Planet masaka played list 2022-04


  1. * Vn+Va+Vcの弦楽三重奏で一部微分音も含む不協和音が低音域から重心を上げて行き幅広い分散音となって交錯する。「自然な知性」はVn+Pfでグリッサンドや重音のPizz&弓奏に四分音ピアノのような(と思うのは弦の微分音による錯覚?)不思議な音と内部奏法も。「非物質的な生存のための研究」はVn独奏で空白をたっぷり取りながら不協和な重音をじっくり響かせつつ時どき鋭く激しい動きを組み込む。「色は灰色への道を失った」は打的な要素をふんだんに散りばめたギター独奏2章。どれも面白い。Da Vinci Classics DV-C00404
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  2. * どこかの民族音楽なのか癖のある旋法にグリッサンドを織り交ぜて迫ってくる“川”という副題の緩急急緩4楽章。「ヤァ・アサンテワァ」はガーナ南部に存在したエジス王国の王母の名ということで、その地方の素材によるのかエキゾチックなVn+Vc+民族打。「マーサ・ブラックのリール」はVn+プリペアドPfでアメリカ南部のフィドルみたいな。「鐘」はイージーリスニングみたいなアルペジオだけのPf曲。Centrediscs CMCCD29522
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  3. * 重苦しい不協和音からやや歪なリズムの新古典調また神秘的な不協和コラールを経て自由に開放された感じに締めくくる4楽章。ニールセンの「前奏曲とプレスト」は二度の重なりから上下に運動し広いアルペジオに至るVn独奏。クラース・デ・フリースの「戻り…再び始める」はハーモニクスを多用しながら自在に伸び縮みするVn+Pf。「鏡の宮殿」という9部からなる大作の第4部だという。ジョン・ケージの「夜想曲」はゆっくり静かで繊細な小品。7 Mountain Records 7MNTN035DIG
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  4. * 第2番は二度でぶつかる不協和音を強調しながらボヘミアの香り濃い3楽章。第3番もやはり二度隣接が頻繁に用いられさらにグリッサンドや大きな跳躍でエネルギーがほとばしる。こちらは4楽章でピュリッツァー賞受賞作品。「スロバキアの喚起」はCl+Va+Vcで戻ることはないと考えた故郷の民族音楽を素材に生き生きとまたしみじみと歌う急緩急の3章。Phoenix USA PHCD113
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  5. * “カフェ風から厳密な十二音技法まで多様なピアノ技法と音楽様式を探究”したそうで、ぼんやり聴いているとロマン派的調性曲ばかりと思いかねないがいろいろある。サミュエル・バーバーの「ピアノ・ソナタ作品26」は音列などを用いた特徴ある響きに軽やかなワルツや半音階的瞑想そして難易度高いフーガを備える4楽章。Phoenix USA PHCD105
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  6. * 第1番は各種の銅鑼や鐘太鼓、金属打楽器などを4人で操り、4,3,2,3,4を単位とするリズム構造を持つ。第2番はプリペアド・ピアノ(PP)を加え音階のある銅鑼(muted gong)がスチールドラムのよう。リズム構造は4,3,4,5。第3番はより推進力がありリズム構造も複雑になる。「心象風景第2番」はさまざまな音程の缶の乱れ打ち。「アモール」はPP、9太鼓、ウッドブロック、PPの4章。「彼女は眠っている」は12の太鼓四重奏の後PPと声のデュオ。さらにルー・シルバー・ハリソンとの共作「二重音楽」はシストラムとかブレーキドラムとか書いてあるが映像を見るとガムランや音階銅鑼も。Wergo WER6203-2
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  7. * 初期の軽やかながら早くも“移調の限られた旋法”はじめ特徴の萌芽があるPf独奏曲。以下は混成ア・カペラ合唱で、ラヴェルの「3つの歌」はルネサンス期のシャンソンを模しつつモダンなお伽噺風。ドビュッシーの「シャルル・ドルレアンの3つの歌」は中世フランス詩人のテキスト。ミヨーの「ヴィーナスの誕生」はシュペルヴィエルの詩による4曲。プーランクの「7つの歌」はアポリネールとエリュアールの詩でやや古風な作りとモダンで軽やかな曲が入り混じる。Phoenix USA PHCD139
