Planet masaka played list 2021-09


  1. * エスニックな感じの歌声から始まりいろいろな楽器がジャングルのように絡み合う。Flが独奏楽器として尺八のように出てきたり、ディジュリドゥというアボリジニの金管楽器も使われる。「真珠、黄土色、髪留め」は粗野なCbソロが唸り管打の叫びが弦の高音で覆われ何か原色の世界。「ゲスト」はリコーダーが独奏楽器となり野性的なオケと入り混じる。ちょっとめずらしい響き。Hat Hut Records 889176888175
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  2. * ぽつりぽつりと和音が鳴り合いの手が入り反復されながらゆっくりと変化していく。いつもと同じ。このところ毎日フェルドマンだが、さかのぼってまともなのを探すと残りは後回しにしていたものが多くなりこんな感じに。Hat Hut Records 889176574948
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  3. * 執拗に繰り返されるH音の合間を縫っていくつかのパターンの断片が挿入されるというか重ねられる。反復音が強圧的過ぎてほかが頭に残らないのだが、最高音鍵盤を細かくタイプライターのように叩いたり、軽やかに飛び交う花火のようなパッセージ、低音でモゴモゴする音なども、よく聴くとある。Hat Hut Records 888831591702
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  4. * 2管+弦各1+Hp+Vib+Pfという編成で、ゆるゆると曖昧な和音の交替を演じる。例によってのシンプルな反復がずっと続くが、音が多いので、違った味わい。Hat Hut Records 889176561184
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  5. * 五線無しで16分音符や5連符などが♯♭やらスラーとともに詰め込まれた楽譜というか紙を自由に解釈して演奏するらしい。2つの演奏バージョンが収められており、どちらもFlを中心に声やおもちゃの笛を混じえての多重録音。「4つのシステム」はいろいろな長さの横棒が相対的な高低で並べられた図形楽譜を各種Flで奏する。それぞれのタイミングでロングトーンが奏でられ重なるといちおう和音になり響きが変化していくが、勝手に鳴っているだけで何も生じない。Hat Hut Records 889176561184
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  6. * 20ページの楽譜に音が一群ごとのイベントとして書かれていて、それを1~20人の奏者が演奏する。全体の時間を先に決めてからテンポを合わせ、音の強弱、長さ、重ね方(複数音のうちどれをト音/ハ音記号で読むかなど)は自由だと。ここでは4人のピアニストが禅問答のような音を繰り広げる。「黄道星図」は星図に印刷された星々に五線譜をあてて作ったということで、楽譜にはやはり1~10の音がイベントとして書かれ、音符の大きさが強弱を示すのだそうだ。楽器がフルオケ分列挙されているがどんな組み合わせでもよく、ここではFl+Pf4台。意外にというか実は緻密な偶然性の音楽。Hat Hut Records 889176543142
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  7. * Vcがパズルのような半音階模様を描いたり単純な二度反復を繰り返したりし、Pfがいろいろな音塊や分散和音で応える。ハーモニクスだったりPizzだったり。微分音が交じるかと思えば旋法的な音階もある。攻守が入れ替わることも。Hat Hut Records 889176543142
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  8. * 恩人の訃報に接して書かれた弔笛だという。無から静かに立ち上がり暗く消えそうになりながら時に火花のように舞うFl独奏曲。「春讃」も静かに湧き上がり半音以下の揺らぎやポルタメントで漂う。風が出てきて花吹雪や荒れる水面。「レクイエム」もFl独奏。「エカーグラ」「伽陀迦廬那」「『中有』から3つの小品」はFl+Pfで比較的音がぶつかる。「風の輪」は低音にこだわるPf曲、「水煙」はいろいろな音の塊が間を置きながら緩やかにときに鋭く投げかけられる。中間部では鯰でも暴れたか。やはりPf独奏。Hat Hut Records 889176544743
