music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2021-03
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ラーシュ・ヘゴー:
八角形の部屋
(シヴェバエク+アルバ弦楽四重奏団)
Guit+SQという珍しい編成で、テンポ指定があるだけの8楽章からなる変奏曲は、テーマが最後に全体像を表して和む。併録「消失点」は+Vc、「構成」は+Va、「アルチュール・ランボーの3つの詩」は+MS、「儀式」は+Vn+Vc+Fl+Cl+Pf+打、そして「4つのリズミカルな小品」は独奏と、ギターを軸にウィットあふれる表現を聞かせてくれる。Dacapo
8.226594
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ヒンデミット:
ピアノ・ソナタ第2番
(ブライデンバッハ)
1936年というからナチスの迫害を受けて亡命直前という頃の作。シンプルな古典ソナタを少しずらしてからかうような趣。ウェーベルン「ピアノのための変奏曲」も同じ年で、セリーを用いた十二音技法の曲。3楽章あるが6分程度と短い。ストラヴィンスキーのピアノ・ソナタは1924年の方。新古典主義の頃だがむしろ疑似バロックとでもいう感じ。ラインホルト・フィンクバイナー「ピアノ組曲」は1954年でダルムシュタットに参加していた頃と言われるとなるほど。可愛らしい感じもある。ベルク「ピアノ・ソナタ」は作品1。冒頭の主題が発展していく形だがほぼ無調。Pan Classics
PC19097
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シュニトケ:
Va協奏曲
(タベア・ツィンマーマン+シャローン+エルサレム響)
緩急緩の3楽章構成で、速い楽章は嵐ありワルツあり、前後はじっくり独奏を聞かせる感じ。オケはVnなしの3管と変則的だが意外に煩い。協奏曲という枠に縛られた感もあり、併録の同「モノローグ」の方が自由に書けているような気もする。マーク・コピィトマン「カントゥスV」は下げ弓連続のような強い音から時折装飾音の混じるゆったりした調べ、そして細かな刻みを含むウンドへ。管弦楽が良い塩梅の相方を務めてる、と思ったが、やはりたまに不必要に煩い。Warner
190295037185
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フィリップ・エルサン:
雨の歌
(アグネス・パイカ+ローレンス・ワグシャル)
ブラームスへのオマージュ色濃い調べがハーモニクスのアルペジオと重なり面白くなるかなと期待するが次第に調性的に戻ってあれれ。ニコラ・バクリのVnソナタ第4番は調性をはみ出してはいるが「ブラームス風」そのもののロマンティックな旋律が饒舌なPfと対話し後半は運動量多い。グラシアーヌ・フィンジ「冬の夜」は激情的なアレグロ、メロウなアダージョ、流れに漂うカンタービレ、終楽章はいろいろ暗示的な伏線で何が起きるかと思いきやこれで終わり?となった。アンサンブル・デ・ゼキリブルによる委嘱企画で奏者はそのメンバー。Klarthe Records
KLA118D
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シャリーノ:
2つの夜想曲
(ヨーナス・アホネン)
小さなトリルがころころ転がり落ちてくるようなNo.1、超低音と高音の両極端でチラ見せされていた断片が時々に中央に集まるNo.2。「2つの無慈悲な夜想曲」は一転して音がたくさん鳴るがやはり両極端の和音連打が特徴。「イマジーネ・フェニチア」はFl独奏。音孔を抑えるだけのリズムに乗って息音の断片が。「トラーキースへの別れ」はHp、「フラ・セ」はVn、「歓喜の歌」はASax、「夜の果てで」はVc、「目覚める前に死なせてくれ」はCl、「アジタート・カンタービレ」はHrとそれぞれ独奏楽器を変えて、余白をたっぷりとった微細な断片を紡ぐ。Kairos
9120010280962
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ルトスワフスキ:
弦楽四重奏曲
(アルバン・ベルク四重奏団)
