Planet masaka played list 2022-02


  1. * ノイズや信号音や無機質な反復音が並ぶテープの上でVc独奏が寂しげな歌をポツポツと微分音なども交えながら奏でる。「白い楽章」はVc+Pf+打で即興のような捉えどころのないやり取りが緩々と続くかと思うと落ち着かないリズムで動き出したり密に絡み合ったり。Musiques Suisses MGB-CTS-M127
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  2. * マラルメのテキストを語ったり“もし”(si)を繰り返したり囁きから波打つ対位法になったり不思議な和声のコラールになったりする8声のア・カペラ3章。クサヴァー・ダイヤーの「ソネットXXI」はペッソアの詩による各声部が自在に交錯する神秘的な6声。ジャン=セリム・アブレルモウラの「8声のためのソナチネ」は声を器楽的に扱ったりもするが比較的普通。セルジオ・メノッツィ「スクリャービンによる楽興の時」はスクリャービンの作品57~74から8つを素材に同時代の詩を用いて室内オケ付き合唱曲に。Musiques Suisses MGB-CTS-M126
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  3. * Ob+Vn+Cb+Guit+打で微分音チューニングや引掻き音や多重発音など。ローラン・メトラー「石」はPf独奏。ジョン・メヌー「礼拝」は10楽器。フランツ・フラー=ミュンヒ「リコーダー協奏曲第7番」。ダニエル・ゼア「カンブシュ」はノイズのコラージュ。U.P.シュナイダー「日III」は連打音の応酬。ピエール・マリエタン「風光明媚な断片」はよく似た連打にBar。ブノワ・モロー「連続体」はFl+打。フランチェスコ・ホッホ「イスキア」はPfトリオ。ルドヴィック・ティルバウデイ「カプリッチョII」はFl+Sax+Vn+Vc。ミヒャエル・ペルツェル「ピアノ作戦」は声+内部奏法。ニコラス・ボーレンス「時間は飛ぶ」はSQ。 MGB-CTS-M125
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  4. * Sop+Ob+Vc+Pfという編成で、1995年のウィーン歌劇場のプログラムに掲載されていたナチス文化振興局の敵性音楽家リストの複製をテキストに繊細で虚無的なモノドラマが描かれる。「3つの印象の神殿」はブロックフレーテ+打で微分音も用いながら幽玄の世界。「遠くから」は同じ笛をガンバ、Cemb、Orgと組合せてリゲティへのオマージュだという6楽章。「シャロンの眠り」はTSax、「シーシュポスの日記」は何と4TSaxで、それぞれ興味深い表現ではあるのだけれど音色が。Musiques Suisses MGB-CTS-M123
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  5. * 管打+EGuit+Pfの7楽器に一部声を加えて断片的な音が途切れ途切れに散りばめられる奇妙でシュールな音楽。「5部の跳ね返り」は歌劇「働いている/失っている。口元」からという発音の声の見本市。「そして数字を通り。休み/点の下で」も同じ歌劇からの打と声だけの3章。「働いている/失っている。声」は7楽器アンサンブル+声でこれまでの要素を総動員。実にヘンテコな。Musiques Suisses MGB-CTS-M122
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  6. * クラウディア・デイの戯曲に基づくFl+Cl+Vn+Vc+Pf+打に3MS+Barという小さな編成の室内オペラで、ハッピーバースデーを素材に遊んでみたり、親密なミュージカルという雰囲気のつくり。「祈祷」は多和田葉子のテキストによる日独語が混じった個性的な歌曲でこれはけっこう面白い。「16の洞察」はハイネを用いた歌曲でBarが重々しく始まる。「舞踊断章」はVc独奏で無調ながらロマンチック。「パーティタイム」はSax+Vc+Pfで軽快なややポップな趣。Musiques Suisses MGB-CTS-M134
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  7. * Vnの断片的特殊奏法オンパレード即興のようでいて8つのアイデンティティによる隠れた旋律があるのだと。クララ・イアンノッタの「ジャム壺の中の死んだスズメバチ(i)」はクリップで弦を挟んで奏するという。レベッカ・ソーンダースの「ハウク」はGD線のみを用いハーモニクスのグリッサンド。リザ・リムの「蘇歌星図」は音がすぐにハーモニクスで掠れる。エヴァン・ジョンソンの「樹木にかかる雲」もギリギリした音。キャシー・ミリケンの「クリエ」は声を交える。アーロン・キャシディの「記憶の杖」はグリッサンドの嵐。どれも挑戦的なクールで熱い表現。Huddersfield Contemporary Records HCR26CD
