music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2021-11
スティーブ・バリー :
マイクロコズム
(バリー )
気持ちの赴くままの即興という感じで、細かいアルペジオ的運動がゆっくりした中間部を挟む。「コディファイ」は少しつっかえながら。「夢占い師」は更に要素が短くなり空隙を挟みながら。「尖塔」は上下に広く動く。「回り道」は緩急。「シーソー」は半音階的にくねりつつロマンチック。間には4つの間奏曲、ピアノ組曲からの抜粋。どれも言いたいことがあるというよりはその場で浮かんだイメージが音になって消えていくというのかな。Rattle
RAT-D081
(2021-11-30 )
ジリアン・ホワイトヘッド :
水を渡る影
(ヴィレム・ヴェヴェルカ+パトリシア・グッドソン+シュターミッツ四重奏団 )
SQ+Ob+Pfという編成で、五音音階を応用したような奇妙にエキゾチックで悲しげな響き。戦争難民の子どもたちを思ってという。「アン・モリスのためのトムのセレナード」はOb+Vn+Va+Vcで空虚五度が強調されるかと思うと水に漂うような叙情も。「マタ・アウ川にかかる雲」「星はなく雲さえも」はSQ、「アラパーティキ」「トゥーマナコ」はPf独奏、「トルア」はVn+Pf、「3つの即興」はOb独奏で、チェコの民族要素なのか、なぜか微かにアラブも感じさせる不思議な空気。Rattle
RAT-D077
(2021-11-30 )
エドワード・カウイー :
鳥たちのポートレート
(スケアヴェズ+チャドウィック )
Vn+Pfが水鳥、野の鳥、森と庭の鳥、海鳥の4巻で24曲の鳥を奏でる。鳴き声や動作の様子などを、いろいろな手法を用いて描写する。なかなか面白くてなるほどというのも多いが、24もあるとやや冗長かも(ただ後半のほうが手が込んでる)。一瞬カルメンのパロディかと思うようなところも。Metier
MSV28619
(2021-11-28 )
セサル・カマレロ :
液体劇場のための音楽
(ザーイル・アンサンブル )
Fl+Cl+Vn+Vc+Pfでハーモニクスを多用しゆっくりと流れていく。「スローモーションで波の進化を観察するための音楽」も同じ編成でよく似た響きながら刺激音や速いパッセージが増える。「コップ一杯の水を見る37の方法」はPfに代えて2打、Guit、ASax、Vaを用い、微分音的な濁りも混じえて多様な響きが推移する。「水の記憶」はVnなしでHp、Accを加えギター協奏曲的に。「略語」はAFl+Cl+Vn+Vcで単純な音がずっとppで積み重ねられる。IBS Classical
IBS-192021
(2021-11-26 )
ガオ・ピン :
4つのスケッチ
(NZトリオ )
ジャジーな掛け合いからハーモニクス、微分音まで多彩な表情。カルロ・マルゲティツの「ライトボックス」は3つの楽器が独自の動き。「移行する状態」はガラス作りの変化する状態から着想。アレックス・テイラーの「機械的バーレスク」は10の奇妙な踊り。サミュエル・ホロウェイの「あぶみ骨」はグリッサンドやハーモニクスなどのごった煮が内耳を介して伝えられる。クリス・ゲンドールの「浮き彫り」は対称的な3つの楽章で丁々発止。キャロル・コワン「繊細な踊り」はタンゴやジャズを思わせる3楽章。Rattle
RAT-D058
(2021-11-25 )
ジャック・ボディ :
エピサイクル
(デル・ソル弦楽四重奏団 )
グリッサンドしてまさに周転円のようなエキゾチックな音が飛び交う。Pfトリオで「腹の中の火」は刻みとハーモニクス、「尻の痛み」は平行和音。「夜想曲」はVc+Pfでゆったり。「ブルースに捧ぐ」は5曲の曲を元にしてこの分野を試してみた。「アルム・マニス」はSQを電子加工。語りが入る「親密な歴史第1、2番」は電子楽器など、「居住地の街路で」はPfと。「キャラバン」はエキゾチックなVn、「エオリアン・ハープ」はハーモニクスを駆使するVc。「通りの音楽」はインドネシアの通りの売り声を模す電子音楽。最後に「熱帯雨林 6.子供の遊び」をFl+Marbと楽しい遊び歌で。Rattle