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  8. * 増強Pf(プリペアド)+EG+EB(一部はCbか?)+2打の多彩でプリミティブな音とともにBarがロルカの詩を語り歌い、あるいは叫ぶ。第2曲「暗い鳩のカシーダ」は太陽と月、最後第4曲の「水で傷ついたカシーダ」は節約された音が暗闇を彷徨うよう。ロジャー・セッションズの「室内小協奏曲」は乾いた音のフレーズがやや壊れたような形で組み合わされていくシュールな感覚の急緩急3楽章。Phoenix USA PHCD137
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  9. * 第9番は六度上昇から順次下降する主題のしっとりした序奏、同じ主題のアレグロ、裏返しのような半音上昇からの第2主題、そしてこれらの主題がゆるやかなワルツや速いフーガとして展開され最後に「希望の歌」となる単一楽章。第8番は「ハイドンへのオマージュ」と題され速く密なソナタ、寂しい夜想曲、ハイドンの主題を用いた変奏曲とフーガの3楽章。第7番は暗めの色調の「厳粛な変奏曲」で単一楽章。新ロマン主義というか明確な調性はなく不協和音もあるものの柔らかい肌触り。Klarthe Records KLA113
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  10. * なかなか揃わないA音が更に分散していく金管に始まり、Ob+打の禅問答、ケージもどきの打群、Piccのみの合奏、スルポン+ハーモニクスからグリッサンドまでの弦合奏、Tp+Cbのフリージャズ、任意の木管群即興という7章からなる連作。奇数楽章は北東南西の四方、偶数楽章は地天央のトーテムとされ、メソアメリカ的な伝統要素を背景にするという、なかなかの破天荒ぶり。New Focus Recordings FCR321
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  11. * 民族風の旋法を用いゆったりした歌と速い舞曲のチェロ独奏曲。ミゲル・バレイレスの「3つのタンゴ風前奏曲」はオーソドックスな深々としたアルペジオがいつしか姿を変えピアソラをも思わせる情熱の歌に。マルコ・ノダーリの「二元論と対照論」は打楽器的用法やPizzを組み合わせながら比較的シンプルな動きが展開する。リゲティの「無伴奏チェロ・ソナタ」は民族色と技巧が高度に融合したもちろんの名曲。ガスパール・カサドの「無伴奏チェロ組曲」も滋味あふれる1926年の名曲。Da Vinci Classics DV-C00394
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  12. * 2BFl+2AFlの露草に埋もれたようなたゆたいから2Piccまで用いたきらめく波まで蝶が高低に飛ぶような。「記憶」は3人の声がそれぞれ打を手にふわふわといろいろな声音で交わりながら高まっていく。「開け、夜よ」はSop+オケでネリー・ザックスによるホロコースト、よりよい未来への決意などをテーマとする3つの詩を歌う。「交響曲第3番」は天地人の3要素を描くという単一楽章。「序曲」は静かなうねりが徐々に拡大していくが混沌として煩めの部分も。Int'l Isang Yun Gesellschaft IYG002
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  13. * やや思い詰めたような濃密な線が微妙に色彩を変えながらポルタメントでくねり時折トリルなど細かな音が絡む2章。「印象」はFl+Ob+Vn+Vcで江西大墓の壁画からインスピレーションを得たという生き物のごとく靭やかな絡み合い。「Fl+Ob+Vnの三重奏曲」は弦のポルタメントだけでなく管も長い音を微分音的に上下させながら重ね細かく動き始める。「中国の絵」はFl独奏で水墨画的とでもいうような自由な4曲。Int'l Isang Yun Gesellschaft IYG001
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  14. * Vn独奏とライブエレクトロニクスで、弦の生み出すさまざまな表情の音形が金属打楽器の波のように変換され雨水の滴りのようなパルスとともに空間を彩る。2012年。サーシャ・J・ブロンドーの「アトラスII」も同じ組み合わせでVnの音はより鋭くハーモニクスやスルポンを駆使しエレクトロニクスはさらに幻想的。2019年。ブーレーズの「アンテーム2」は1991年のVn独奏曲をエレクトロニクスとの協奏版に発展させたものでPizzやグリッサンドがエコーのようになって包み込む。1997年。Klarthe Records KLA110