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  8. * 12ヶ月を詠んだ14世紀イタリアのソネット英訳から4つを選んでSop+管楽アンサンブルとした。「音響」「輝く空気の中で」は管楽でも比較的潤いがあるが「聖なるハープ」は吹奏楽そのもの。「それは夢から始まった」は管楽八重奏。レーベルで選んで失敗。New Focus Recordings FCR323
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  9. * チリ独裁政権下での弾圧を描くアリエル・ドーフマンの戯曲を元にダニエル・フックスが台本を書いたもので、元の戯曲で主人公の苦痛の記憶と結びつくシューベルトのSQが様々な形で引用・変容される。厳しい音楽だが、多彩な打を用い短い断片を積み重ねるように細かく書かれたオケは引き締まって聴き応えある。Musiques Suisses MGB-CTS-M133
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  10. * 5つの楽章が星座のWの各点を示しかつ名前の各母音に対応するという軽やかに姿を変えていく色彩的な曲。2008/10年。エーリヒ・シュミットの「ノットゥルノ」はOb+Cl/BCl+Vn+Vcで1935年作の新ウィーン楽派風5楽章。ルドルフ・ケルターボーンの「内なる耳」はMS+Bar+Cl+Vn+打で13の俳句独訳をテキストにした繊細な造形。2010/11年。ミッシャ・ケーゼルの「シティ1」はノイズ的な音を精緻に組み合わせる2004年作品。それからシェーンベルクの「6つのピアノ小品」のホリガーによる編曲版。Musiques Suisses MGB-CTS-M135
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  11. * Pfの音があちこち飛び跳ねじわじわ上昇下降したり叩きつけたり。YoutubeでMIDI打ち込み&音視覚化映像を観たところなので一層動きが面白い。「ヘルマ」は緩やかな流れの中で確率論的に飛び散る音が炸裂。「霧」は上昇しては揺らぐ反復から確率的“雲”の中間部を経てまた網の目へ。「ア・ル」は短い“ラヴェルヘのオマージュ”。「6つのシャンソン」は旋律的な1951年の作品。「ジーア」はSop+Fl+Pfでギリシャ民謡によるという土俗的な。「L.1」「人気の空気」「アレグロ・モルト」は未出版の1940年代Pf小品。Timpani 1C1232
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  12. * Vn+Va+Vcで中低音域の模糊とした微分音の絡まりから怪しげな生き物が膨らんでいく。「弦楽四重奏曲第1番」はグリッサンドで上昇するハーモニクスの連続を基調に半音階や下降線が入り混じる。「弦楽四重奏曲第2番」は激しいトゥッティ刻みから拡散して複リズムや不協和音が縦横にそしてのこぎり音。「逃避行」はVn独奏で様々な音色を駆使して大きく跳躍する。「尖塔」もVn独奏で掠れ気味の高音が半音階や微分音で動き低い重音と交錯する。「気まぐれな楽章」はVc独奏で気難しそうな重音から叩きまで。Musiques Suisses MGB-CTS-M139
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  13. * 微分音などのVc+Glock。D.ヴァイスベルク「G.H.のための家音楽」はHp+電子音。F.プロフォス「本物の火」は語り+オケ。ラジヴ・サタピ「愛の芽を摘む」は2Pf+2打。C.ヘンキング「憧れの時に適した時はない」はMS+Bar+Ens。ホリガー「マニ・マッターの名による2小品」は部分プリペアドPf。U.P.シュナイダー「同じく」は1/2と1/3音Pf。M.ロト「強盗―断片」はSax+Cb+Guitと語り。D.タラ「群れ」は声とEns。H.W.-マテツ「周縁と中心」は2金属打とL電子。A.ファシャール「その瞬間、すでに孤独」は2Pfで1台がプリペアド、内部奏法も。M.ケラー「姉妹」はSop+Cb。 MGB-CTS-M137
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  14. * 3本の弦を微分音調弦した2台ギターで、最初は普通なのにだんだん捻れた正体を顕す。「頭 - 頭蓋骨」はCl独奏で多重倍音や微分音を用いて高音域と低音域を目まぐるしく行き来する。「ウィント氏とキッド氏」はFl+Pf+打のための想像上のバレエということでボンド小説の登場人物がタイトル。「自分に降りかかってくる時間」はペーター・ウェーバーの小説《シルバーとサルバドール》、「散歩の様子」はロベルト・ヴァルザーの短編による音劇。いずれも意欲的な表現。Musiques Suisses MGB-CTS-M136