RAT-D057
(2021-11-24 )
フランソワ・ロッセ :
東山
(エレーヌ・ペレイラ )
内部奏法に歌声まで響かせてライブエレクトロニクスでかき回すのかな。語もある。ジョン・ケージの「得体の知れない冒険」は全面プリペアド・ピアノで楽しいリズム。イソッタ・トラステヴェーレ「セイユ」は電子音が鳴る中に時々Pf。ルイジ・エスポジト「ハッカー・ソナタ」も打楽器などいろいろ導入している。フィリップ・フェストウ「星の天球」も電子音とPfの饗宴。ジャン・クロード・リセの「一人のピアニストのためのデュエット」は鏡のように反射したり波打ったりと多様な運動。MIDIを使うって?イヴァン・ソラーノの「エコーの三部作」は一部プリペアドやライブエレ風の音を伴う。平野真由「シヤージ」は残念ながら途中で切れてる。col legno
CL31CD15010
(2021-11-22 )
ジョージ・クラム :
メタモルフォーシス
(マルカントニオ・バローネ )
内部奏法のグリッサンドに彩られる打楽器的なあるいは転げ回り飛び跳ねるようなピアニズム。ときに呪文や鼻歌のような声が入ったり。硬軟自在のクールな2巻20曲。Bridge Records
BCD9551
(2021-11-20 )
ブリテン :
弦楽四重奏曲第1番、3番
(ブリテン四重奏団 )
第1番は微妙に崩れた和音の緩徐部と活発な動きが交互に入れ替わり協和音を奏でながら時折ぐぐっと外れて変化する。柔らかな旋法からブリテンらしい諧謔まで。第3番は次々姿を変えていくくぐもった声。調性的なふりをしてみたりすっかり忘れたり、ガラス細工のような緩徐楽章と激する速い動きの交替。Musical Concepts
ALC1441
(2021-11-20 )
リゲティ :
無伴奏チェロ・ソナタ
(ヴァンサン・クルトワ )
民族風の哀愁を湛えた第1楽章と激しく技巧的な第2楽章。ヒンデミットのソナタは5つの楽章で最初から激しく攻めるが深々とした歌もある。ヘンツェの「セレナード」は9つの短い楽章でスタイルとしては古風ながら中身は縦横無尽。ペンデレツキの「スラブのために」は独特な旋法で朴訥に語り始め次第に激しく最後はまた消えていく。ベリオの「言葉は消える」は掠れ気味にゆっくり始まりトレモロを軸にしたアルペジオそして問いかけたまま。オネゲルの「パドゥン」はゆったりした歌。ドミニク・ピファレリ「フェルナンド・ペソアのための典礼」は太い低音ばねにした動きが少しずつ速まりながら変化する。La Buissonne
YAN009D
(2021-11-19 )
ロバート・キーリー :
ピアノ三重奏曲
(フィデリオ・トリオ )
無調ながら少し調性の香りを残したパッセージが自由な感じで飛び交う。「Fl、Vc、Pfのための三重奏曲」はたぶんロマン派の枠組みを利用しながらフラッターとか大きな跳躍とか人を食った音が。「VnとPfのソナタ」は広い跳躍の連続で上下するしなやかな旋律線がいい感じの流れとリズムを生む。ジャケットではロブ・キーリー。Convivium Records
CVI008
(2021-11-17 )
グバイドゥーリナ :
今はまだ雪
(オランダ室内合唱団+シェーンベルク・アンサンブル )
つぶやくようなア・カペラ合唱で始まり、否定神学という器楽部、暗い吹雪、また否定神学で合唱付き、そしてVn独奏と声楽が故郷を歌うらしい。「知覚」はBarとSop独唱が語り手のようになり、Pizzやコル・レーニョの楽章などを混じえながら進んでいく音楽劇という感じ。Decca
