ダスビ第10回演奏会。ショスタコ7番が描いたとされる戦争の恐怖や悲惨さは想像も及ばず実感として表現することはできないので、怒りのエネルギーでテンションを高めて演奏しようと試みた。しかし結局G.P.が頂点で、今日は親しい人と挨拶したり食事したりするうちに角が取れ、普通の一所懸命ゴリゴリ弾く演奏にとどまってしまった。汗だくの大音響では届かないものは何か。ビオラの旋律を支えるハープの長い和音は、時の流れを止めてしまうかのよう。それに寄り添うベースのピチカートは、魔法がいつか解けることに気付かないまま歩むかのごとく、美しく、悲しい。
前プロのモソロフ「鉄工場」は、客席も含めて異様な盛り上がりを見せた。位置的には、棒は練習の時より遙かによく見えたが、フレーズはやはりわからなかった。