Planet masaka played list 2021-01


  1. * クレー、シャガール、ゴッホ、ゴーギャンなどの絵画からインスピレーションを得たという10の小曲。それぞれの表情が内部奏法で縁取られて幻想が広がる。Bridge Records BCD9535
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  2. * デニース・レヴェルトフの詩を歌うSopにFl+Cl+Vn+Vc+Hp+Vibという編成で繊細な音楽を形作る。Fl/Vc/Clの独奏+Sopが語り合う5楽章を中心にアーチ状に構成される9楽章。「時の目」はパウル・ツェランの詩に作曲者自身の詩を両端に加え、ほぼ同じ編成での11楽章。「レクイエム」はオシップ・マンデリシュタームの詩で大きな2つの楽章。Pfが加わる。調性はないもののきらめく響き。Ablaze AR-00055
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  3. * 「イエスは若い女性に慈悲ではなく守護天使を与え、その天使が彼女を誘惑する」というイサーク・バーベリのテキストから、単語が旋律を、文字がリズムとハーモニーを生むという厳格な規則に基づいて作られたという。登場人物たちの邪悪な、陰鬱な、あるいはもしかすると恍惚とした歌語りに心理描写っぽい楽器がからむ音楽劇。Hat Hut Records 888831581215
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  4. * 打楽器片手に「魔笛」とか「モーツァルト」とか出てくるよく分からない詩をつぶやいたり鼻歌のようだったり。メイヤー・クプファーマン「月に魂を」は変幻自在の声が弦を開放したPfを響かせる(らしい)。ヴィンセント・グリューガー「話す影」はもぞもぞと囁く声がどんどん表情を変えていく。ラドゥ・マルファッティ「beSTIMMung」はテープとともに声がノイズのようなギシギシとした混沌を。ベリオ「セクエンツァIII」はお馴染み声によるあらゆる表現。ヴィエラ・ヤナールチェコヴァー「父なる騒音の賛美歌」は再び打を奏しながらの独唱。摩訶不思議な声の世界。Pan Classics PC19098
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  5. * ダリの絵に触発されたというVnとVcの二重協奏曲。勢いを持って始まるが、すぐにテンポを失い、くねくねとあちこちから伸びてくる音の蔓が絡まる。同「ラルラうた」は2Vn+Cbでコパチンスカヤが同時にモルゲンシュテルンの詩をシュプレヒゲザングする。シャーンドル・ヴェレシュ「ムジカ・コンチェルタンテ」はハンガリー民謡素材を用いた弦楽合奏。クルターグ、バルトーク、リゲティの抜粋楽章も。さらにヒナステラ「弦楽のための協奏曲」はバルトーク×一部十二音技法という感じで、グリッサンドが飛び交い、第1楽章はCbのすごいソロ。最後に「カメラータの鳥たち」という即興が置かれる。お見事。 ALPHA580
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  6. * 「4つの駅」と題された1989年の作で、民俗的な素材を交えながらシュールな不協和音が切断線を入れる。第2番は4人の詩人のテキストを素材にしたという2013年作だが、爪はおおむね隠され後期ロマン派もどきの香りが時にかなり強く漂う。Cl五重奏「スウェーデンの夏のアリア」は2009年、Cl+Pfのディヴェルティメントは2010年だが、不可解なほどメロウな音楽。LAWO Classics 7090020182155
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  7. * 軋んだ扉を開くようなスルポンや鋭いハーモニクスなどが飛び交い、激しい運動の合間にグリッサンドして休息に向かうSQ曲。「騒動」は低音域での蠢きに一部内部奏法や叫び声も加わるPf独奏曲。「空中浮遊する」はVn+Vc+Pfの三重奏で、前2曲を組み合わせたような響きが謎解きのように表情を変え、静かに消えていく。LAWO Classics 7090020182216
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  8. * Pf2+打2という編成で、冷たく硬質な和音やアルペジオをゆったり散りばめ、徐々に集約度が上がっていく。グイエルモ・グレゴリオ「4部の構築」はよりダイナミックに打が動き回る。ファブリツィオ・ラート「衣は僧を作らず」は少し試しに進んでは辺りを窺う。シュテファン・ヴィルト「スタンダーズ」はよりPfの役割が大きい。いずれもセロニアス・モンクに捧げる委嘱作でCDタイトルも「ラウンド・ミッドナイト」。Hat Hut Records 191773473044
