Planet masaka played list 2022-08


  1. * Va独奏が静けさの中にのこぎりグリッサンドを散りばめ最後はゴリゴリと木を切るような激しさに。「サイコグラム II」はCl独奏、「サイコグラム IV」はVc独奏で、同様の展開にそれぞれの厳しく切り裂く音色が。「クラリネットのための3枚の水彩画」は無音の中に少しDとEsが聞こえるI、細かい動きで浮き沈みするII、ハーモニクスの微かな音に揺らめきが続くIIIという短い3章。同水彩画は「アコーディオン、ピアノと弦楽三重奏」「クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノ」さらに「小アンサンブル」のためにも書かれていて、音も多様に演奏時間も長くなる。Kairos 0015066KAI
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  2. * SATB+高音/低音/Pf打の3群の器楽でエジプトで発見されたサッフォーの詩の断章をテキストに不協和音の長音と複雑な構造を組み合わせる。クルターグの「R.V.トルソワ女史のメッセージ」はSop+ツィンバロン+アンサンブルでリンマ・ダロスの21の詩を儚げにまた狂おしくあるいはコミカルにといろんな表情で描いていく。ジェラール・グリゼーの「モデュラシオン(変調)」は33奏者の器楽のみでE音上の倍音スペクトルに基づく音響が緩やかに変化していく。せっかくの組み合わせなのに録音(デジタル化)レベルが低くてもったいない。Erato 5054197165009
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  3. * 微分音調弦したチェンバロ、(スチール)ギター、マドリンにトイピアノ、弦楽器などが入り乱れてシュールな音の世界を繰り広げる5章。ハリー・パーチに影響を受けたというから43微分音だろうか。「育つ」(Toeënwâsのグーグル翻訳)はFlやTrb、それにAccrd、太鼓が加わり濃厚なノイズぽい音にときどき乾いたMrmbが不思議な対称をつくる。「沈黙がその背を破る場所」はFl+Cl+弦+Pfあたりのグリッサンドのオンパレードを妙な音程のPfが彩る。「メリッサ」は低音Fl群の揺らめきにギターが合いの手を入れ途中からTimpが乱入して独演会となるが最初の楽器群も戻って協奏。何かとてつもない。Passacaille 196626884954
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  4. * 木管+Hr+SQ+Pf+打のアンサンブルでハーモニクスや細い線の断片を組み合せるかと思うと最後はギシギシと舞曲風に。「6つのエレジー」はもう少し大きなアンサンブルで間欠的、動的、悲歌などいろいろな要素があり最後はバッハを材料に。「引っ張るTræk」はSQで細かな動きの間にクラッシュが混じりこみ空っぽの中間楽章を経てギシギシと躓きながらコラールめいた音が。「2つのルーペンティンの歌」はSopを加え儚く断片的な伴奏の上で語りのような歌。「フランチェスカの夜想曲」はFl+EHr+Vn+Va+Vcで低めの音域を中心に蠢きながらやはり一種の継ぎ接ぎコラール的な形に至る4章。Dacapo 8.226546
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  5. * Trb+Accrdで空間にまばらに漂う儚い存在を描く。「白と緑」はFl+Clでカルメン・ヘレラの同名の絵画によるタイトル。「ヘルダーリンなしで」はCb+Pfで切り詰めた音の緊張感。「反対の反対」はオケ+テープで古代エジプトの絵画とレリーフの方法を表すという。「ローズ・セラヴィ」も同編成でデュシャンの変名による分割窓がどうしたとか。「アイオン」は4Chテープによるシュールな音の大作モザイクでユングの《元型》概念を調性の機能と結びつけて考えるそうだ。「アルゴル」はその後書きというPf独奏でやはりユングと調性にこだわりがあるようだがもちろん調性どころかほとんど旋律もない。 NEOS12209-10
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  6. * SQ+バンドネオンでじゃじゃ馬的要素のあるタンゴや妖艶あるいは頓狂なミロンガの3章。「ポラコ」も同編成で無機的な音響からタンゴ、ポーランド風舞曲まで。「シュケリピ」はヤン・エーリク・ヴォルの同名詩集のテキストをBar+Vc+Pf+バンドネオンの起伏ある7曲の歌曲集に仕立て終楽章ではルースク(lurk)なる珍しいリズム楽器(Vommol Spellmannslagの開発)も。LAWO Classics 7090020182629
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  7. * Pizzとグリッサンドが勢いよく飛び交う中に民謡的要素から導かれた旋律断片が散りばめられ、後半楽章では捉えどころなく姿を変えつつゆっくりとくねりながら進む。「テーセウス」はSQ+Hpでグリッサンドの導入から中間部では分厚く歌う物語へ。「美女と野獣」はSQ+MSのドラマでなかなか劇的。ATMA Classique 00722056605526