00028948300303
(2021-11-16 )
ヴィットリオ・モンタルティ :
迷宮
(ラウラ・ファオーロ+マッシモ・マルキ )
BFl+電子楽器で短いパッセージと呼吸音が処理され渦巻が徐々に急速になる。サルヴァトーレ・シャリーノ「どのようにして魔法は生み出されるのか?」はBFl編曲版で音孔の開閉音。増強Flでマリオ・ラビスタの「トリプティコ」はハーモニクス多用、チェーザレ・サルディッコの「スパイア V」は尺八的高音。Fl+電子音ではサーリアホの「ノアノア」が声も混じえ、イヴァン・フェデーレの「ドナチス・アンブラ」は広音域駆使。Fl独奏はルカ・フランチェスコーニ「トラッチェ」、ナディア・ヴァッセナ「海に迷い込んだ子どものように」、+声がロミテッリ・ファウスト「ディア・ニクタ」。Stradivarius
STR37205
(2021-11-15 )
ニルス・レンスホルト :
感情と経験の保管庫 第1巻 - 鳥たち
(レニオ・リアツー )
抑制されたPf独奏の奏鳥の描写。ほぼ単音による鳴き声から限定的な和音を伴うもの、鳥が複数いるかのようなものへと変化する。奏者は半透明の立方体のカバーに囲まれるというパンデミック後のディストピア的演出を想定しているのだという。Dacapo
8.226712
(2021-11-15 )
ステファン・イップ :
霜月冬庭 II
(スイッチ・アンサンブル )
Fl+BCl+Vn+Va+Vc+Pfでゆっくりした霞のような響き。掠れた音の隙間でふわっと上昇していくグリッサンド。「清、和 III」「空谷傳音」も極めてよく似た響き。「水面青空」は古筝が加わるが基本は同じ。「ジャスミンの花」Pf独奏でやや甘美、「五顔、秋色」はFl+BFlで息音とハーモニクスをたっぷり使う。Albany
TROY1873
(2021-11-15 )
ジェイムズ・リッチ :
ピアノ・ソナタ
(ダーフィト・ホルツマン )
無調で緩急揺れ動く。シェーンベルク風というのか。「バガテル」は気ままな不定形音楽だがなかなか詩情がある。「夜想曲第1番、2番」はもやっとした。「ワルツ」「無言歌」は少し調性の香りを残しながら、「間奏曲」は無調寄りだがロマンがある。「幻想曲変奏曲」「ブギ・ウギ」は遊びの要素。併録はシェーンベルクの「5つのピアノ曲」。Albany
TROY1875
(2021-11-13 )
マーラ・ヘルムート :
内なる蝶
(リンゼイ・グッドマン )
Fl独奏ながらライブエレクトロニクスを使うのかいろんな音が飛び交う。ジョシュ・オックスフォードの「ブルーズ…」はジャズ風かつ舌奏、ハーモニクス、声出し音など多彩な技巧。ブルース・バブコックの「独白」はゆっくりと語り、ジェイソン・タウリンスの「アブ」は尺八めき、「マーシャス」はAFlでゆるゆる。スティーヴン・D・ブロックの「甘く魂のない至点」はチョーキングのような捻り。アッラ・アラナ・コーエンの「油絵の具に親しむ水彩画の巨匠」はPf付きでふんわりした。ピーター・キャスティーンの「追悼」はVc、トイピアノ、クロテイルを伴う。ジェニファー・ジョリーの「カボ・サン・ルーカス行710便」は+Vc+Pfのトリオでつぶやき。Navona
NV6265
(2021-11-12 )
マイケル=トーマス・フォーマイ :
レリクス
(パトリック・イム )
香港歴史博物館の特別展で出品作品に合わせて演奏するように書かれたというVn独奏がいろんな表情をみせる8曲。オースティン・イップの「何マイルも続く」も同館の展示に触発されたという。ヤオ・チェンの「何マイルも続く」は長い音のシルクロード、スルポンなどで音色を変化させつつ三連符が連なる曼荼羅、Pizzを多用するカンフーの3部構成。陳怡の「メモリー」は胡弓っぽい使い方でグリッサンドを混じえながらくねくね民族っぽい。陳啟揚の「離れ一人高く」は中国の伝説的月姫(嫦娥?)の孤独を詠む李商隠の詩によるという無調ながら艷やかでロマンチック。Navona
