Planet masaka played list 2023-06


  1. * Es-E-Aの3音で海だという動機がアジアの音階やドリア旋法につながりゆったりした流れの中に打撃音を交えながら景色を描く。ホセ・ルイス・ウルタド「大胆でほとんど耳障りなジェスチャー」は静かな隣接音の流れに急速に回転する物体が時々投げ込まれるような。ルカ・アンティニャーニ「カーニバルの葬儀」はイタリアのリグリアの民謡に基づくという暗く静かな旋律が徐々に力を吹き込まれてネズミ花火のように動き出すが最後まで遠慮がち。ステファン・イップ「一筆(Yi Bi)」は点を穿ち線を引くという筆の動きに触発されたというがかなり細かく忙しい動きも含む。ATMA Classique 00722056621229
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  2. * 冒頭から密度の濃い不協和音と音圧を様々に変える弓の組み合わせで鋭い音が次々に湧いてくる感じ。チョ・ウンハの「弦楽四重奏曲第2番」はゆっくりした造形に微細な襞がたくさんついている部分と精妙な和声を押し伸ばしながら彩る部分からなる単一楽章。マレーシアの作曲家タズル・イザン・タジュディンの「装飾の仲介」はイスラム美術学者オレグ・グラバールの書物に触発されたという全編スルポンで細かく半音階的に動き回る。アレクシオス・ポルフィリアディス「ドローメナ」はさまざまな長さやスピードの音楽的定式を演奏者が選んで組み合わせひとつの宗教的/魔術的儀式を構成する。ATMA Classique 00722056617222
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  3. * 4つの独立したSQ曲のチクルスという形で、「黄金の山」(Mons aureo)は高音ハーモニクスの重なり、「動的な深淵」は半音階的にねじれる不協和音がつくるダイナミックな対称構造、「網目状」はPizzの細かい断片がH音を中心とする薄い反復の間に積み重ねられ、「ソロス」はハーモニクスのグリッサンドを縫うようにさまざまなテクスチュアが散りばめられる。Kairos 0022014KAI
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  4. * Guit+プリペアドPf+打はウォルト・ホイットマンの詩「騒がず辛抱強い蜘蛛」から着想を得たという微分音も含むそこはかとなく漂う8章。「とても星によく似たスタート」はFl+Ob+Cl+弦4+Pfによる軽快なカプリッチョ。「金に塗られた木」はランドール・ポッツの連作詩からのインスピレーションによるFl独奏。「汝の時間を止めよ」は17世紀の英詩の断片をTenが歌い4木+Tp+5弦+Hp+Pf+打が囲む4章。魔術っぽいとでもいうか。New Focus Recordings FCR372
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  5. * 1994年に書かれた最初のVn協奏曲で、神秘的な表情の独奏にオケが加わって起伏のある展開から劇的な色彩を増していく2章。「はるか遠くのあなたへ」は2000年の歌劇「はるかな愛」終幕アリアをもとにした短いVn協奏曲でサーリアホらしい硬質の輝き。「円周写像」はルミの6つの詩の朗読がエレクトロニクス処理されて織り込まれる作品。「雪」はVcの音を倍音を駆使しながらさまざまに重ねていく5章でここでは12Vcでの演奏。BIS BIS-2402
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