Planet masaka played list 2021-02


  1. * Becomingsの訳。複雑系に連なる感じの入り組んだ主題を持つPf独奏で、7楽章構成の大曲。解説によればスペクトル楽派への関心を反映しているというが、よく分からない。「断片(喪失の後)」はモゴモゴした混沌のから時に閃光が走る短い曲。「静止した時」はほとんど何も起こらない静寂が大半を占め、後半の一部でやや激しく動くもまた消えていく。「ピアノが動く」は増幅器を使って音の強度を高め、反復音形などやや執拗な音群が推移していく。後者2つは比較的初期の作品。Metier MSV28611
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  2. * 物思いに耽ったり奇妙なイメージと戯れたり、独奏Vnが4人それぞれの思い出を奏でる。ジョン・ケージ「6つのメロディ」はPfが加わってポツリポツリと取り留めのない対話。コープランド「バイオリン・ソナタ」は懐かしさを覚えるフレーズに三度反復の動機が絡まり、終楽章は故郷の村祭りか。ジョン・コリリアーノも同じくソナタで、全体に調性的で分かりやすく、バーンスタイン風のリズム遊びがアクセントを添える。eaSonus EAS29253D
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  3. * 山水画のような、水を湛えた人造の庭園に一陣の風が吹く。水はやがて外に流れ出て、それだけに焦点があたる。そんな感じ。モノローグの最後は、ダンパーのようなものを使うのか、古いエラールのような音色になって、渋みが増し、ふわっと消えてしまう。Minabel MIN110
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  4. * Fl+電子音で、森の中を謎の鳥が飛び交うような音風景。Emergentは発現でもあるが超高木でもある。「一人ではない」はVc+電子音で、グリッサンドやハーモニクス、コル・レーニョなど奏法が変化交錯し迷宮のように。「サイズモロジック」はFg+電子音で、珍しい奏法やFgとどうつながるのか不明な(リードだけの音を処理?)奇妙な響きも含め、古代生物の発現の場というか。面白いね。New Focus Recordings FCR284
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