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  9. * 捉えどころがない朴訥な感じのモノローグだったり不思議な音律の強靭な音だったり。硬軟入り混じった奇妙なピアノ曲。1953年。「大二重奏曲」はVc+Pfで、かなり暴力的な音から始まり偏執狂的な感じもする進行だったり大柄な身振りだったりと濃い目の表現。59年。「コンポジション第1番」はPicc+Tuba+Pfというけったいな編成で、極端な高音と低音にPfのクラスターや無機質な音列がからむアナーキーな曲。副題がDona nobis pacemなのはどこまで本気なのか。71年。Hat Hut Records 889176548352
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  10. * 武満自身が「短いエピソードが一見とりとめなく浮遊するように連なる」と語っているそうだが、ふわふわした和声にハープや金属打楽器などが散りばめられ、模糊とした状態で進んでいく。1982年の曲。併録は1981年の「ア・ウェイ・ア・ローン II」と「海へ II」で、同じようなスタイル。後者はAFlとHpが独奏の形なので多少違いはあるが、響きは同様。気分によるかも知れないが、どうもつまらなく感じてしまう。50分ほどの講演も併録。これは断片的にしか聞いてない。もしかしたら面白いことを言っているかも知れない。DG 00028948562282
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  11. * AsとGesのロングトーンをゆっくり反復するFlに対してPfがGで答えるという構図が、繰り返されながら徐々に変化していく。おなじみのスタイルが3時間半にわたって続くので、演奏は大変だろうが、聴いている方は案外気持ち良い。しかしこの曲が歌劇「ほほえみの国」とは、NMLいったいどうなっているのか。Hat Hut Records 889176544880
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  12. * Fl+Vc+Pfのトリオが奏でるのは「最初の完全な図形楽譜である『1952年12月』を含む連作」(沼野p137)で単発的な音がほとんど即興のように飛び交う。「チェロとピアノのための音楽」も同様でポルタメントが多用される。併録はケージの「変奏曲I」「7つの俳句」「ピアノと管弦楽のためのコンサート」、さらにフェルドマンの「プロジェクションI」「エクステンションIII」「インターセクションIV」「デュレーションズII」、クリスティアン・ウォルフの「プリペアド・ピアノのための」「1、2もしくは3人のための」。Hat Hut Records 889176543357
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  13. * 2台のプリペアド・ピアノが、スティールドラムというかガムランというか、チープ楽団風の魅力を発揮。急緩急のセッション。「エクスペリエンシス第1番」は単純な調性の範囲で静かな瞑想。サティの「ソクラテス」は声楽付き室内オケ作品をケージが2台ピアノに編曲したもの。肖像、イリソス河のほとり、ソクラテスの死の3部から成りいずれも淡々と進行していく。IIIはかなり長く変化もあるが、声楽曲の歌なしはなかなか難しい。Paraty PTY159183D
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  14. * Fl+Ob+Vn+Vcにギター+マンドリンでややとりとめない断片が繰り出されるやり取り。アルバ・ルチア・ポテス・コルテスの「水平線」は、ギター+マンドリンに女声が加わり民族の祈りのような不思議な様子。併録はマシュー・グリーンバウム「グリーンバウム先生のコラント」、ウィリアム・アンダーソン「遠い昔遠くで」、ロバート・モリス「お先にどうぞ」などがギター独奏。オルガ・ゴレッリ「静かな月」は2ギター、フランク・ブリックル「ゲニウス・ロキ」はG+M、デイヴィッド・ローブ「雹風」はG+M合奏。さらにA.ジャデク、J.フェルトハイス、C.ウォーリネン、H.メルツァーのG曲。玉石混淆。Ravello Records RR8047