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  9. * 18世紀イギリスのOpera of the NobilityをもじりSaxにファリネッリの役回りを持たせるという怪しげに模糊とした曲。マルティン・シュットラー「ゼロックス」はテープを交え、桑原ゆう「間に」はSaxの短いグリッサンド、マルティン・スモルカ「fff」は暴力的音響に冗談のような遊びを加える。対してラッヘンマン「マルシュ・ファタル」は期待をきっぱり裏切るキッチュなマーチ。「さくら変奏曲」「ベルリンの桜」もその一種だろうけれど、これは気持ち悪くて聴いていられない。Wergo WER7393-2
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  10. * ガルというとブラームス交響曲の校訂者としての名前しか知らなかったが、この8声のア・カペラ曲はなかなかのもの。手の込んだ和声展開と対位法を後期ロマン派的な香りで包んでいる。1924年。「4つのパートソング」は1966年とずっと後の作で、気持ちよく響く巧みな佳作。1939年「4つのマドリガル」1969年「4つの英国民謡」あたりも同様に手慣れた和声の扱いだがよくできた合唱曲止まりなので、時おり珠玉が混じっているという感じか。Toccata Classics TOCC0509
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  11. * それぞれ音はあちこちに飛んでつながらない。トータル・セリエリズムらしい。1958年の作。ピアノ・ソナタ第5番無調なのだけれども古き良き形式へのノスタルジーがあるような、ちょっと屈折した感じ。亡命中の1950年という時代もあるかな。「トッカータとシャコンヌ」は荘重に始まるが変な形に展開する1922年作品、「小組曲」も同時期のパロディめいた曲。Op.26の組曲1&2番は1924年で無調の方向への引力が働く。クルシェネク、クレネクとも。Toccata Classics TOCC0399
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  12. * 微分音調弦したPfと奇妙な音程のVnの全く噛み合わないデュオ。「Koan」はVnが少しずつずれていく2音を延々とアルペジオする。基本技術がシビアに問われる。「エルゴドスII」はVn+Pfにテープを加えて偶然性を扱う初期作品で音がギシギシと鋭角的。ほかに短い「梨の形をした3ページ」「ディアフォニック・トッカータ」「VnとPfのためのコラール」。Hut Records 888831585541
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  13. * Cl+Fg+SQの編成で、春の祭典からジャズまで、様々な要素を取り込み(時に直接引用し)遊び心たっぷりに仕上げた組曲。「ムジカ・サクラ」は同じ編成で題名通り宗教曲の引用。「荒野を歩く」はBarの歌、「パウル・リヴェレの乗り物」はナレーション入り。さらに室内協奏曲第4番、5番。新旧折衷的なところもあるが、楽しく聞ける。Albany TROY1820-21
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  14. * 全体的には現代オペラの大御所らしい情感が底流にあるホモフォニックな感じで、3楽章のみリズム的遊び。「シンプル・デイライト」はマイケル・フリードの詩(1曲めは「日本」)をSopが歌う。ジェイムズ・プリモシュの「純粋な濃度、絶対的な贈り物」は冒頭にスティーヴン・クレインの詩からとったタイトルを掲げながら外部に依存しない音楽をつくろうという5楽章のピアノ曲。同「降下/回帰」などSopの歌曲も。書法はかなり攻めている。Albany TROY1818
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  15. * 第8、16、26、6、2、27集をゴシック・ハープで、第28、20、1、22集をチェンバロで弾くという趣向。植物の葉と茎の電位変化から得られたデータから音を組み立てるという、1995年から続くシリーズ。まったりした雅な味わいは悪くないのだが、こればかり並ぶと単調で飽きが来るのは否めない。OMF KDC-2070
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  16. * 重音が駆使される中にスルポンの鋭いうねりが駆け抜ける、獅子舞を思わせる雄弁なVn独奏曲。ヤン・マッティン・スモルダール「群れ、泡、煙霧」はトレモロやピチカート、棒で叩く効果音が時差を持つライブエレクトロニクス(LE)で拡張されて包み込まれる。カロラ・バウクホルト「二重露光」は高音域の反復音形をLEでエコーさせつつギリギリとした音などを加えていく。ヘンリク・ストリンドベリ「第五弦」ハーモニクスのアルペジオ、ナターシャ・バレット「射手座 A*」もLEを駆使して鈴やノイズ、オルガンもどきまで多様な音を渦巻かせる。宇宙を駆け巡るVnかな。LAWO Classics 7090020182018