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  15. * クレーの素描からとった題名で、Es音を持続するHrの周りに細い装飾糸のように上下する流れと鋭く飛び交う音。「を求めて」で持続するのはClの微かな十二音主題で合間にピエロ・アンサンブル+打の6楽器が賑々しく動き回る。「B-A-C-H」はVn独奏がその名の動機を自在に扱う。「アラーニ」はAとEsの間を揺れるHr+Vn+Pf。「ジェスチャー - 触れる」は絡まり合うVn+Va+Vc。「マナ」は複雑な交錯から最後は自然倍音のカデンツァとなるHr協奏曲。Vn+声の「サディア」はゆっくり劇的、「捜査本部」は動と静。Musiques Suisses MGB-CTS-M132
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  16. * ワルツやポルカの形をとって滑稽ともグロテスクとも言える和声と旋律を組合せた。1923年。「VnとVcの二重奏曲」はボヘミア民謡の素材を用い両端楽章はそれなりに面白い。Praga Digitals PRD250203D
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  17. * Ob+Cl+Sax+Vn+Va+Vc+Accrdという小さな編成に12名の合唱による。キリエ~アニュス・デイの伝統的ミサに瞑想曲2つを挟んだオーソドックスな構成だが、音楽は透明な響きが捻れていったり微分音を用いたり厳しく不条理を訴えたり混沌に陥ったりという前衛。しかしゆっくりと訴えるような念が満ちており、聴き応えあり。Musiques Suisses MGB-CTS-M131
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  18. * 拡張ピアノは内部奏法やプリペアドを総称したクラムの用語らしいが増幅ピアノはその特殊音を電気増幅もするということか。この演奏では声も含めて増幅している。今更ながら各曲は副題に黄道十二宮が結び付けられていることに気付く。II-7があの“トラ・トラ・トラ”だとは知らなんだ。ショパンの幻想即興曲が引用されるのはI-11「夢の印象」。Musiques Suisses MGB-6091
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  19. * 2種のサルタンド、4種のコル・レーニョ、5種のPizzを使い分けるのだという拍とアーティキュレーションの見本市。「他が全て失敗する時」は2台プリペアドPf+2打でゆっくりリズミックな部分と静寂が。「グリップ」はギシギシ音や微分音が滲み中間部はグリッサンドが飛び交うSQ。「正誤表」は分裂気味に飛び回るPf。「ブレーク;」はVc+Pfで忙しい装飾や水面にころがるようなサルタンドなど。「システムの限界と自分の決断の結果について」はPfの即興的な音がライブエレクトロニクスでかき回される。Kairos 0015048KAI
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  20. * ドビュッシーもどきの雰囲気だが巨大オーケストラが時どき煩く変にロマンチック。ジョアン・ファルジョの「ファンタズム - マナの輪」はVnとVcを加えた三重協奏曲でポリネシア諸島に伝わる神秘的な力を表現するらしいが甘ったるい部分が多い。カール・アマデウス・ハルトマンの「室内協奏曲」はCl+SQ+弦楽オケで少し面白そうな和声で始まるが民族風舞踊の変奏は半分陳腐で半分興味深いという妙な混合。Fuga Libera FUG752
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  21. * 太鼓が打ち鳴らされる中、各楽器はトリルやグリッサンドの断片を発しながら怪獣映画のような混沌に突き進む。ins Offeneの訳語は不詳。「放浪」はAccrd+TSax+Vc+Hp+Flにライブエレクトロニクスを加え、各楽器の絞り出すソロをゆっくり音が変形される5部のあと集まっての終幕。「無能力化」は2Sop+Altの謡から叫びに至る声をライブエレクトロニクスでおどろおどろしい無重力空間に仕立てる。Wergo WER6429-2