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  15. * Fl+Cl+Vn+Vc+Pf+Marb/Vibでいろんな旋法的上下を重ねながら雲の色を捉えようとする。「隠された」はBCl独奏でさまざまな技法を用いて広い音域を上下する。「J.H.」はCl+Vcで半音のくねりや気紛れな躍動や歌など微妙にすれ違いながら寄り添う4章。「一日だけ」はFl+Clが寄りつ離れつ即興的でリリカルなデュオ。「ボク」はBCl独奏で初演者の名前から。「友好的な対話」「デュオ」は2Clのデュエット。「独奏の技法」はフーガの技法からの3曲をCl/BCl独奏でという試みでBClの音程が不安定なのが残念。Columna Musica 1CM0368
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  16. * BCl+Guit+打+2Sopで執拗に反復されるE音を中心に上下しながら古風な歌。「クロノス」はFl+Cl+Vn+Va+Vc+打に変速調弦Guitでプリミティブな要素を連ねるホーキング博士へのオマージュ。「ラプス」はAFl+Ehr+Vc+PfにSopが古代呪術的な感じで長い音を紡いでいく。「宇宙のリンク」はClにVib+Marb+HpとVa+Vc+Cbという二群トリオがゆったりとした動きで響き合ういわば合奏協奏曲。「モイラ」はFl+Cl+Va+Vc+Hp+打に3Sopと語りでアレクシス・ペレティエの詩による運命の三女神の重々しいモノドラマ。語りがちょっと鬱陶しい。Da Vinci Classics DV-C00374
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  17. * Fl+Cl+弦5にVibを加えた響きを生かしながら時折アクセントを打ち込みつつ靭やかにうねる。「弦楽四重奏曲第1番」はラーガの5音に基づくスペクトラムにPizzやグリッサンドで。「同第2番」は強弱Pizzやら全音音階的旋法やらを組み合わせる緩急緩急緩の連続する5楽章。「4つの小品」はCl+Pfで作曲者の名前の文字から作ったという6音音階。「6つのミニチュア」は異なる中心音と性格がクラム的内部奏法や隣接不協和音などで繋がれる。「カントゥス・フィルムス」はAccrd独奏で7音の定旋律、「パルティータ」はFg独奏で十二音技法的主題の変奏。Phasma Music Phasma043
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  18. * 第6番は1966年でオクターブ跳躍シンコペーションから始まる。第7番は67年でやはり大きな跳躍で下降するかと思えば上昇する。(第6~8番はベトナム戦争三部作)。第9番は78年で短い準備の後一気に駆け下りる。ブレイクの『虎』に触発されたという。いずれも急緩急の3楽章でセリーあるいは十二音列による。Phoenix USA PHCD172
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  19. * 木5でハーモニクスや息音とトリルを多用して森の物語を描く5章。パウル・プロイサーの「5[+1]」は木5にオプションのTpを加え揺らめく6連符連続や魔法の沼やすばしこい小人やら。ニコラ・コウォジェイチクの「急上昇反転」は木5+BClで上昇6連符が踊りのようになったりコラールや神秘的な歩みや声と同時発音する奇声などの4章の物語。 CDAccordACD292
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  20. * スルポンで叩きつけグリッサンドが飛び交う激しい出だしからD音を様々に奏したり鋭く目まぐるしい緩急や密集不協和音などの挙げ句最後は絶叫からVcがC線をどんどん緩めて沈む。イワン・ヴィシネグラツキーの「四分音の弦楽四重奏曲第2番」はジグザグ下降して上昇するモチーフが溶け出して踊り次いでゆっくり分解される中間楽章を経て速い楽章で四分音がより強調される。アルトゥール・ルリエの「弦楽四重奏曲第1番」は神妙に始まりながら徐々に不協和が入り込み明暗を揺れ動く遅めの2楽章。そしてスクリャービンのピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」をSQに編曲して。Genuin GEN22745
