Planet masaka played list 2022-09


  1. * 微分音のプリペアド・ピアノが無機的な断片を繰り出す間にコラールめいたものを挟む。「脱出」はAccrdにかけ声。「ことわざ」はヴーク・カラジッチのテキストを歌うSopにVn+Vcでクロアチア民謡素材か。「次元」はAccrd+SQで衝撃とノイズ。「ドレカヴァク」はPiccが神話上の生き物に呼びかける。「ウル・ラ」はSopと独奏Vnのやり取りの背後でハーモニクス弦楽がうごめく。「無効」はノイズ的弦楽合奏。「トリコルド」はVa+Accrd 「核拡張」はわざとチープなビッグバンドという感じ。Ravello Records RR8075
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  2. * 半音+五度上昇のモチーフを圧縮したり反転したりしながら絶えず繰り返し圧力が変化する1楽章、半音上昇を装飾にしながら錐揉みが絡んでいくプレスト、半音下降から組み合わせを変えた動きにFの4連符が呼応する3楽章、半音階の上下が複雑なジグザグ走句の組み合わせに発展する中で半音上昇から始まるH-C-D-Eがはっきり姿を現してくる終楽章。併録「15の弦楽器のための協奏曲」は静かな動きの中に半音上昇で始まったりドリア旋法だったりする早い動きが随所に現れる3楽章。Toccata Classics TOCC0636
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  3. * 讃美歌アメイジング・グレイスを主題にした変奏曲で素直に始まりながら徐々に音をずらし崩れていく。手法としては分かるがよほど正確な音程で弾かないとただの下手な音の塊になりかねない。「弦楽四重奏曲第9番」も穏やかそうに見せかけながら微妙に音を狂わせるのだがただ音を外しただけのように聞こえてしまう。Fl+Cl+Fgを加えた「フルスコア アショカン」はジェイ・アンガーのフォークソングによる変奏曲で最後だけ崩すが全体として凡庸。MicroFest Records MF23
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  4. * チャールズ・フレイザーの「冷たい山」に基づく自作オペラを素材にしたという民謡風な音律が展開していく単一楽章。何だか響きがくすんでいるのは演奏の音程なのかそもそもそういう曲なのか。ジェロッド・テイトの「ムーンストライク」はアポロ11号の月面着陸50周年にアメリカ・インディアンの話を描いたジェロッド・テイトのテキストによる音劇でインディアンの伝統曲の素材と音律を用い場面が描かれる。ピエール・ジャルベールの「北の精神」はフランス系カナダ人の民謡に基づくというエキゾチックな感じの3章で中間には素朴な民謡歌唱、終楽章にはハーモニカのテープが挿入される。Azica Records Azica71352
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  5. * 低音HとBの往復をモチーフとするエピソード「A」が6箇所に散りばめられ、その間に「B」~「G」までの異なるタイプのエピソードが配置される全19楽章。「E」は3通りあるのに「G」は1回だけとか「C2」は2分割され「A5」が割り込むとか形は様々だが、どれも短い。反復の間に複雑なうねりが挿入されたり、軽やかに戯れたり。Praga Digitals PRD250207D
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  6. * 「アクエリアス」の副題を持ちグリッサンドを多用してくねくねする単一楽章。「合い」は魅惑的な響きの笙の独奏。「ダッシュ」はAFl+Guitでゆるゆると水が流れるよう。「浮遊するホタル」は儚げなHp独奏。「竜」は力強いアルペジオから流動していく箏独奏。「さかな」はBClがハーモニクスを駆使してゆらぐ(原曲はTSax)。「エレ」はナチュラル・ホルンの超絶トリルで始まる。「カッティング・スカイ」は三味線+琴。「無限の弦」は生命の始まりだという弦楽合奏。「月」は琵琶+VdGambaという凝った取合わせ。思いつき以上かどうかはいろいろ。Minabel MIN112
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  7. * ハーモニクスを多用する高音での戯れからまたたくライトのような妙にスタイリッシュな模様が現れたかと思うとすぐまた虚ろなスクラッチからねずみ花火のような細かな渦巻きとグリッサンドに。「もう一つのヴィサス」もやはり鋭く飛び交う硬質な高音から始まる3章。「通過する場所」は掠れる空虚和音をまたいでのアルペジオが動きを速めたりPizzを交えた音律になったり。「別の場所」は外れ音を含むガラスのような音をモンテヴェルディのマドリガル様式にのせてみるという不思議な5章。この数日こればかり聴いていた。Kairos 0015091KAI
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