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  17. * Pfと電子音(+打?)のしっとりしたやり取りが続き、全体の1/3を過ぎてからVnが控えめに加わり、Fl、Clと少しずつ楽器が増えていく。Pf含め微分音もさり気なく顔を出し、全体的にゆっくり回転しながら進む宇宙船のような趣。「リチュアルズ」は太鼓の静かなビートに渦巻くような音群が絡んだり、Clから発展して変にリズミックなアンサンブルになったり。「時間からの時間」はPf+打にライブエレクトロニクスを組み合わせサイボーグみたいと思いきや、やがて分かりやすいバランスに。LAWO Classics 7090020181837
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  18. * Sop+Vn+Vc+テオルボという編成で、ハーモニクスやスル・ポンなどで音色が変化していく弦の長音、微分音を含むテオルボにのせてディーノ・カンパーナの詩がとぎれとぎれに歌われる。「黄金の火で飾った」は微分音調弦のギター独奏、「コペンハーゲンの静けさ」はCl独奏(重音)。「スフマート」はVn+Vc、「早朝の草の露のように」はPf、打も加わったアンサンブル。どれも音は最小限に切り詰められ、微分音を含む特殊奏法が靄の中でカツーンと響く。LAWO Classics 7090020181936
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  19. * 副題の「四分音ずらして調律された2台のピアノのための」そのもので、普通調弦でも正体不明であろう断片的なパッセージが1/4音ずれて重なると、聞き手は行き場を失う。「グロッサー」はFl+Pfのアンサンブルで、1/4音ずれなしならこういう感じになるのだろう。「プロジェクション」「変容」はPf独奏。セリエル音楽になるのかな。「75のイベント」「魚の腹のなかにおけるヨナの祈り」はPf+Orgで、オルガニストたるザッハーの場合こちらのほうが本質かもしれないが、オルガンは耐え難いのでパス。Wergo WER7394-2
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  20. * Cl+SQの原曲を作曲者自身がOb+SQに編曲したという。切れ味鋭い弦の音矢やピチカートが飛び交う中でObがやや哀調を帯びた調べを語り歌う。マルチン・マルコヴィチ「5つの小品」は同じ編成で、中央のNo.3に短いスケルツォを置き、前後に緩急の対称的楽章を持つ。ヤン・ドゥズインスキ「創作物の家」はCbを加え、単調に繰り返されるパターンに続いて、女声の朗読テープと断片が対話する。アレクサンドル・コシチュフ「ノウメン2」はハーモニクスで始まるコラール的SQにObがモノローグ。詩の斉読が挿入され、観念的な様相で消えていく。Noumenは能面ではなくヌース/ヌーメノンのことだろう。 CDAccordACD254
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  21. * 単純な断片的パッセージの組み合わせを少人数のアンサンブルで奏でるという練習曲のような連作。2018年までに37番に至っているが、ここでは1973~75年に書かれた1~18番から10曲が収められている。多くはFl+Trb+Flで、打が加わったり他の楽器が抜けたりする。隙間がいっぱいあって禅問答のようでもある。ウォルフはクリスティアン・ヴォルフとも。Hat Hut Records 889176561498
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  22. * 管弦各1+打+Pf/シンセ+ツィンバロン+EBassという16奏者で、各人が90秒間独奏者になりいろんな奏法で実験するということらしい。「ノアの方舟の騒々しいソプラノ」は椅子に座ったSopが両手両足で打楽器を操りつつライオン、小夜啼鳥、猿などの叫び声を模倣して歌い、背景でメトロノームが刻む。「霧の中の万華鏡」は室内オケ(10~23楽器?)でノイズや特殊奏法の合間に奏者が叫んだり笑ったり。何かストーリーがあるのか不詳だが、最後に狂ったように叫ぶのはいったい何。どれもこれも破天荒。Kairos 9120040732202
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  23. * 年越しでは全曲聴き終えなかったので、今年は6番から始めてもう一度全曲。つややかというか硬い弾力性というか、生のエネルギーに透明のコーティングを施したとでもいうか。3年半前に聴いた演奏ながら、IDも変わってしまったようなので改めて。Harmonia Mundi HMM766162DIDI
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