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  22. * 一部プリペアドのPf独奏でシューマン歌曲、ゴルトベルク変奏曲などの引用を換骨奪胎したつぶやき。「ミルメキア」は変則調弦のGuit+Hp+ダルシマーでリズミックな滲む音がやがて力を失う。「…銀。」はBFl独奏でサッフォーの詩からエロス、光、孤独などを描く。「月が沈む」は金属質の器楽に声も加えより掘り下げる。「質量:距離:時間」は6声の混声合唱でウンガレッティの詩が微分音的にふわふわ浮遊する。「脂肪もなく甘みもなく」はAFl+Cl+Vc+Pf+打で両シューマンの素材を料理。「遠くの反射」はBFl+BCl+Vn+Vcがゆっくり掠れた音を繰り出す。「きりきり舞い」は18各楽器の絞り出されたような音の交錯。Wergo WER6424-2
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  23. * ポルタメントで揺れ動く楽器の重なりから反復音そしてマルコムXなどの言葉の囁きも聞こえてくる。「オール・ライト!?」は右手のみを用いるPfの室内協奏曲で高音域+硬い打のリズムからグリッサンド上昇弦を叩きつけるなどいろいろ遊び心。「フラッシュナイト」はBFl+エレクトロニクス+室内オケで細かな刻みの応酬から多様な音色を駆使した繊細な織物へ。「彼方からの呼びかけ」はFl+Cl+Tp+Vn+Va+Vc+Guitでエキゾチックな旋法による上下などのパターンを繰り返す。「協奏曲からのエピソード」はBSaxの音色が汚く途中でスキップ。Dacapo 8.226538
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  24. * 例のピエロ・アンサンブル編成で弦のスルポンやハーモニクスに木管が緩やかに絡み内部奏法も含めたPfが時折呟く。「エイワーン」はVn+Vc+Pfでより研ぎ澄まされた響き。「エリカー」はVc独奏、「アーザル」「ハラー」はVn独奏で、一部微分音もある中東系のフレーズも用いつつ硬く冷たい響きを駆使する。Stradivarius STR37157
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  25. * 2つずつ対になった5つのカノンの間に3つの間奏曲が挟まれる。第1は超高音のVn+Pfによるごくシンプルな音形が落差の激しい動きに発展。第2はFl+Cl+Obに打(後半弦も)が加わりミニマリズム的リズムの上でランダムに。第3はとてもゆっくりと太極拳の動きを表現。第4はモーツァルトのK.605のモチーフを用いたという浮遊する音群。第5はハーモニクスのみのVnとPf高音が最初に戻ってお伽噺のオルゴールのように動く鏡像。これまた変わった曲だ。Dacapo 6.220585
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  26. * 第3番はナチスに収容所送りされている時の作品だそうで不条理というか厳しくもかなり分裂した感じの3楽章。第4番は透徹した和声でゆっくり始まり動き始めるが大半が高音域を巡り一瞬バッハを思わせるコラール断片を挟んで消えて行く単一楽章。第5番は装飾的モチーフからシンコペーション、抒情歌、細かな刻みリズムなど高音から始まって沈みまた上昇する3楽章。第6番も装飾モチーフが流れ始め、和声を並べる上で語り、終楽章にそれらが集まってくるような3楽章。Supraphon 71-0440-2
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  27. * ミステリアスに始まりフレーズも和声も分裂。アンダンテは物悲しくスケルツォは忙しく刻むがいずれも定まらぬ調。終章は大胆に変容するソロから民族風舞踊になりやはり奔放で頻繁な転調の連続。「二重奏曲」はリズミックで密な重音和音にやや民族風モチーフも加え明後日の音。「ソナタ」はVn+Pfで時折ジャズ風だったり民族風だったりと響きを変化させながら密で渋めかと思うと最後にはじける。「セレナード」はFl+2Cl+Fgでプーランクみたいなところもあるがちょっと生っぽい響き。Supraphon 71-0429-2
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  28. * 個々の断片は親しみやすく華麗に輝くのにどんどん調性が変わっていって目が回るような感覚。「ソナチネ」は各部の和声も時に崩れ一層分裂の度合いを増す。「小組曲」も「バガテル」も楽しげな装いながら全てがちぐはぐに作られる。「練習曲」は大きな跳躍の奇妙な分散和音が。「狂詩曲」は大仰な身振りで始めてリズミックに暴れる。「トッカータ」は素朴な動きから偏執的な細かな運動へ。まことに奇妙な、しかし名人芸的ピアノの魅力あふれる。Supraphon 71-0428-2
