今回のディマンシュ定期演奏会は、サン=サーンスの交響曲3番レスピーギの教会のステンドグラスというプログラム。で、メインは実はレスピーギなのだが、自分にとってはサン=サーンスがなんと言っても目玉である。

手元のスコアには、1979年6月購入という書き込みがある。「オルガン付き」のマイブームは、ほぼ四半世紀前にさかのぼるわけだ。高校の先輩と最後のティンパニがカッコイイと盛り上がっていた(先輩は打楽器)のがきっかけだと思う。中学時代の友人がN大学の定期演奏会でこの曲のClトップを吹くことになって、とにかくリズムが難しいとよく聞かされたので、何がどうなってるんだとスコアを買ってみた。楽譜を見て、なるほどこれは手強い、と納得しつつ、自分でもいつか弾いてみたいなと思っていたのだった。その後、長い間縁がなかったのだが、今回オーケストラ・ディマンシュが取り上げるというので、この夏はスケジュール過密で無理があるのを承知で、末席に加えていただいた。

嬉しいことに、今日の演奏会場はすみだトリフォニー。頭の上から降り注ぐオルガンの輝かしくも重厚な響きに包まれながらの演奏は、25年待っただけのことはある。1楽章第2部の後半(Vあたりから)は、弾いていて至福の心持ち。2楽章第2部の壮麗な和音とともに進む主題は、32フィートのパイプオルガンでなければ味わえない世界だ。難所は(リズムはもちろん)少なからずあって、練習回数の少なさからかなり緊張を要したのだが、本番では「攻め」の演奏をすることもでき、まずまず悔いの残らない形で長年の宿題をやり終えたというところ。

レスピーギも、駆け込み学習のおかげでなかなか興味深く弾くことができた。この曲のオルガンも、圧倒されるものがある。重低音が多用されるので五弦バスのパワーも存分に発揮できたと思うが、なかなか疲れる曲ではあった。金山さんの指揮とそれについていくメンバーの雰囲気もよく、ディマンシュの演奏会は充実している。

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