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  21. * BClの独白に始まりVcが加わって野性的エネルギーとでもいうか大きく運動上下する土の香り。以下も基本的にCl/BCl+Vcで、コーネリアス・ブーツ「カラスの洞窟」はワイルドな動と静が交互に。マーサ・レッドボーン「黒い山が呼ぶ」はアパラチア民謡の響きで声も入る。ナタリー・ヨアキム「ラリン」はハイチの農場の星空でという夜想曲。大倉めぐみ「ファンタスマゴリア」はVnが加わり5+4の少し崩れたリズムでゆったり楽しく踊る。ファンタスマゴリア「スナップショッツ」はPfを加えたトリオで細かなパルスの上でのジャムセッション。Bright Shiny Things 738715292457
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  22. * Fl+Accrd+笙で音が広がっては柳のように垂れ下がる。「綱渡りの行為」はVn+Vc+Pfで(かつての)WTCツインタワーの間をフィリップ・プティが渡ったことから生まれた神経質な動きや揺るグリッサンドなど。「風の傷痕」はAFlで風奏、重音などを組み合わせ忍び歩き。「陰鬱にガラスを通して」はCl+Tp+Accrdでノルウェーの登山電車が駅を出て光から遠ざかる印象なのだと。「存在の基盤」はFl+AFlで互いに共振したりずれたりして進んでいく。「力の中の反応」はOb独奏でハーモニクス重音など駆使。Kairos 0015055KAI
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  23. * I~IVはFl、Vc、Cl、SopとPfのデュオ、VはPf独奏、VIは全員集合にCbも加えたアンサンブルと編成を変えて、調性音楽くずれというか、六人組風のスタイルにひねりを加えたような6曲。「映画音楽作曲家としての貌も大きい…彼のモダンな側面」(沼野p56)。Erato 190295507657
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  24. * 木4+2Hr+3Vn+2Va+Vcの11楽器でトリルを多用した歪な感じの断片が神経質にやり取りされる。「贈り物」は2Ob+2Fg+2Hr+Trb+Hp+3打の12楽器で木管の乾いた細かい音から徐々に音色を変化させていく。リゲティの「練習曲集第1巻」は高難度でさまざまなスタイルのPf独奏6曲。「ブラームスへのオマージュ」はVn+Hr+Pfで上昇モチーフを軸にした超絶技巧の応酬。Erato 190296220395
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  25. * 魔術的で妖艶なSSaxがゆらゆらと連なる。ナディア・ヴァッセナ「ミュート・マテリー」は抑圧された微分音的→一部ライブEで?ジョルジョ・ネッティ「ウルティモ・ア・ラート」は細かい装飾音に彩られ。シャリーノ「歓喜の歌」は歌劇からの編で微細に揺れ動く線。J.S.ベルドデュ「ミラル」は密やかに。ベリオ「セクエンツァIXb」はAS低音域から微細に。J.L.トーラ「失われた空洞のwq.132」はCPEバッハへのオマージュ。A.パウル「キメラと幽霊」は録音再生と、J.テニー「サクソニー」はE♭音スペクトラムを軸に多重化。J.ハーヴェイ「ある旋律のリチェルカーレ」は5声フーガを圧縮。C.A.M.サン・フアン、G.アロンソのは汚い音。 IBS-222018
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  26. * Fl+Cl+Vn+Vc+Pf+打でくすんだ色調の和音の上に繰り返し上昇するモチーフが現れる。ジョシュア・ブレルの「ロアノーク」は16世紀の植民地での別れの物語だという何だか土俗的な香り。デイヴィッド・T・リトルの「デスカンソ」は各楽器がそれぞれ物悲しい旋律を訴え合う。ランジング・マクロスキーの「レクイエム2001」はミニマリズム風楽章と持続音に不規則な不協和音や揺らぎの合いの手の入る楽章が2対置かれ中間に即興的でかすれたVnの独白が挟まれる。Centaur CRC3689
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  27. * 副題“夏の夕べ”で少し民族的香りもする旋法で始まる5楽章。2、3楽章がスケルツォ、4楽章が精妙かつ力のあるアダージョ、終楽章は冒頭を裏返したような流れからプレストへ。エイドリアン・ウィリアムズの「弦楽四重奏曲第4番」は雄弁なユニゾンを度々用いながら高い強度を保つ1楽章、ゆっくりと漂う2楽章、スケルツォを兼ねるような速い躍動が前2楽章の残像を巻き込んでいく終楽章。マイケル・バークリーの「オーボエ五重奏曲:峡谷に」は冒頭のEs-A-Desの3音から紡がれる絵画的ともいうようなロマンとモダンを揺れ動く。Signum Classics SIGCD350