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  29. * 冷たいソロが絡まる序奏からテンポが上がってもあちこちから主題の蔓が伸びてくる。緩急いずれも峻厳な冬山のようだが最後は静かな湖水で時どき何かが飛び跳ねては静寂に戻るような世界。「パルティータ・コンチェルタンテ」は技巧的なVc独奏曲。「VnとVcの二重奏曲」は楽しげだったり深刻だったり跳ね回ったりと姿を変えていく対話。「弦楽三重奏曲」も澄んだ響きで始まり細かく運動したり絡まったりしながら少し民族味もあるアレグロで締めくくる。面白い個性。Supraphon 71-0381-2
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  30. * 形式としては伝統的4楽章ながらふざけているというか人を食ったような変なフレーズと和音を連発する第1番。少し心許ない感じのアダージョから軽い遊びのアレグレットという2楽章のみの短い第2番。静かなつぶやきから動きを増して行くがあまり力まず脱力して締めくくる第3番。模糊とした和声の中でやや浮いたソロを受け継ぎながら緊張しそうに見せては緩みつつゆったり大きな弧を描く第4番。トゥッティ和音連打の行進から静かに絡み合う和声そして順番に浮かび上がってはトリルに沈みスルポンPizzを経て回想するように終わる第5番。第3~5番は単一楽章。不思議な音楽だ。Supraphon 71-0422-2
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  31. * いわゆるピエロ・アンサンブル(一昨日覚えた)+打で微分音も含む不協和からグリッサンドでくねくね動きスルポンなども多用する弦に単調に応じていた管Pfが動き出す。2曲目はハーモニクスを含む高音に金属的打が呼応しているがやはり忙しない動きに。「内なる声」はVa独奏が厳しく技巧的な重音を奏でながら時に声も重ねる。「底なしの湖」はすばらしいVc独奏。「ハリアー」はVa+Vc+Cbで自在に飛翔する鷹の動と静。「アズール」は弦楽合奏で絡み合う和声が繊細に変化するところにいくつか破壊的要素が。「超越」は変幻する室内管が(語末がDanceになっている)やや俗っぽく踊る。Navona NV6402
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  32. * ト短調から転調していくのかと思うとどんどん遠くに離れ暗く不安定なアンダンテから奔放なアレグロに至りボヘミアンな和みを垣間見せつつぐるぐるかき回す第2番。急急緩急の4楽章で速い動きとともに目まぐるしく調性が変わるものの案外はっきりした主題がありアダージョではボヘミア風の歌も示される第4番。急緩急急で細かい動きの推進力は同様ながら終楽章は遅い序奏と結尾を持つ第5番。やはりト短調からすぐに遠くに離れて調不明に展開されるが最後またト短調に戻って終わる。Praga Digitals PRD250205D
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  33. * 自作オペラ「不思議の国のアリス」の間奏曲IをBCl用に編曲したもので、くるくる伸び縮みし波打つ。ブーレーズの「二重の影の対話」はCl独奏に録音されたClが影のように寄り添うがここではライブエレクトロニクスか。尹伊桑の「モノローグ」はFgの曲をBClで演奏。広い音域をトリルを用いながら上下する。青森英明の「スプリット」は低音と高音を行き来しながら。藤倉大の「コントアー」はコントラバス・クラリネットの曲だそうだがこれもBClで。ゆったり歌いながらターンをくりかえしやがて軽やかに運動し始める。New Focus Recordings FCR302
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  34. * 軽やかに動き回るClがライブエレクトロニクスを用いたかきらきらとこだまする。ロベルト・モラレスの「ユージ」もライブエレクトロニクスらしくこちらは裾広く反響して変容される。ロドリゴ・シガルの「リミーテ」はモゴモゴする電子音にドラム的音も加えClは高音でくるくる動く。アレハンドロ・カルドーナの「無数の祖父母の歌と踊り」は敏捷で素早いCl独奏。ビクトル・ラスガードの「3つの警句」は低音域と高音域の二重人格的。イグナシオ・ボカ=ロベラの「インベンション第6番」はポルタメントで揺れる。Urtext JBCC301