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  15. * 単純な民謡的調性フレーズが変形されグリッサンドで動いたり微分音が出てきたり。テボゴ・モンナクゴトラの「木の体」はVaによるポルタメント含みの呪術調に他楽器も参加して動きが。アレクサンドラ・ヴレバロフ「私の砂漠、私の薔薇」はくねくねした動きからしつこいリズムへ。ロー・クリステンソンの「ツイスト、波打つ歌」はAの長音ユニゾンを滲ませながらG-Dへ移行しポルタメントで崩れていく。キャロリン・ショウの「アントラクト」は古典派的ニ短調動機を解体していく。Footprint Records FRCD119
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  16. * 新タンゴ六重奏団のピアニストであったガンディーニがピアソラの勧めもあってさまざまな曲をピアノ編曲した「ポスタンゴ」のひとつ。併録はカルロス・ガルデル「想いの届く日」、フアン・カルロス・コビアン「酔いどれたち」、アンヘル・グレゴリオ・ビジョルド「エル・チョクロ」、フアン・カルロス・コビアン「ノスタルジアス」「わが両親の家」、ヘラルド・マトス・ロドリゲス「ラ・クンパルシータ」、アグスティン・バルディ「恋人もなく」、カトゥーロ・カスティーリョ「口笛を吹きながら」、マリアーノ・モーレス「ブエノスアイレスの喫茶店」。いずれもガンディーニの編曲で。Testigo TT10109
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  17. * Fl+Cl+Vn+Pfがプリペアドの鐘のような響きに始まり移りゆく多彩な表情で軽やかに響き合う。ヘラルド・ガンディニの「その女は泣き、ため息をつく」も同じ編成で特殊奏法の細かな組み合わせ。マヌエル・フアレスの「ソレダーデ」はPfに変えてVcでゆっくり並行して動く。フリオ=マルティン・ビエラの「バッハの主題によるパッサカリア」はCl+Vn+Pfで迷路のような絡まり。ガブリエル・バルベルデの「コンフィネス」はCl+Vc+Pf+打で互いの様子を伺いながらジャブを繰り出す。シェーンベルクの「室内交響曲第1番」はウェーベルン編のFl+Cl+Pf版。この中ではえらく古風に聞こえる。Testigo TT10113
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  18. * 孤独な音が上昇しては下降してトリルなどの装飾が加わるゆったりした動機。「Vaソナタ」はVnソナタの親戚のような空気感で始まるが密やかな中で重音の不協和がくっきりと。トルステン・エンケの「アウトライン」は上昇していくモチーフからPizzやスルポンへ。「内なる声」はVaで凝縮された音。ヨハネス・X・シャハトナーの「エピタフ」は重音から運動へ、「パテイア」は微分音も用いる深々としたVa。ペーテル・エトヴェシュの「パラ・パロマ」はVnの繊細な重音アルペジオ、「デザコール」は力のあるVa独奏がIIIでは懐かしい響きとの交錯。充実している。 CAvi8553965D
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  19. * ハーモニクスやPizzを駆使するSQと2台のPfが対峙する。スピード感あふれる導入から動きを探り合う中間部そしてそれらが入り混じる。「今―私の左手で」はちんどん屋的に不安定なBSaxにいろんな楽器が茶々を入れる。「接続と拒否」はアンサンブルの各楽器がそれぞれ異物として全体と拮抗するらしい。「言葉」はア・カペラの5声が長音crescとシュプレヒシュティンメ的な要素を組み合わせて挑戦的に。「不在者の視線」はPf+オケで精緻な断片が飛び交う中にベタな部分も。Wergo WER6428-2
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  20. * 一部プリペアドのようなPfでもやもやした夜霧のような音をペダルいっぱいで紡ぎつつ最高音鍵盤(?)の打楽器的な反復を挿入する。「子守唄2」は最高音から徐々に下降しながら雑多な要素を取り込みつつシューベルトに終わる。フィリップ・キャシアン、マルク・サバト、リンダ・カトリン・スミスはそれぞれの「夜想曲」。レベッカ・ソーンダースの「影」はスピード感ある密集和音の跳躍。マウラ・カプッツォの「爽やかな朝に私を連れて行って」は一部内部奏法も用いながら高音域のリリシズム。ウォルフガング・フォン・シュヴァイニッツの「プレーンな音の子守唄」は低音弦に触れながら奏するハーモニクスで独特の鐘的な世界。New Focus Recordings FCR243
