
スリリングな「性格的変奏曲」が思い切りよく奏でられ、ライナーノートが言う通り映画のモンタージュのようにも思える。併録はヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1&2番。心理劇たる「クロイツェル・ソナタ」は切れ味良い演奏。タイトルそのままの私小説っぽい「ないしょの手紙」がやや煮え切らないように感じなのは曲がそういうことか。
ALPHA454
(2019-08-12 )
シマノフスキ :
弦楽四重奏曲第2番
(アトマ四重奏団 )
ロマンティックながら捉えどころなく風にそよぐようなソナタ楽章、しなやかにうねるスケルツォ、ゆっくりしたCis-Dis-H-Aが姿を変えながら勢いを増していく終楽章。併録アンジェイ・パヌフニク弦楽四重奏曲第3番「切り絵」は音量、リズム、ニュアンス、ピチカート、活発さなどを遊ぶ5楽章。ペンデレツキの弦楽四重奏曲第3番「書かれなかった日記のページ」は、土っぽい舞踊かと思えばひょいと変化し、親しみやすそうなのにするりと逃げていく。演奏もよい味わい。
CDAccordACD252
(2019-08-12 )
アリレザ・マシュアイェヒ :
シェヘラザード
(ラメザン+ジャムシド&ケイヴァン・シェミラニ )
イラン音楽に基づくピアノが《戦いと芸術の両方を好む王が、千里眼と呼ばれる少女を捉えさせ、その話を聞くうちに自らの無力を悟って国を去る》という語りを挟みながら奏でられる。片面太鼓ザルブや打弦楽器サントゥールも部分的に。ピアノでの表現は今ひとつしっくりこない感じもするが。Paraty
PTY519240D
(2019-08-11 )
ペンデレツキ :
シンフォニエッタ第2番
(ミシェル・ルティエク+サンクトペテルブルク・カメラータ )
クラリネット四重奏曲を弦楽アンサンブルとの協奏曲に書き改めたもので、霊妙なClソロから急速なスケルツォ、崩れたワルツ、迷路っぽい旋律などいろいろあるが、割と普通で分かりやすい。併録はVa協奏曲とFl協奏曲のCl版。原曲を知らないのだけれど、Cl協奏曲としても違和感ない。いずれも仄暗い基調だが後者のほうが幅が広く、逆に前者のほうが凝縮力があるという感じか。Arion Music
3325480685415
(2019-08-07 )
杉山洋一 :
アフリカからの最後のインタビュー
(東京現音計画 )
ナイジェリアで処刑された人権活動家ケン・サロウィワの声明を転写したリズム、そのお墓で歌われた賛美歌からの音列、そしてそのインタビューを200回重ねたというノイズによる、不条理で自暴自棄寸前の五重奏曲。併録「杜甫二首」は安禄山の乱で混乱する中の作「春望」と「対雪」を「泪蛋蛋」の旋律を用いて歌い、Cl+Va+Pfがともに嘆く。「鵠~白鳥の歌」は十七絃箏、「子供の情景」は子息の病気を通して子供の視点で書いたという自由で脆く儚いVa四重奏用編曲。
NEOS11901
(2019-08-07 )
ジョー・カトラー :
ブギー・ナイツ
(ブールマン+エレプライス管 )
安酒場っぽい崩れかけたダンス音楽もどきを短いフラッシュライトのようなギミック音楽で挟んだ、ポスト・ミニマリズム。併録「滑る音楽」「快適な音楽」「拡張された演奏」「パラキートのための音楽」「フォーク音楽」どれも不真面目でお茶目で少しだけ実験的な、適当に聞いていると面白いかも知れない音楽。Birmingham Record Company
BRC003
(2019-08-06 )
リカルド・ソーン=ムルドーン :
風の花III
(トニー・アーノルドほか )
メソアメリカのケツァルコアトル神話を題材にしたテキストを歌うSopに、Fl、Vnそして打楽器が呼応する。エキゾチックで何だか虚無的な空気。併録はカルロス・サンチェス=グティエレスの「キカイの森」。Sopがパウル・クレーなどのテキストを歌うChance Forest Interludesと打+Pfの対話Ex Machina IIが交互に8組奏される。前者なら機会、後者なら機械ということか。冒頭のジェシー・ジョーンズ「終わりの後、jj.59」はSop+Vib+Pfでゆったりと移り変わる無重力感。New Focus Recordings
FCR230
(2019-08-06 )
ライヒャ :
科学的四重奏曲
(ライヒャ四重奏団 )
20以上の弦楽四重奏曲を出版しながらほとんど忘れられている中、未出版でBnFに手稿がある1806年の曲が録音された。序奏付きアレグロ、メヌエット、フィナーレという“普通の”楽章の間に“科学的な”フーガを詰め込んだ12楽章、しかもモーツァルトやハイドンのパロディだったり5/8拍子だったり。おまけに全体の予告のような「パントマイム」まで付いている。各曲はそれぞれ見通しの良い作りで閃きを感じるようなものでもないが、演奏は悪くない。Brilliant
BC95857
(2019-08-04 )
ジョン・カスケン :
十字架の夢
(ランデル+ヒリヤード・アンサンブル+ASKO=シェーンベルク・アンサンブル )
イエスの磔刑に使われた木が夢に出てきて語るという8世紀頃の詩をテキストにした、小合唱劇。受難曲というより、若く勇気ある戦士に例えられたイエスを静かに描く。併録は13世紀ペタロンの「地上のすべての国々は」のモダンな編曲版、さらに同時代の作者不詳声楽曲。
NMCD245
(2019-08-04 )
ブライアン・ファーニホウ :
ボーン・アルファベット
(マティアス・ロイメルト )
“7つのなるべく異なる性質を持った打楽器”を用いるという指定で、13の“挙措”をもとに万華鏡のように散りばめられているのだという。併録ロジャー・レイノルズ「分水界I」は皮、金属、変則、木箱の4群打楽器の視覚的配置も音楽の要素にすると。さらにクセナキス「プサッファ」「ルボン」、シュトックハウゼン「ツィクルス/9」、ドナトーニ 「オマール」、フンダル 「メビウス1番」、ヘンツェ「雪国からの5つの情景」という豪華な打楽器の祭典。Metier
ZME50802
(2019-08-02 )
トーマス・シマク :
鷲の飛翔
(ジョゼフ・ヒューストン )
少し動いたかと思うと長い間が空くのは、滑空してるということなのだろうか、最後は勢いよく羽ばたき舞い上がるような躍動。併録「シグナル」「2つのスケッチ」はPf独奏、「カプリチョーソ」はVn独奏、「絡み込まレ」「音の木」はVn+Pf、「独白V」はリコーダ。いずれも間をゆったり取り、鳴り響く瞬間にそれぞれのメカニズムによる持ち味が濃縮される。「私の美しいモーレア」だけはアルバニア民謡を直接用いているが、他の曲も何らかの形でその要素が生かされている?Naxos
8.579035
(2019-08-02 )