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  35. * Fl+Cl+Vn+Vc+Pf(シェーンベルクにちなみピエロ・アンサンブルと言うのだそうだ)+打+Barという編成で、晩年狂気に陥ったイギリス王ジョージ3世を主題にしたランドルフ・ストウ台本のモノドラマ。狂った王を歌う独唱は5オクターブ以上という驚異の音域を要求される。曲はジョージ3世が小鳥を手懐けて歌わせようとしたものに基づくとかで、馴染みやすい調べが変容していく。全体で30分に満たない短めの作品。Psappha PSA1007
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  36. * 無調でエキゾチックでもある奇妙なパッセージがワイルドに重ねられて行く。「静寂への問いかけ」第1巻シリーズ9はOb+Vc。「パルティータ」はFl+Ob+Clの3木管+SQ+3打(Vib/Marb)は賑やかに明るくまた独奏も活躍。聖三部作「神殿の内」の第2巻シリーズ4はさらにTpとTmpが加わって煩い一方、シリーズ3はVc+Pfで朗々と。《予言》シリーズ4「問答」は3木管+Vn+2Va+Vc+3打、同シリーズ5はPfも加わる。いろいろ盛りだくさん。Ravello Records RR8017
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  37. * 暗い色調で終楽章ケンケン跳びのような反復音の第1番、ミュート楽章からPizzやコル・レーニョなどを頻繁に入れ替える終楽章に進む第2番、緩急緩急ときて最後にまとめのようにくるくる表情を変えるV楽章の第3番、歌の第1楽章からスケルツォそしてまたしてもミュートでゆっくり進み最後に前楽章の冒頭に戻るような第4番。かなり渋く重厚だがよく聴くと味わい深い。Solo Musica SM310
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  38. * Fl+Cl+Vn+Vc+Pf+打の編成でスルポン、風奏などスクラッチノイズ系の音をおもちゃのように組み合わせる。「憂鬱」はVn+Cb+Pfとアイヒェンドルフのテキストを歌うSopを背景にいびきや鳴き真似みたいな声を重ねる音コラージュ。「梟の飛翔」はもっと徹底した奇声のアンサンブルで時どきガラクタ系の音も鳴らしている様子。「トラーの細胞」はEギターが鋸を弾いたような不思議なポルタメントの音(ワイングラスをスチールギターのバーのように使うらしい!)を散りばめる。+Sopとあるが声は聞こえない。「アウエリアエ」はOrg曲だが大半は不思議な高周波音。Wergo WER6426-2
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  39. * ハーモニクスを多用するゆっくりしたコラールの水面に風が吹いたり石が投げこまれたり。ジェシー・モンゴメリーの「離脱」はヒップホップから現代音楽までの間をスピード感のある音で自由に行き来するアットホームな5楽章。「ブードゥー人形」はブルーノートでずっと踊り続けるか。デイヴィッド・ビーデンベンダーの「表面張力」は細かいリズムの中からいろいろ浮かび上がってくる。ハウィー・ケンティの「猛烈な旧友」は最初煩くて何だと思うがなかなか機知に富んでいる。PUBLIQのメンバーによる「パリの鳥」はドビュッシーとチャーリ・パーカーを材料にして自由に。同「結句反復」はジャズのイディオムを用いて遊び心いっぱいの3楽章。Concert A.G. CAG115
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  40. * 反対方向を目指すVnとVcが交互に見え隠れしたり引き寄せ合ったりと作用して緩急さまざまなスタイルで進む。丁々発止の合間に味のある音がふいに現れるかと思えば微分音に溶ける。ハンス・アイスラーの「二重奏曲 作品7」は妖艶に楽しげに舞い踊る。そしてラヴェルの「VnとVcのためのソナタ」が生き生きして新しい。Delos DE3556
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  41. * 軋みグリッサンドに揺れるVnにお経のような声を加えた不思議な表現。カシム・ナクヴィ「バンケット」はVn+電子楽器でヒーリングぽく。リサ・ビーラワ「サンクチュアリの歌」は民族の歌ぽい女声を加えて。タイショーン・ソーリー「ムハル・リチャード・エイブラムスの思い出に」はGlockの和音の上で囁く。ニーナ・C・ヤング「サン・プロペラ」、ルー・ワンの「彼女の緯度」はいろんな電子楽器の上で多様に変怪する。ヴィジェイ・アイヤー「ダイヤモンド」はVn+Pfで4曲で歌からリズムへ。ミッシー・マッツォーリ「Vnのための晩祷」はVn+電子、「千の舌」は+Pfでちょっと幻想的。Cedille CDR90000-191
