music & knowledge sharing
Planet masaka played list 2023-12
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コリン・ロシュ:
コップの水の第二状態
(チョウ・シャオウェイ)
BFl独奏でブツブツに切れた断片音やら息を呑む音やら。「エロティックな試合」はCb独奏でのこぎりのようにゴリゴリ(駒の向こう側を?)弾いたり叩いたり。「歩みの中で (あるいは永遠の未完成)」はVc独奏で無音の中にポツリポツリPizzやらスルポンやら小声のおまけやら。「興味(フリントの唇)」はPicc独奏で擦ったり咳をしたりますます奇妙な音遊びを思い出したように。全編強烈な、ただし禅問答のような特殊奏法。SOOND
SND20004D
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エリス・ハリク:
波の中で生まれて
(クレメント・パワー+アンサンブル・ムジークファブリーク)
BCl+Tp+Tub+弦3+Pf+打で冷たい風が吹きすさびギシギシと波打つ荒海。「ある道は常に影を通り抜ける」はB/Fl+BCl+弦4+Pfでうねうねと半音階的に上昇を繰り返す。「ストイケア」は2Vnと弦楽の協奏曲で古代哲学者の教えだと。「木になること」はB/Fl+B/Cl+Vn+Vc+PPfで奇怪な音がゆっくり蠢く。「しかし幸せな人々や~」はSop+B/Fl+ライブE。「最初の音に触れつつ」はASax独奏にFl+Cl+弦3でくねくねと。「衝撃」はVc+Cbが胴を叩きながら。「白鳥のように」はFl+BCl+弦3+Pf、「上に」はFl+Cl+Vn+Vc+打+シンセ。Kairos
0022024KAI
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ジョージ・クラム:
ツァイトガイスト
(清水美子)
増幅ピアノ2台のためのとあるが多重録音を用いてひとりで演奏している。冷たく幻想的で水が滴るような響きに複調のアルペジオや内部奏法、プリペアドの音が加わる6章。5楽章のグラスハーモニカみたいな音はどうやって出すのだろう。マクロコスモスIV「天界の力学」も連弾曲で半分はプリペアドした音でケンタウロス座アルファ星、白鳥座ベータ星、りゅう座ガンマ星、オリオン座デルタ星を描く。「別世界のロマンス」はEs-F-Cis-Esのモチーフがゆっくり動く周囲でさまざまな出来事が起こる1章、5連符の動きの2章、羊皮紙の音表現だという3章。Kairos
0022012KAI
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ジョン・アイルワード:
歌劇「忘却」
(ストラティス・ミナカキス+ニーナ・グオほか)
独唱ST2BにVn+Va+Cb+Guit+電子楽器という小さな編成の1幕6場の室内オペラで、主人公の2人の放浪者はダンテ「神曲」煉獄篇の語り手と関係しているという。独奏楽器がいろいろ活躍というか効果音や状況表現に駆使されていてけっこう面白い。舞台は小劇場的な雰囲気なのかな。New Focus Recordings
FCR370
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ヤン・ミュラー=ヴィーラント:
カプリチェッティ
(黒江尚子)
やや虚無的で急ぎ足なモチーフから気分が次々に変化して音もそれに連れて複雑になったり荒々しくなったりもする短い断片集で、結構動きのある8曲のサイクルIと枯れた滋味のある6曲のサイクルIIからなる。「外傷と背骨」はずっと激しく不協和音の連発で始まりその合間に少し見通しの良い空間や素朴な曲のパロディぽいつくりが挟まったり。前者でもたまにあったが、隣接不協和音の分離というか配分が(特に強打で)曖昧なため何がいいたいのかよく分からないのが気になる。NEOS Music
NEOS12317
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マイケル・ティペット:
青いギター
(ノーバート・クラフト)
ピカソの絵に触発されたウォレス・スティーヴンズの詩からさらにティペットが触発されたというギター独奏のための繊細な3章。ベンジャミン・ブリテンの「ダウランドによるノクターナル」は歌曲集《来たれ、深き眠りよ》の素材による7つの短い変奏と下降する6音を用いたパッサカリア。レイモンド・マリー・シェーファーの「マーリンの叫び」はアーサー王伝説の魔術師が文明化で森が失われると発する叫びを様々な技巧で表現した6曲で5曲目からはテープの音も交え最後は鳥の声も聞こえる中で静かにゆっくり消えていく。Chandos
CHAN8784W
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