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  21. * 静かに湧き上がる動機が悲しげなPfの鐘から民族風の軽快なリズムを経て色んな思いが溶けて流れ水面のようになりまたリズミックな音が湧き出す。「カメオ」はFl+Va+Pfで軽やかでするりと逃げていくFlにVaが寄り添ったり違う旋律を提示してみたり。「ハムとドラム」は滑らかなアルペジオに旋法風の不思議な旋律がただようVc+Pf。「ウィステリア」はリリカルなSQ。「タオンタ」は自在に踊り舞ってみせるPf独奏。「ジュエ」はフィンランドの民族弦楽器ジュイッコを模したという独特の旋法とアクセントによるアルシュの舞曲。どれも調性と付かず離れずで、叙情溢れる。 INNOVA036
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  22. * ピチカート、胴叩き、コル・レーニョなど打楽器的な動きが目まぐるしく飛び交い、後半はがらりと曲想が変わってゆっくり静かに考える中にトーン・クラスターが。第2番はハーモニクスのグリッサンドが無重力空間を作りスルポンの細かい動きが増殖する。第3番は暗く歌う旋律と例の執拗な三拍子反復。第4番はVaの哀歌とやはりVaと他楽器が相対するスケルツォ風の速い楽章。さらに「クラリネット四重奏曲」は無調ながらメランコリックな夜想曲、スケルツォ、セレナーデ、別離=終曲とロマン派の枠組み。それから「壊れた思考」は友人で出版者のアルノ・フォルクを追悼する短い曲。Chandos CHAN20175W
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  23. * クラクションかという音もある街の騒音的とでもいうような混沌とした複雑の表現。第3楽章の微分音はガムランのスレンドロ音階なのか。副題“ふたつの間で”。「ビオラ協奏曲第1番」は副題“子供を忘れない”で思いつめたような表現だが第2楽章中間部では魔法の世界も。ポルタメントが多用される印象。Vc編曲版での演奏。サーリアホの「光についての覚書」は冷たい感触の独奏がずっと前面に出るVc+オケ曲。 BIS-2602
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  24. * 作品2とされているI~IVは群作法だそうで、音があちこち飛び回る実験的な曲。1952年。作品4のV〜VIIIは新しい記譜法の模索ということで図形楽譜などを導入しているのか。54/55年。作品7のXIは4曲から成っていて、細かく複雑な動きがより間をとりながら配置される。56年。録音が58/59年なので、これらの曲がまさに熱かった頃の記録。Hat Hut Records 889176548987
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  25. * アコーディオンのHのロングトーンから始まって上下の音が少しずつ加わったりしながら進んで行き最後はCに収束する。同IIはオルガンでBから始まりHに収まる。「ピアノ小品'87」は上音がAを中心に下音はその四度ないし五度下を動き、上もHやBと行き来するようになるが、結局A-Eに戻る。それだけ。Hat Hut Records 888831582359
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  26. * 低音域から高音まで幅広く駆使するコントラバス独奏曲。シャリーノの「白の探検 I」は高音域の特殊奏法で演奏不能とも言われた曲。ステファノ・スコダニッビオの「アンド・ロール」はジミ・ヘンドリックスの「フォクシー・レディ」のCb版といえるポップな技巧曲。ジャチント・シェルシの「深い目覚め」は2曲からなる「夜」の第2曲で、低音と上部音を同時に鳴らす。ベリオの「セクエンツァ XIV」はVc曲のCb編曲版。Stradivarius STR37182
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  27. * 図形楽譜を用い電子音楽を想定したフォンタナ・ミックスをフルートで演奏し、かつ声だけでさまざまな表情を描き出す《ソロ》2を同時に重ねている。Part IIは声中心。ケージの作品は同時に演奏しても良いとされていたりするし、間がたっぷりある即興なので、それほど荒唐無稽ではないが、知らないと面食らう。Hat Hut Records 889176548185