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  42. * 一部プリペアドのようなピアノにバラードからラップまでの劇場的な歌を組合せた。ランドール・ウールフの「誰も動かない」はフリージャズ風の語法で激しく始まり徐々にシンプルに。ジョナサン・ベイリー・ホランドの「調和の親交」は柔らかな和音を淡々と連ねる。デイヴィッド・ラコウスキの「前奏曲」はジャズから神秘、E音にこだわるフリースタイル。カーティス・K・ヒューズの「組曲第1番」はさまざまなスタイルの練習曲を集めた「前庭Vestibulations」からの5曲、「回避戦術第1番」は独奏Pfとテープ(電子音+打?)で即興的な断片が飛び交う。リー・ハイラはアンサンブル曲「平原での我が人生」からカデンツァをPf独奏に。Avie Records AV2401
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  43. * Fl+Ob+Cl+Vn+Va+Vcがコル・レーニョやハーモニクスを多用する繊細な音色の組み合わせで描く9つの絵巻。クルターグの「R.Sch.へのオマージュ」はCl+Va+Pfは短いながら多様な6曲。ジャン=ルイ・フローレンツの「ギョリュウの木の妖精」はVc独奏が落ち着いたテンポでいろんな表情。リゲティの「ブラームスへのオマージュ」はVn+Hr+Pfの三重奏曲でやや古めの構造と音形で各楽章敬意を払って始まりつつあらぬ方向へ。Hrはミュート音が面白いがオープンだと牧歌的すぎると思いきやとてつもない高難度。Arion Music 3325480684142
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  44. * 幻想曲、変奏曲、トッカータという枠組みの中に無調あるいは半音階的にうねる流れとPizzやかすかにジャズ風のリズムなどを埋め込む。ミェチスワフ・ワインベルクの「無伴奏チェロ・ソナタ第1番」はさらに古典的な装いながら異型の旋律要素。リゲティのソナタは深々した1楽章と動き回る2楽章。ヒンデミットのソナタは力の入った両端楽章が柔らかな動きの2楽章と跳ね回る4楽章をはさみ3楽章がじっくり聞かせる。Sheva Collection SH279
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  45. * イエスが最後に絞り出す言葉を虚無、苦悩、安らぎを行き来しながら描く。第4の「なぜ見捨てたのですか」は厳しい音で切迫する。Vc+Accdの対話を中心に(大半の曲は途中から)弦合奏が加わる。「深き淵より」はAccord独奏で湧き出してくる響きが鳥の声のようになったりしつつ成長して砕け散り灰の中から再生する光。「イン・クローチェ」はVc+Accd版(原曲はOrg)での演奏。雲の上で煌めいていたAccdが降下してきてVcと戯れ輪舞し逆にVcが翔び立っていくような。Sarton Records SARTON040-2
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  46. * IはCl+Fg+Hr+弦各1、IIは金管五重奏、IIIはVc+Pf、IVはFl+Cl+Vn+Vc+打+Pf、VはVn+Vc+Pf、VIはFl/Picc+Cl/BCl+Vn+Vcと編成を変えながら、Schottenfreudeという本に書かれた「人間の状態を表す新しい120のドイツ語」から荒唐無稽な23語を選んで表現する。特に後半はベートーベンの主題を用いたパロディで遊ぶ。楽しめる。New Focus Recordings FCR314
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  47. * 7人の奏者がフィドル、リュートなど14のルネサンス時代楽器を用い、ミニマリズム的パターンを反復しながら徐々に変化していく。「私の可愛いパイロットも寝落ちする」はそれぞれ同音反復で念仏のように唱えるア・カペラSCTB合唱。「庭のベリーズ」は混声合唱が淡いオケ伴とともに無重力のような語り歌を。「祈り」は聖金曜日のためのカンタータと第されたSop+混声合唱で伴奏も室内オケのソロが順番という具合。「はじめに顔…次に手」はAccordを加えた室内オケが物語風の音楽。「冒険」はPfと管が細かなリズムでやり取りしながらコラールになったり戯れたり。「夏季オリンピック」は派手なフルオケ。Nettwerk 067003414258
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  48. * 旋法風の主題が休み休み歩むようにゆっくり展開されていく。全音音階を用いつつ各部分が各音上に構築されるのだとしている論文があった(Minimal Music in the Low Countries, Mark Delaere, et. al., 2004注12)。「弦楽四重奏のために」もやはり旋法というか変幻自在な音階で、対称構造を持つらしく前掲論文では譜例付きで詳しく論じている(きちんと読んでない)。不思議な感じの曲だ。Nettwerk 067003414357