NV6268
(2021-11-12 )
シェンク・エルギュン :
ケラーレ
(ジャック四重奏団 )
ゆっくり途切れとぎれに奏される音符の間にPizzなどがぽつんと置かれる。微分音を含む何やら不可思議な音列はトルコの旋法らしい。後半は近接した音が重ねられバグパイプのように鳴り続ける。「ソナーレ」は暴力的な細かな連続音が狭い音域でずっと続き、中間部で穏やかになるが後半でまた激しさが戻ってくる。New Focus Recordings
FCR238
(2021-11-11 )
アルトゥール・アヴァネソフ :
海の砂のように
(モブセス・ポゴシアンほか )
SQ+Pfで古風な響きを装って始まりながら音が溶けてポルタメントやら微分音やら。「鬼火」は70曲に及ぶPf曲集から7曲、古い音楽を参照するという素直なつくり。アショット・ゾフラビアンの「ノヴェレッテ」も素直なPf四重奏もどきから弾ける油断ならぬ曲。ミシェル・ペトロシアンの「火のような炎、炎のような火」はPfトリオで軽快ながらも際どい音が随所に。アルタシェス・カルタリャンの「テケヤン三部作」はアルメニアの詩をMS+SQで奏でる。「Saxと打の組曲」もアルメニア音楽による。New Focus Recordings
FCR244
(2021-11-09 )
フランク・ベドロシアン :
エピグラム
(ミシェル=ダンサク+ポマリコ+クラングフォルム・ウィーン )
Sop+11楽器でディキンソンの詩を用いる3部構成。短い攻撃的な断片が次々と繰り出され、目まぐるしくも不安な模様を描く。金属的な音が手裏剣のように飛び出したかと思うと沈黙したり。最後はノイズ的な要素が前面に。「エッジズ」は一部プリペアドPf+打というデュオ。ギシギシ軋んだりガラクタみたいだったり拳でまとめて音を出したり。「ツィスト」は電子楽器×2と管弦楽で粗な表面がでたらめに飛び交うのみ。IRCAMとのコラボだそうだが。Kairos
0015042KAI
(2021-11-09 )
ヴィエラ・ヤナールチェコヴァー :
弦楽四重奏曲第8番
(アサセッロ四重奏団 )
掠れたスルポンハーモニクスの水面に時折り鋭い音が突き刺さったりギリギリと軋んだり急に饒舌になったり。副題は“遠ざけられた”。マールトン・イレーシュの「弦楽四重奏曲第3番」はねずみ花火あるいは早回ししたビニル盤をひっかくようにキュッと尖った音。リサ・ストライヒの「(天使、…)なおも手さぐりしながら」はバレエのつま先立ちを茶化すような高音のひねりとハーモニクス、そして沈黙からゆっくり浮かび上がる冷たく歪んだガラスのような響き。けっこう気に入った。Genuin
GEN20639
(2021-11-08 )
グレツキ :
弦楽四重奏曲第3番
(ティペット四重奏団 )
ゆっくりした悲歌から穏やかなコラール、そして不安で神経質なアレグロを挟んで温かい音楽が戻ってくるがどこかで歯車が狂って三和音と不協和音が互い違いに現れ最後は低い音域に沈んで迷いながら協和音にたどり着く。「2つのVnのためのソナタ」は著しく破壊的なやり取りの間に壊れた自動演奏人形の嘆きのような歌が挟まれる。ピチカートがかなりの部分を占める終楽章は人形が昔を思い出して再び踊ろうとするようでもある。Naxos
8.574110
(2021-11-07 )
アルベルト・ポサダス :
迷宮の詩
(シグマ・プロジェクト )
Sax四重奏で微分音和音、不気味なトリル、半音階下降の断片、ハーモニクス、耳障りな露悪的発音などを組み合わせてクレタ島の遺跡「クノッソス」、エッシャーのだまし絵「上昇と下降」、ボルヘスの伝奇小説「八岐の園」という3つのテーマを描く。かなり神経逆撫でされる音響なので、このレーベルでなければ放棄していたところ。Wergo