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  28. * ロングトーンが少しずつcrescし変化しつつ楽器を変えていく中で、別のいろいろな楽器が、短い合いの手をときどき入れる。パートIIIでは鳥の声らしきものが入ったりSaxなどの即興ぽいのも加わる。39の相互連関する和音だそうだ。まったくゆったりした音空間。Hat Hut Records 752156021124
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  29. * 十二音技法なのかなと思うような不安定かつ表情豊かなClの旋律がPf、Vnと広がっていく。ドルチェの中間楽章を経て最後は7/8拍子のように感じられる壊れた機械のようなフーガもどき。「ピアノ・ソナタ第5番」は荒々しい動機で始まり静けさと暴力的和音が交互に。「二重奏曲」はVn+Pfで冷たく病んだ訴えと厳しい闘い。Hat Hut Records 889176544781
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  30. * よく分からない暗闇のような音響に乗ってスワヒリ語の詩がつぶやかれ枠太鼓2台を操る。「ティンパニ・ライド」は倍音歌唱が加工されたようなのがアンリ・ミショーのテキストに結びつくらしい。自転車云々という副題はスポークでも叩いているのか。「マッツァ」は副題“打楽器と声のための音の食用性について”で変調されたような打がときおり響く中に声も少し。「ローマ」はツィンバロンとゴピチャンドを引っ掻き回すかと思うと静寂。「ヘンドリクス」は電気ティンパニなる奇妙な楽器で、冒頭のうねうねのもその音なのだろうか。ときどき金属打楽器やドラム、声が絡む。後半ではジミ・ヘンドリックスを引用して加工したらしき音も。Hat Hut Records 888831591887
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  31. * 切れ切れの断片を少し間を置きながらつなぎ合わせていく。一部プリペアドになっているようで、その結果としての微分音も混じってくる。1954年。「ピアノのためにI」は52年、「同II」は53年で、やはり間が多いが後者のほうが強い音。「プリペアド・ピアノのために」は本当なのかFor Piano with PreparationsとFor Prepared Pianoの2種類あって、これも通常とプリペアドの混合。「ピアニストのために」も実はプリペアドでこれが一番それっぽい。Hat Hut Records 888831591177
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  32. * 母の追悼として書かれ悲哀と苦悩の不協和音が織りなす。調性を装って始まってもすぐに絡め取られるが響きは何か透徹したところがある。「ピアノ協奏曲第2番」は室内オケの楽器が様々に繰り出す断片的要素とPfが向き合う。1964年の曲でセリー技法が用いられている。「ピアノ四重奏曲」はマーラーのPfQの未完スケルツォを補筆完成すべく試みたといことでロマンと前衛が入り交じる。「ピアノ三重奏曲」はロマン的な詩情が出ては否定されまたすぐに戻ってくるという感じ。Delta Music Entertainment 0859381138136
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  33. * 7人がピリオド楽器を用い、台本もラミュのテキストというオリジナル仕様で演奏も語りも見事。「協奏的二重奏曲」はVn+Pfで新古典主義ではあるがけっこう抒情的な面も。ジーグはプルチネッラを思い出させる。さらに「エレジー」はここではVn独奏で、常に弱音器を付け古い音楽のスタイルで。Harmonia Mundi HMM902671DI
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  34. * 3巻18曲それぞれに「虹」「めまい」「悪魔の階段」「息抜き」などの標題がついており、そういう表現も込めた練習曲なのだろうけれど、とにかく難曲らしく、クリエも時々苦労している感じ。音を少しずらして滲ませるような手法というか。 CAvi8553593D