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  8. * Picc+2Fl+AFlの四重奏でアルペジオの重なりをずっと反復する、何となく清々しい。武満徹の「遊歴者」「エア」はゆったりした双子のような、「声」は風奏や掛け声も含めた動的なFl独奏。ベリオの「セクエンツァ I」はシリーズの出発点となる1958年作品。エドガー・ヴァレーズの「密度21.5」は初演者が世界ではじてて用いた白金Flにちなみその密度。ライナルド・アルセノーの「幸福」はゆるゆると続く。フィン・モッテンセンの「無伴奏フルート・ソナタ」は序奏-アレグロ、主題と変奏、軽やかな終曲の3楽章で1953年。ATMA Classique 00722056603522
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  9. * Fl+Vcがトリルや細かな上下進行の動きに緩急をつけながら標題の地に住む鳥たちを描く。デイヴィッド・メッテンスの「アバロック・スケッチ」はFl+VcでPizzに乗ったゆるやかな歌から特殊奏法の掛け合いまでの4章。デイヴィッド・リプタークの「2つの夜想曲」はFl+Cl+Vcでパントマイムを思わせる少し奇妙なゆっくりした遊び。マーガレット・ブラウワーの「恐れ、隠れ、戯れ」はFl+Cl+Vcで標題のようにやや悲しげで神経質な絡まりから解き放たれたような流れる動きへ。New Focus Recordings FCR339
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  10. * 派手な振る舞いをせず日本風というかややアンニュイな音律で形になりきらない音がじわじわと積み重なりやや騒々しくなったあと最後5分程はPfのみになって消えていく。「ゲッセマネの夜に」はジョットの『ユダの接吻』からのインスピレーションによる音画。「交響曲第1番」は指向性のはっきりした構築の1楽章、Fl独奏に始まりHpが琴のような緩徐楽章、うねうねとした無窮動が発展していく終楽章。1曲めはちょっとオケが不安定だが仕方ない。MClassics MYCL-00030
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  11. * 18弦楽器オケがグリッサンドを駆使しPizzとコル・レーニョが散りばめられる。「クラーネルグ」は4部から成る75分のバレエ音楽で23人のオケにテープを加え管の連打や弦の金属的な音が炸裂する。「オレステイア」はアイスキュロスの悲劇に曲をつけた3部作。「メデア」はCl+CFg+Trb(+Vn?)+Vc+打と男声合唱でセネカの詩を原始的な感じで。「モントリオールのポリトープ」は4群の管弦楽のための音と光の情景だそうで刺激的な高音が続いたあと後半は薄まってかすれたノイズのようになる。1959年~60年代の強烈な作品集。Erato 5054197166907
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  12. * 25の弦+打で、2層に分けられた群がトレモロでうねりながら次第に接近するアンティフォナと、調弦のような無秩序から始まる12の詩節から成るシュトローフェで構成される。「日は沈む」はニーチェのテキストをBarが歌いマーラー風でもある繊細なオケが伴奏する8つの断片。さらに「5つの断片」「接近と沈黙」「サティヤーグラハ」と続くはずだがNMLでは欠落している :( →権利の問題なんだそうだ NEOS12216
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  13. * Pf+打で低音域の即興。同じ編成の「得点時間」は儚く「シュラクル」はモダンジャズ風。Fl+Va+Pf+打の「深夜」「カルーセル」は神秘的、「ウィーンからの伝言」は動的、「脆い静けさ」は少しフリージャズ、「さよなら」は素朴さにいろいろ闖入。「トリド四重奏」はFl持ち替えのショームを加えた即興的。「銀食器」はVa+打、「息を止めるな」はFl+打、「ひょうたん笛の踊り」は民族楽器。 NEOS12115
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  14. * Cl+SQで大きな上下やふわふわした揺れ動きや民族舞踊風の3楽章すべてグリッサンドを駆使し物理学者ニーマ・アルカニ=ハメドの授業での重力と時間を描くという。「イントネーションズ」はSQで魅力的な和音を靭やかに妖艶にジャズ風に。「トラキアのスケッチ」はCl独奏でブルガリアのトラキア民謡を素材にしたくねくねとした無限旋律がどんどん複雑になる。「Vn練習曲集」は表情豊かに軽い遊びから渋い声まで5曲。あとEGuitとSQの「リトルネッロ」も。Naxos 8.559912
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