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  28. * 自由な無調への移行期1909年に書かれた作品11で特に第3曲はあちこち飛び回り前衛性が強調される。「5つのピアノ曲」も同じ年の作品23で音はより硬質に響き第5曲では十二音技法が導入される。「作品33」は29年の33aと31年の33bの2曲で十二音技法が発展していく。「17のピアノ断章」は1900年頃から1933年に書かれた未完成断片でロマン派崩れのNo.1~4にはじまり無調的色彩を経て不思議なモードのNo.12のあとNo.13~17は作品33の頃の十二音技法という具合にシェーンベルクのピアノ音楽の変遷をたどることができる。Navona NV6214
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  29. * ゆったり目のテンポで細部を丁寧に弾いているため、意外なところが際立って面白い。第5番のスケルツォでは頭八分休符の分散和音がジャズとまではいかなくても踊るような主張で、思わず楽譜を見直した(念のため聴き比べたら他はほぼどれも背景の模様で目立たない)。バルトークSQを聴くこと自体久しぶりというのもあるんだろうか。2005年録音。Praga Digitals PRD250225D
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  30. * BFlの風奏やキークラップなどの音を縫うようにファンタジックな8チャンネル電子音がこちらが主役とばかりにきらめく。なかなか音色がよくマッチしている。併録第8番はスティーヴン・ドビンズの詩を歌うBBar、第7番はASaxとの組み合わせで、第10番は細かく動く電子音のみ。「…またある時は、距離」も電子音のみで宇宙ぽい硬質な幻想音。Ravello RR8063
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  31. * Vc+Pfでベタな民謡が基本だがテンポの速い奇数曲はそれなりに頑張っている。スティーブン・パウルスの「音楽の饗宴」も基本は分かりやすい調性的(舞)曲で少し伴奏と遊んだりはみ出したり。この2曲は演奏者に献呈されたもの。おまけ収録デイヴィッド・エヴァン・トーマス の「歌の土地から」はフォークソングの変奏曲で何も起こらないまま。パウルスのもう1曲「ベネディクション」も何も無し。 INNOVA033
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  32. * Fl+Cl+SQ+Pfで微分音もからめまずまず面白い。ジョン・カスケンの「冬の糸巻き」はFl+Cl+Vn+Vc+Pf+打で悪くないがちょっと軽い。トム・クルトの「2つのゲームとひとつの夜想曲」は内部奏法を含むPfとFl+Cl+SQ+打で良く言えば軽妙。アリッサ・フィルソヴァ「世界の歌」はSop+室内オケ。ニンフェア・クラットウェル=リードの「パットディープの研究」はシタール+室内オケでヒンドゥスターニー音楽の要素をというがエキゾチシズム以上のものは感じられず。あとターネジのつまらぬ曲。Psappha PSA1008
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  33. * Fl+Cl+Vn+Vc+Pfで平行移動で上下する儚げなモチーフがやがて活気を帯びる。Ten+アンサンブルの「私はプロメテウス」は隣接音やポルタメントをしなやかに、「たとえ話」はW.オーウェンの詩を繊細に表現。Pf独奏「暗い液体」「マクスウェル・デイヴィス追悼のためのレント」「回り道」は節約された音の小曲。「イクシオン」はPf+Cl+Vcが暗い色調で苦悩を劇的に描く。「柊南天稗」はVn+Vcが密やかな下降モチーフから急速な対話に。「トル・ペドン」はAFl+Vn+Va+Vc+打で侘びしげな情景を。南コンウォールにある岬の名前らしい。「秋」はVn協第2楽章のVn+Pf編曲で繊細から激情へ。Delphian 801918342585
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  34. * ハーモニクス/スルポンを駆使し硬質の厳しいアルペジオや微分音も含む切片。スリドゥル・ヨンスドッティルの「48の月の映像」は虫の声を背景に侘びた音。ハトルドール・スマウラソンの「O」は光と影の交錯を描いたという3楽章で音ならぬ音からノイズを伴う動きまで。ハブリジ・ハトルグリームソンの「ソリティア」はこの中では比較的オーソドックスな音ながら密度の高い5楽章。なかなか味のあるVc独奏曲集。Dorian Sono Luminus DSL-92229