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  35. * 本来はCl+7楽器のところをSaxに置き換えている。残る楽器はBCl+Ehr+Hr+Tp+Tb+Va+Vcで、エキゾチックなような奇怪な3楽章。Kyaは何なのか不明。「イクソール」も元はCl独奏曲。「いきなりのぞく」はOb+Piccを編曲。Piccが面白い。「3つの小品」はもともとSSaxもしくはTSaxのところを前者で。「ヤマオン」はバス独唱+ASax+BSax+CFg+Cb+打で預言者が出てくる。「マクノンガン」は低音域楽器用とされていて、ここではBSax。シェルシは結構好きなのだが、サックスばかりこれだけ聞かされると気持ち悪い。Hat Hut Records 888831585657
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  36. * カールソン+カリスよりさらに2分ほど短いが、まぁそれは誤差の範囲。VnがPfと半音ずらして答える反復音を微分音程で変化させている。こんなのあったのかな。あ、ほかにも半音階上昇などにしっかり微分音混ぜてる。Hat Hut Records 888831585381
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  37. * ボーン・フルートと打楽器版ということで、ポツンポツンと叩かれる鈍い鐘の合間に高低の笛がポルタメントで揺らぎながら鳴らされる。人の声ほか何かを弓奏したようなよく分からない音も入っている。人のいないお寺という感じで時間が流れていく。Hat Hut Records 191773477721
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  38. * 四分音調律の2台ピアノで、音が溶けて崩れていくような、ダリみたいな世界。「音の魔方陣による練習曲」はたぶん通常Pf1台。アイヴズの「3つの四分音小品」は元は四分音調律Pfのためだそうだが今は調律を四分音ずらした2台ピアノで演奏するという。「3ページのソナタ」は通常Pf1台でBACHモチーフを使ったり十二音技法を激しく用いたり。中間部ではチェレスタが使われるはずだが、この演奏ではPfだけみたい。Hat Hut Records 888831582809
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  39. * 中国楽器と西洋アンサンブルによる競演だが、これは笙とでさまざまな音素材がゆらぎ絡まる。「ヤン・シェン」は陽深だろうか。Sopと3つの中国伝統楽器とされていて、詩経の柏舟や孔子、列子、老子のテキストを静寂の中で断片的に語り歌いする。「対と花」琵琶、古筝、揚琴、阮咸といった撥弦楽器が活躍。「無言、明快そして安楽」は胡弓かな。Qian and Yanは漢字が分からないが訳すと「変容と進化」だそうで、琵琶や笛が用いられる。よくこなれていて、なかなかのもの。col legno WWE1CD20449
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  40. * コントラバス・クラリネット独奏という変わった曲で、ppからのクレシェンドによる断片的フレーズが変容するかなりグロテスクな世界。ジャチント・シェルシ「マクノンガン」、ジェラード・ブロフィー「ツイスト」も同じく超低音の独白ですごい。セルジオ・ブラルドニ「ラ・マドレ・パラーダ」、セルジオ・フィデムライザー「トンネル第7番」はそれに電子音が加わり、前者は語りも。オルティスモラレス「シルシュ」も同じくだがスラップタンギングで始まりあとはほとんど電子音と変調された楽器の咆哮。Columna Musica 1CM0389
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  41. * サッカーの試合を音楽化したものだそうで、アイーダとか何かの聖歌っぽい合唱とかわかりやす気な旋律を俗っぽく散りばめながら観衆の歓声や審判のホイッスル、実況放送などをノイズのように重ねる。ゲームの展開を描いたり選手の独白もある模様。前半戦後半戦の2部で2時間近くあり、いろいろてんこ盛りだが、丁寧に聞くきにはなれなかった。合唱の高音が全く出ないのは冗談なのか。 NEOS12009-10
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  42. * Sop+Guit+Cl/BClで、背景にささやき声が水音のように流れる中でそれぞれ結構ばらばらに断片的な抑揚を歌う。ピラー・オトロの詩に基づくということらしいがよく分からない。悪くないがSopの縮緬ビブラートが辛い。「近くて手が届かないもの全て」はギター独奏が即興的に弾いたり休んだり。「川の響き」は微分音や重音奏法も使うClにテープで語りやノイズが重なる。終盤Sopが参入する。「エル」は再び全員登場で同じ感じの禅問答。カタルーニャ地方の音楽と音楽家のためのレーベルだそうだ。Columna Musica 1CM0388