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  49. * 激しく下降を繰り返す5拍子系の変拍子が艶めかしいワルツを経て調性的ノスタルジーとなるがまた目覚めて戻ってくる。「風、砂、星」弦楽三重奏版はその要素が急緩急緩急の5楽章に分けられる。「3つの翼」はA音のリズミカルな刻みから下降圧力を伴いつつ広がっていく。中間部は跳躍を持つゆっくりした瞑想。エネルギッシュではあるがややパターン化されている印象。Paladino Music PMR0079
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  50. * IaはVa、IbはFl、IIはVa+Guit、IIIはBFl+Va+Vc、IVはさらにGuitという具合に編成を変化させ、ギリシャ神話の海の精がいろいろなゆらめく音の絡み合いで描かれる連作。風奏やら微分音やらハーモニクスやらを駆使して寄せては返す音の波。「インテルメディオ」はIがBFl、IIIがBClの独奏にライブエレクトロニクスを加え暗闇の中の手探りというか宇宙遊泳というか特殊奏法が増幅され漂う。「涙の地球、朱色の光」はVc+エレクトロニクスで掠れたスルポンハーモニクスが滲んで広がる。ありがちかも知れないが面白い。First Hand Records FHR87
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  51. * ヴォイジャー探査機打ち上げ25周年を記念し、宇宙からの電波を音にして集めたカセットテープからサンプリングした素材と弦楽四重奏を組み合わせ、一部合唱(さらに断片的ナレーション)も加えたもので、映像も用いた形で演奏されたという。音楽としてはミニマリズム的な単純さを基調に雑多な寄せ集めであまり見るべき(聞くべき)ところはないが、まぁ珍しいものではある。Nonesuch 075597925852
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  52. * ハーモニクスと細かな動きという2つの線が次第に交わる。アロイス・ブレーダーの「光線。光」はもごもご鳴っていた音が成長するというか。ウルリヒ・レインデッカーの「3つの夜想曲」は旋法的なゆっくりした動きで繊細に描かれる情景。マイケル・ウォーレン・バレットの「海―静」は途切れ途切れに鳴る音。シドニー・コーベットの「ガートルードの妄想」はハムレットの母を題材に分裂した儚い音が。ティーモ・ヨウコ・ヘルマンの「オルフェウスの竪琴」は伝説の最後ヘブロス河あたりが題材という謎めいた音。うっかりするといつの間にか終わっている地味目のギター曲集。Musicaphon M55726
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  53. * 福田万里子の詩によるア・カペラ混声合唱で、穏やかながら和声はかなり凝っており流れも自在な感じ。「五つの日本民謡」はベタな編曲ではないがやはり良くも悪くも民謡。谷川俊太郎の詩による「宇宙への手紙」は3曲で武満風の和声に高田三郎のような分かりやすさといったら失礼か。ふーむ、こんな曲も作るんだ。同「地球へのバラード」から第3曲《鳥》も。「子どもの季節」の8曲もその路線ながらよく聴くと手が込んでいるようである。演奏会ライブ。Nippon Acoustic Records NARC-2128
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  54. * 重く勿体つけた開始から自由に流れ始め細かい音形と調が複雑に組み合わされるがまた重いものが何度も戻ってくる。第2楽章はゆっくりながら重い要素の間で揺らめくのは同じ。コープランドの「ピアノ・ソナタ」も観念的でらしくない感じだが2楽章は生き生きしている。バーバーの「ピアノ・ソナタ作品26」もまた奇数楽章は重く引きずられる感じに始まり浮遊しても引き戻される。2楽章は軽やかなワルツ。終楽章の分裂気味フーガは面白いが煩い塊になだれ込んでしまうのは演奏の問題なのか1940年代アメリカンの音楽なのか。アイヴズの「3ページのソナタ」もやや物々しいが徐々に溶けて漂いしかし最後またヘビーになり突然ハ長調和音で終わる。Erato 190296348785
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