WER7390-2
(2021-11-07 )
ケビン・ラウ :
夜中の太陽への競争
(アンサンブル・メイド・イン・カナダ )
Pf四重奏で、スルポンからくねくね変化する弦をPfが包み込む。デイヴィッド・ブレイドの「大熊川ブルース」はなかなか勢いがありグリッサンドなど効果的。ヴィヴィアン・フォンの「シフトする景色」はPfのアルペジオ上の和声が崩れて落下していく。バーバラ・コロールの「Nbiidaasamishkaamin」はバルトークPizzが駆使される。サミー・ムーサの「ヌナブトのオルフェウス」は節約された音。ニコラ・ジベールの「小島」はスピード感はある。アナ・ソコロヴィッチはシンプル変化球。ニコール・リジー、ウィリアム・ローソン、ダレン・ジゲスムンドは調性寄り。ほかカナダの室内楽モザイク。Canadian Music CDS
EMIC003
(2021-11-06 )
フアン・カンポベルデ :
本影
(フォネマ・コンソート )
Sop(2)+Fl+Guitで謎めいた歌に微分音調弦のハーモニクスや即興的な笛が絡む。「欲望の場所」はやはり女声にFlやBClが息漏れを多用しながらつぶやき最後にGuitが。「玄武岩」はさらに奇妙な楽器というか電子音が加わり声はますますねじれた動き。「トポグラフィI」は微分音ギター、「muna ii」はそこに電子音が雲のように包み込む。面白い。New Focus Recordings
FCR246
(2021-11-05 )
カタリーナ・ローゼンバーガー :
名もなき地への歌
(レイジ・ソーンボーンズ+ウェイストランド )
重力に任せたスピッカートで上昇する音とハーモニクスの虚無的な和音を背景にぐさりと斬りつける単音。Vn+Va+Vc。調べたら演奏会インスタレーションだと出てきた。「電気増幅四重奏と効果ペダルのモジュール」もSQではなく管打を含むシュールな音の交錯。「シフト」は2本TrbとFl+Cl+Pf+打という感じのアンサンブルでグリッサンドを多用した断片が飛び交う。さらに短い即興で2Trbの「リシフト」「スピード・スパッター」「ワフツ・アンド・ドリフツ」、EGuitの「後奏曲」。先鋭的。Hat Hut Records
752156019923
(2021-11-05 )
モートン・フェルドマン :
弦楽四重奏と管弦楽
(ペッレグリーニ四重奏団+フランクフルト放送響 )
いくつかの楽器群に別れたオケとSQが対比されたり、高音楽器同士が組んだりしつつ、二度の反復が呼応していく。フェルドマンでTimpのロールというのは不思議な感じだ。「オーボエと管弦楽」は協奏曲的にObがやや長めのフレーズを奏で交互の短い応答というよりは同時に鳴ったりポルタメントで変化したり。「アトランティス」はPf対オケで細かな動きが散りばめられ精緻なガラス細工のよう。Hat Hut Records
752156020622
(2021-11-04 )
リザ・リム :
オレステイア
(サンドロ・ゴルリ+エリジョン・アンサンブル他 )
アイスキュロスの悲劇三部作に基づくオペラで、独唱6人と1-1-1-0,0-1-1-0にVa+Vc+Cb+打+EGuitそれにトルコのサズという弦楽器の11楽器。エキゾチックで様々な奏法が先鋭に軋む異化された世界。「月の精の饗宴」第6場は3独唱+9楽器のオペラから女神が月に向かって飛ぶ場面でSop+Fl+Vc+琴+打。妖しげだ。「母語」は2-1-2-1,0-1-1-0+弦5部各1+打+Saxを伴うSopがパトリシア・サイクスの詩を歌う連作歌曲。やはり不気味な世界で、ときどき出てくるEGが神経を逆撫でする。Huddersfield Contemporary Records
HCR25CD
(2021-11-01 )