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  35. * あちこち飛び散るような放射的ともいう感じの音が連なる第1番。その逆向きのようなジグザグな音の両端楽章の間に耽美的な緩徐楽章を挟む第2番。Ges-B跳躍から始まり動き回る両端楽章の間に大半が感傷的なのに部分的に溶ける緩徐楽章を挟む長大な第3番。1949~57年と30代後半から40代にかけての作品でオネゲルの香りもあるロマンと前衛の混合。CPO 999225-2
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  36. * Va+Pfで旋法的な節回しの情緒やグレゴリオ聖歌の引用から定まりなく跳びはねる気分までの3楽章。「私は叫ぶ - 夏 2020」はVn+Pfでより叙情的。「宣言」はアン・ウッドワードほかの詩を女声が歌いPf伴奏とVnの応答というかオブリガートが加わる。「湖」はTen+Pfが湖畔を散歩する様子を歌う。「すべての回線がまだ通話中」はVn奏者が電話の話者と機械応答を一人語りしながら楽器で皮肉っぽく気分を表現する(なおVnのMari SatoをNMLで佐藤麻理としているのはPf奏者と混同している可能性あり。麻里というVn奏者もいるが別人)。Naxos 8.559904
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  37. * Pfに別の微分音調律を重ねているのか。さらに作者自身が奏する電子音が空間を彩る(以下同じ)。チョイ・キョンメ「内なる空間」はVc。ジェフ・ヘリオットの「金属の光の束」はGlockがグラスハーモニカのように。ジェイソン・ボルト「目を大きく閉じて」はCl。ポーラ・マシューセンの「スーパーマーケットの雀」はリコーダー。アンドルー・シーガー・コール「未来派の警句」はミナ・ロイのテキストをSopで。ジョン・アップルトン+ポール・J・ボテーリョ「束で生まれる栄光の穴」は女声とPf。エリ・フィールドスティール「ちぎれ雲I」はTpでやや煩い。アシャ・スリニヴァサン「キールタナタ」はSax。SEAMUS Records EAM2013
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  38. * Vc独奏の様々な技法に合わせてノイズのコラージュ。マーク・エドワード・ギボンズの「擦る―反転」は増強Vn+エレクトロニクスで刻んだり反響したり。エリック・シャサローの「境界を越えて」はFl+電子音で忙しく動く。ジュディ・クラインの「元素1.1:硫黄、リン;ダイヤモンド」はコンピュータ合成テープ。トム・フラハティの「チェロとデジタル処理器のためのトリオ」はヴァレーズやバッハの要素を用いたVcの音がエコーする。ハワード・フレドリックス「大烏のキス」はブコウスキーの詩朗読の電子加工。ダニエル・A・ウェイマウス「もう一つのバイオリン」はMIDI-Vnと電子音。SEAMUS Records EAM1995
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  39. * この曲の楽譜は5-7-5と7-7の枡に点線と実線で区切られた「句」が36並ぶ連歌(つまり歌仙)で、そこにソローの自然スケッチからの図形が361点配置され、上に奏者数を示す数字と下に強弱記号が置かれている。しかもそこから(切り刻んで?)78のパート譜まで用意されている(初演はボストン響。従って奏者数も1桁から70以上まで)。楽器は指定されていない。ここではTrb/Tub+Pf/プリペアド+打+電子楽器の4人で自然音も交えている。そんな感じのワンダーランド。Da Vinci DV-C00357
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  40. * 硬質で微妙にずれる音の軽やかな舞いが打楽器的パルスへ。ジャン・パオロ・ルッピの「東洋の肖像画」は人物描写的。成本理香の「照らされた窓II」は跳ね回る響きの実験室。徳永崇「自己生成的な動き」は波打ち下降する動機からいろんな波が。山本裕之「無言歌」は少し壊れたアルペジオ。ソニア・ボー「波」は細かな音が降り注ぎ内部奏法もあり。アンドレイナ・コスタンティーニ「潮汐」は特殊な低音。小林聡「幻想」はラディカルな分散音。フィオレンツァ・ジリオーリ「もう一度」もメカニカル系。ファブリツィオ・デ・ロッシ・レ「7つの反復」はダンパーを上げて素朴な音に声も。Da Vinci DV-C00351
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