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  43. * とぼとぼ頼りない歩みが変なポーズで立ち止まってゆらゆら動き出しまたぐしゃっと区切られて妙な上昇フレーズのようになって終わる。作品455の102番だそうで、このCDには他に23番、28番、38番、74番、118番が含まれるが何を作品としているのか不明。他に作品388、446、541が各1曲、420、475、592、614が各2曲で、枝番のない388のみ10分強、ほかはみな短い。略歴を見るとこうしたピアノ小品を3000曲以上も作っているらしい。みな良く言えば繊細で無調だけれども無表情ではない。Bridge Records BCD9528
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  44. * 2Pf+2打のカルテットで、繊細な絡み合いから始まって混沌とした強奏に向かっていく。後半IIは少しリズム感が変わりジャズに近づく。Feldは英語ならField。ウォルフガング・ハイニガーの「新月」はPfではなく微分音も扱う電子オルガンを用い、ゆっくりながら刺激的でメカニカルなつくり。ポッペ+ハイニガーの共作「トンバント」はもはや鍵盤上の音程は部分的な要素に退き、様々な打楽器と奇怪な電子効果音の饗宴。後半は鍵盤が微分音を含めて前面に出てきてけっこう煩い。Wergo WER7398-2
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  45. * 2010年の第1巻、16/17年の第2巻それぞれ6曲の計12曲で、それぞれ「移り気な」「不変なもの」「循環」などの表題がついている。どんな順序で演奏しても(略しても反復しても)よいとされていて、ここでも順序はシャッフルされている。自作や過去の著名曲からの引用もある模様。第1巻は飛び跳ねるメカニック、第2巻は細かくうねったりする、というか各曲それぞれ個性的で詩情もあったりする。Mode Records MOD-CD-329
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  46. * CD4枚組で、収録されているのは第1,5,10,16,30,31(Part I/II),32,33,139番。どれもかなり密集した不協和音をほどほどの強度で繰り出して即興的なモチーフにする。139番は比較的枯れて軽みが出ているような気がする。他のことに集中しながらずっと流しておくのに具合がよく昨日からこればかり。Hat Hut Records 889176574856
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  47. * 素材を三角関数で縦横(音程/時間)に変換して組み合わせるのだという。Pfの高音モチーフが木漏れ日のよう。微分音ぽい音も。ステファノ・ジェルヴァゾーニの「スヴェーテ・ティヒ」は“沈黙の光”という意味だそうで、ゆっくり静かに流れる時間の中できらめくような断片がポツポツ鳴らされ時々溜まった水が急に流れるように。ジョージ・クラムの「マクロコスモスIII」は“夏の夜(夕べ)の音楽”と第され、Pfの内部奏法から笛のような打楽器そして掛け声まで多彩な響きに魅了される。収録曲はみな2Pf+2打。Hat Hut Records 752156017028
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  48. * 細かく動いてはハーモニクス、そして微分音。第3弦を通常より少し高く調弦し、さらに曲の最後では他の弦も変えるのだという。電子楽器は自己主張せず影のように寄り添う。譚盾(タン・ドゥンの「7つの欲望」は中華風の香りとスパニッシュ的技法を少しずつ盛り込む。オッリ・ムストネンの「ギター・ソナタ第2番」はやや神秘的な。カレヴィ・アホの「ソロ XI」はイラクのウド即興のような旋法で低音弦を低く調弦。セバスチャン・ファーゲルルンドの「クロモス」は太陽の彩層からの発想だという。そして最後にティモ・アラコティラの「詩篇」。 BIS-2395
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