途切れとぎれのつぶやきからピチカートの応酬、そして複雑な音が激しくぶつかり静寂のあと漂う音の絡み合い。エーリヒ・ウルバンナーのSQ第4番は新ウィーン楽派のこなれた前衛。ベリオのSQ第3番「ノットゥルノ」は塊となった楽器が一人であれこれ呟いたり叫んだりしているような、自在な緩急。あれ、2014年にメモした0724355636355の再発なんだ。Warner
190295076559
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マウリシオ・ソテーロ:
弦楽四重奏曲第1~4番
(ディオティマ弦楽四重奏団)
第1番「英雄的狂気」はハーモニクスを多用しながら色んなスタイルを探る。第2番「アルテミス」はスルポン半音階が徐々に激しくなり、高音Pizzと胴叩きの打楽器的交錯から微分音的民族的な戯れへ。第3番「焼けた記憶 - ギター」は少しバルトークっぽい感じもあるワイルドさと民族香。第4番「クアサルス VB-131」は爛れた感じのテーマがくねくね対位法的に絡み、ベートーベンのオマージュなども。かなり面白い個性。Naive
V7361
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ウォルフガング・リーム:
狩猟と形式
(ドミニク・マイ +アンサンブル・モデルン)
2本のVnから始まる細かな三連符音形の組み合わせを軸に、雑多なリズムや断片が交錯する。ときに弛緩して時間軸を失ない、禅問答のようにもなるが、三連符が運ばれてきてふわふわと絡みつき、また忙しい交錯に戻っていく。金管打の強奏クライマックスの後、風船が割れたかのように萎んでしまう。緻密で隙がない作り。DG
00028947155829
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デイヴィッド・フィリップ・ヘフティ:
雪の女王
(モイチャ・エルトマン+ヘフティ+チューリッヒ・トーンハレ管)
アンデルセン童話に基づくコンサート形式のオペラというか、歌は女王のSopのみで他に語りが二人。無調ながらSopは要所で旋律的に歌い(ライトモチーフがある感じ)、語りと組合せて物語が進む。雪というだけあって冷たく引き締まった響きが中心で騒々しいところはほとんどない。よく聴くとなかなか凝っている(Davidはダーフィトとしているところもある)。
NEOS12028
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グンナル・ガイセ:
ピアノ協奏曲
(ガイゼ)
さまざまな楽器がほとんど即興でPfと絡み合う、のだと思いきや、これらは電子楽器ということになっていて驚く。Pf部分はチャイコ、ブラームス、ラフマニノフといったロマン派協奏曲の引用なども含むが、大半は破壊的。第2部になるとアナーキーさがさらに増し、耳を覆いたくなるようなノイズが入り乱れる。「リズム・チェンジズ」はラップトップ・ギターに電子音、声のコラージュなどが重ね合わされ、ダークなノイズが渦巻く。面白いとも言えるが、聞くのは辛い。
NEOS12017
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ペンデレツキ:
ウトレンニャ
(アンジェイ・マルコフスキ+ワルシャワ・フィル管/合唱団ほか)
第1部「キリストの埋葬」は、古代スラブ語の祈りがクラスターのように響きつつ崩れかかり、不安な暗い影が渦巻く。筆致は冷たく厳しい。ファルセットを用いるTenとバッソ・プロフンドという異様に低い声の対比が不気味。第2部「キリストの復活」も混沌としているが、ア・カペラ合唱の聖歌の重みが徐々に増し、喧騒と交錯しながら溶けて消えていく。Warner Classics
190295231590
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シド・リチャードソン:
赤い風
(デヴィアント七重奏団)
ナサニエル・マッケイの影響を受け、彼の詩と自作を混ぜたテキストがフリー・ジャズ風のゆるいアンサンブルと呼び合う。「こんな深い眠りはない」はPf独奏の即興風、「ルーン」はVnに電子音やテープを絡ませて荒野の夜の満月のような。「アストロラーベー」はFl+Cl+Vn+Vc+Pf+Percに掛け声が加わり、占星術とか曼荼羅という古い幾何学模様的な景色。New Focus Recordings
FCR285
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